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未来探偵ミツオ(麗しのクーマ その2)
「また、極限まで負けたんでしょう。仕方の無い人ですね。どうですかうちの店で飲みませんか。おごりますよ」
サブはクレジットの数字を端末に表示して、本日の勝ち分をみせびらかしながらミツオを誘う。
「悪いね」
ミツオもまんざらではないようだ。「乗ってくか」
「はい」
電脳スロットの駐車場にあるブルに二人は乗り込む。雑居ビルまでの距離はしれている。ミツオは霧雨が降り続けるこの街では少しの移動でも車に乗るタイプだ。サブは徒歩でここまで来たようだ。
キーをひねりエンジンに火を入れる。反重力を利用した、電気自動車が主流の世の中で、ガソリンを調達するのは至難の業だ。しかし、内燃機関の愛好家の執念はすざましく、メタノールを使用した人工ガソリンも世には存在していた。ハンドルを握るミツオはサブに話しかける。
「最近のジャンの調子はどうだい」 ジャンとはサブの属する、非合と合法の間の団体のジャン組のボス、ジャン・レオナルドの事を差している。




