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未来探偵ミツオ(麗しのクーマ その14)
漆黒の闇夜に雨がふる。空中に停止しているビーグルを避けるように雨は球形に弾かれていた。重力をあやつる特性故の物理現象だ。ビーグルのドアが真上に開く。跳ね上げたドアから、男が半身乗り出した。太い腕、太い首。目出し帽をかぶっているので人相は分からない。体躯の印象とは少し違う、かわいらしい目のように見える。
二メートルほど下に建物の屋上があった。男は躊躇なく飛び降りる。つま先が金属の床に接した瞬間、受け身を取り衝撃を吸収する。同じ場所におりてくる部下のため、男は駆け出す。階下に入る為のドアをめざした。
男の名は山本。「リフレクト」と呼ばれる組織のリーダーだ。部下を動かすよりも自分が動くタイプの武闘派として名をはせている。
山本は扉の前でカードロックらしき物を観察する。いつの間にか三人の部下が山本の後ろに控えていた。山本は視線で指示を出す。部下の一人がカードキーに無言で取り付く。バックパックからケーブルを伸ばし、解錠に取りかかる。




