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高校空戦参加校(後編)

錨桜高校

 GHQによる公職追放が解除された後、旧海軍の文化だけでも残したいと考えた旧海軍関係者達が創設した学校。今でこそ空戦部が有名であるが、科学技術を軽視した事の反省から猛勉強を理念としており、高校空戦発足以前から有名な進学校だった。

 空戦部は創部当時から二◯◯◯年度まで旧海軍航空隊士官であった大鳥伊吹氏が監督を務めており、月月火水木金金を標語とした常軌を逸した猛練習、猛勉強と個を無視した苛烈な指導方針は高空連や文科省から苦言を呈されるほどであったが、連携の重要性を徹底的に叩き込まれた選手達は極めて強力なチームとなり、九◯年代半ばには最強校の地位を確立した。この頃になると全国から中学空戦のエリートが集まる様になり、プロ空戦選手養成所と揶揄される様になった。特に九九年度から二◯◯◯年度は二二勝二敗という圧倒的な成績を収めている。また夏の大会での強さは突出しており、二◯◯一年度まで七連覇を達成した。

 なお、二◯◯◯年度の錨桜空戦部は高校空戦史上最強と評されたが、それを裏付ける特徴として、二◯◯◯年度の錨桜空戦部に所属した選手達は非常に高い対応力を持っている。

 二◯◯◯年度の秋の大会ではトラビ空戦部が実用化した通天閣投法の攻略法を一週間で考案、決勝戦でトラビ空戦部爆撃隊を全滅させた。同年度冬の大会決勝では、雪雲を利用した一撃離脱戦法を実施するトラビ空戦部に一時劣勢となったが、試合中に対抗策を発案して実行、スコアにして一機差にまで詰め寄った。二◯◯一年度秋の大会準決勝では敗れはしたものの、B-29編隊に正面反復攻撃を実行し、その八割を撃墜破した。

 大鳥氏の死去以降は指導方針が変わり、それ以前の様な強烈な強さは失われたものの、プロ空戦選手の出身校として最も高い割合を占めており、横の繋がりも強い事を考慮すれば、今後も素質ある選手が集まりやすく、強豪校の一角にあり続けると考えられる。

 主力戦闘機は零戦五三丙型、雷電三三甲型、紫電二一甲型。爆雷撃機の主力は一式陸攻二二乙型と銀河一一型。また索敵を重要視しており、しばしば百式司令部偵察機を使用している。校籍標識は桃紅色の桜。所在は霞ヶ浦。




アレス征界大学附属高校

 世界最大のスポーツ戦争プロモーター組織であるエスデス(Association for the Development of SportsWarfare)が設立したアレス征界大学の附属高校。スポーツ戦争の選手育成およびプロ契約を目的としており、スポーツ戦争科は安い学費と優れた成績を収めれば学費免除という特典によって日本のみならずアメリカとその周辺国から有望な生徒を集めている。

 特に本命である空戦部にはエスデスが莫大な資金を投資しており、設備と機材は日本の高校で最も恵まれている。そのため近年の戦績は強豪校と呼んで差し支えないものであるが、学校としても空戦部としても歴史が浅い故か優勝経験が無く、他の強豪校からは協調性に欠けたエリートの寄せ集めと揶揄されており、実際にアメリカ人留学生と日本人選手の間で確執がある。なお、スポーツ戦争科の生徒は一定の成績を収められなかった場合フロンティア高校への転校が義務付けられているが、問題となりにくい外国人留学生の方が対象になりやすく、確執を生む要因の一つとなっている。

 主力戦闘機はP-51DとP-47D。爆雷撃機の主力はB-17GとB-25J。校籍標識は剣を掴んだ黄色い鷲。所在地は厚木。




フロンティア高校

 アレス征界大学附属高校の分校。普通科の生徒にとってはアメリカ文化が学べる事が特徴の学校でしかないが、スポーツ戦争科はアレス征界大学附属高校の落ちこぼれの受け皿である。

 アレス高校のスポーツ戦争科において求められるレベルに達していないと判断された生徒、特に外国人留学生が強制的に転校させられて所属しており、日常生活とは隔絶され、軍隊式の過酷な練習を行なっている。空戦部はアレス高校の二軍扱いであり、機体整備や練習相手などを請け負っている。この制度はアレス高校スポーツ戦争科の生徒が今の恵まれた生活を守るためより一層練習に精を出す事を狙いとしている。なお、地獄の日々を糧に技量がアレス高校の求めるレベルに達したと判断された生徒はアレス高校への復帰できるとされており、実際に空戦部だけで一年に数名は復帰している。

 この非人道的と言える教育方針は文科省と高空連から是正勧告を出された事もあるが、金の力で黙らせてきた。しかし一軍たるアレス空戦部がいつまで経っても優勝できない事と、軍隊じみた環境という点では似ているはずの錨桜空戦部とは比べるのもおこがましいほど戦績に差がある事はエスデス内でもフロンティア高校の存在意義を疑問視する意見に繋がっていき、急進派である新興の軍産コングロマリットであるIntegraグループが経営権を握った事で、フロンティア高校のスポーツ戦争科はドーピングの実験場とする事が決まった。そしてドーピングの実験台という最悪の状況においても、不幸な事に空戦部こそがその本命だった。

 空戦で結果を出す以外の選択肢を奪われた選手達は、過酷な環境で養った強靭な精神力と結束力、そして押し付けられたドーピング薬を武器に才能ある者へと立ち向かっていった。

 主力戦闘機はP-40N、P-38L、P-63Aであったが、夏の大会前にアレス空戦部からP-51Dを強奪している。爆雷撃機の主力はB-24D、A-24、B-34。そしてこの様な状況を何年も維持する事はできないと自覚しているIntegraグループによって、秋の大会前にB-29を配備された。校籍標識は蒼炎に紅のF。所在地は横田。

次回、レイア、最終章突入で命がけの純愛

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