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未来探偵ミツオ(麗しのクーマ その12)
一夜あけたミツオ探偵事務所。
泥の様に眠っていたミツオが目を覚ました。
「水」
うめき声に近い語調で這うようにソファから半身を起こした。ミツオは完全に二日酔いだった。食欲は無い。しかし、事務所にしつらえてある簡易的なキッチンから目玉焼きの良い匂いが漂っている。小さなピンク色の物体が料理をしている。一瞬状況が飲み込めなかったが、ミツオは思い出した。
クーマだ。
「おはようございます」
軽快に朝の挨拶をするクーマに悪気はない。
クーマはどこからか探してきたバンダナを頭に巻いていた。バスタオルをエプロンのようにして身にもまとっていた。椅子の上に立ち、フライパンを軽快にゆすっている。
「朝ご飯をつくってみました」
気はすすまないミツオはクーマの好意を無駄にするわけにもいかず、食べると腹をきめた。
「ありがとう。おいしそうだ」
クーマが照れ笑いのはにかみを浮かべる。
クーマのそばにいるエリーは、楽しそうにクーマの一挙手一投足を愛でていた。




