未来探偵ミツオ(麗しのクーマ その19)
ジャンは弓の照準器をもてあそびながらサブに話を続ける。
「ただ一つ気に入らないことがある」
サブは嫌な予感しかしなかった。一体何を言うつもりなのだろう。
「クーマは君が描いたというのは十分理解している。しかし権利関係があいまいになっている。私はもっと儲けたいのだ。分かるだろう」
(うそだろう)サブはそう心の中で思いながら何も言えないでいた。
「そこで、こちらのパープルさんにお願いすることにした。彼は権利関係にあかるい。悪いようにはしないから一旦、パープルに権利を渡す」
サブの体が小刻みに震える。俺のクーマをこいつらはどうするつもりなのだろう。
「クーマは僕のものです」
サブは小さな声を絞り出した。
サブの目の前の二人、ジャンとパープルが仰々しく顔を見合わせる。ジャンの目の色が変わる。
「お前、刃向かうのか」
サブはジャンの顔を見れない。
「刃向かうのか」
ジャンはもう一度同じ言葉を言う。サブは
反射的に言ってしまった。
「そういうつもりではありません」
サブは自身を責めた。しかし、ジャンへの恐怖には勝てなかった。
ジャンは一拍の間を置いた後、素っ頓狂に明るい声をだす。
「サブびっくりしたよ。でも分かってくれてよかった。悪いようにはしないからさ」
パープルが一言だけ言葉を発した。「どうぞよろしく」
パープルは薄ら笑いを浮かべていた。




