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未来探偵ミツオ(麗しのクーマ その17)
サブは壁に囲まれた建物の前で佇んでいた。中世の寺院を思わせる建物。ジャン親分の趣味だ。何台もの監視カメラがこれみよがしに外に向いていてカメラの存在を主張していた。
ジャン親分からの呼び出し電話を受けたときサブの手は震えた。用件は相談したいことがある。そう一言
告げられただけだったが、どうやらクーマの事ではないらしい。では一体何の事なのだろう。
正面門の呼び出しベルをサブは押した。
「おう」
無機質なインターホンから無愛想な声が響く。
「親分から来るように言われました」
通話を乱暴に切るノイズだけを残して扉が開く。外部からの侵入を防ぐために通路は塞がれている。左右にブロック状に分割された壁が左右に順々に開いていくと、自ずと奥へと続く通路が現れる。
常に命を狙われる帝国のボスはどんな気持ちで普段の生活をしているのか、サブには理解出来ないでいた。数人の手下が談笑している部屋を会釈しながら横切る。
ボスの部屋はこの先にある。扉をノックした後、サブは緊張した声をだす。
「失礼します。サブです」
扉が少し開いた。
サングラスをかけた部下の顔が扉の隙間からのぞく。
「入れ」
ジャン親分の声だけがサブには聞こえた。




