『高嶺の花』&『最愛の笑顔』
☆ お題: 「手を伸ばしても空を掴むだけだった」で始まり、「その目の強さが好きだった」で終わる物語
手を伸ばしても空を掴むだけだった。
満点の青空。
燦々と輝く太陽。
地面に倒れ込む僕の鼻腔を、土の香りがくすぐる。
体を起こすと、目の前には凛とした態度で剣を収める一人の女性。
こうして、毎日彼女と特訓をするが、いつまで経っても彼女との距離は縮まらない。
こちらに気が付いた彼女は、おもむろに近づいてくる。
その一挙手一投足には気品があり、一片の隙も見当たらない。
右手で自身の髪を耳にかけると、左手をこちらに差し出してきた。
落ちこぼれの僕を見下さない唯一の人。
先輩であり、師匠であり、憧れであり、僕の大切な女性。
その目の強さが好きだった。
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☆ お題: 「あなたはいつも笑うから」で始まり、「その声がひどく優しく響いた」で終わる物語
あなたはいつも笑うから、俺は君のために戦えた。
その笑顔を曇らせないために、剣を振るうことができた。
なのに、俺は守れなかった。
一瞬の油断が全てを奪った。
「どうか泣かないで。貴方が笑ってくれるから、私も笑っていられるの」
俺の頬に手を伸ばし、息も絶え絶えに彼女は語る。
嗚咽を必死に抑え、目を瞬いて涙を飛ばし、彼女の言葉通り不格好に笑う。
「……ありがとう」
その声がひどく優しく響いた。
遅くなって、すみません。
良ければ、現在連載中の「存在しないフェアリーテイル」もよろしくお願いします!




