高校空戦参加校(前編)
トラビマイスター高校
ドイツ民主共和国政府が資金援助し、経営権を所持していた私立高校。共学。前身はマイスター工業専門学校。東大阪市と奈良県の境にある山を切り崩して敷地としており、学校全体が空戦部の活動を前提に設計されている。
校舎は旧西ベルリン側にある在ドイツ日本大使館を模倣しており、それなりに立派。社会主義的思想から学費は低めに抑えられたが、そのせいで常に財政難であり、校舎以外の建物は初期投資と維持費が安いプレハブ製で、外観も中身も質素。
濃い青緑色の制服は人民警察服をモデルとしており、学年を示す肩章や学校名が書かれたカフタイトル、右胸のオークの葉で囲われた校章などが特徴。学生服としてはデザイン性が高いため人気があり、生徒数確保に最も貢献した存在と言われる。
存在理由がドイツ民主共和国と日本の友好的な関係の宣伝であったため、校舎には常に東ドイツと日本の国旗が並んで掲揚されていた。
生徒数を確保するため社会主義の宣伝は学外では一切行わず、思想教育も最小限に留められたが、その教育方針は学校の存在意義と矛盾しており、明確な理念を打ち出せないという欠陥を抱えていた。
当初は東ドイツと同じくスポーツに力を入れて存在意義を強化しようとしたが、東ドイツのドーピング問題が明るみになると才能ある生徒が入学しなくなって行き詰まり、結局東ドイツの宣伝も学校の存在意義も創設当初からの目玉であった空戦部に委ねられる事となった。
幸い空戦部がある学校としては非常に通いやすい位置に存在したため、空戦部目的で入学する生徒は一定数おり、九◯年代前半は強豪校に匹敵する実績を誇った。そのため学校の宣伝は空戦部一色となり、フォグブルーのスタイリッシュな飛行服に身を包む空戦部員は大阪では人気を博した。校籍標識は黒赤黄の方形の中央に黄色のT。
しかし東ドイツの経済が低迷すると支援も減少し、比例して空戦部の戦績も低迷。最後の拠り所を失ったトラビマイスター高校は東ドイツの消滅と共にその役割を終え、ひっそりと姿を消す、はずだった。
剣星高校
世界で初めて空戦部を設立した高校。その設立には政財界の要人が多数関わっており、今でも政治家や大企業の御曹司やご令嬢の多くが剣星高校の空戦部に所属する。空戦部の創設から現在に至るまで政財界の各方面から多額の寄付を受けており、恵まれた設備と機材を持つ。
しかし御曹司やご令嬢の多くは高校空戦を学生生活の拍付けと考えているため練習への熱意が足りず、技量は不十分。そしてそのような生徒がレギュラーとして公式戦に出場するので、長らく戦績は低迷していた。
ただし最近は一部の意識の高い選手がその様な現状を恥じ、自主練に励み練度を高め、自らを二軍と称して練習試合などを積極的に行っており、チーム力が向上しつつある。
主力戦闘機は一式戦闘機『隼』と四式戦闘機『疾風』。爆雷撃機の主力は四式重爆撃機『飛龍』で、合計出撃ポイントに応じて九七式重爆も併用している。校籍標識は交差した日本刀と黄色の五芒星。所在地は熊谷。
ライヒスリッター学園
学校の歴史は古く、明治時代の御雇いドイツ人のうち日本に残った者達がドイツの技術と文化を日本に広めるべく、前身となるライヒスリッター高等学校を創設した。一次大戦のドイツ帝国消滅により本国からの支援が途絶えると、ハンザ商業高校とマイスター工業高校に分裂。その後西ドイツが競技空戦世界大会の共同出資やプロチームの交流戦などのパッケージの一環としてハンザ商業高校に空戦部を創設。資金援助とともに学校名を戻した。騎士道精神と規律を重んじる校風であり、部活や学業で秀でた成績を収めるとアデルの称号と様々な特権を与えられるという独自の文化を持つ。
空戦部の規模は大きくないが、素養のある選手や成果を上げた選手に練習機会を集中させてエリートパイロットを育成し、機体編成では数より性能を重視する少数精鋭主義を取る事で、高校空戦の黎明期から現在に至るまで強豪校の地位を維持している。
ただし、二◯◯一年に入ってしばらくすると東ドイツ銀行による預金水増しが発覚。統一ドイツはマルク暴落に伴う金融危機に陥っており、本国からの支援が減少した空戦部もまた暗雲が立ち込めている。
主力戦闘機はBf109G-6とBf109K-4、爆雷撃機の主力はHe111H-6、He111H-12およびJu88A-4、Ju188E-2で、用途と合計出現ポイントに応じて使い分けている。Do217M-3も使用していたが、数年前からHe177A-5に置き換えて切り札としている。校籍標識は赤と白に縁取られた黒の鉄十字。所在地は京都。
星条高校
アメリカの大学に進学できる人材を育てる事を目的に創設された学校で、校内会話は英語。高校空戦の黎明期に空戦部を創設し、知名度を上げるとともに規模を拡大した。
学費が非常に高く富裕層しか入れないが、その分設備や機材に恵まれており、現在の高校空戦強豪校の一画。特に夏の大会では錨桜高校の対抗馬として毎年優勝候補に挙げられている。
主力戦闘機はF6F-5とF4U-4。爆雷撃機の主力はTBF-1CやSBD-3、PBJ-1Dで、秋の大会ではPB4Y-2も使用している。校籍標識は赤枠を付けた白細帯の上に紺色円と白抜き五芒星、中央に赤い円。所在地は佐世保。
レルム国際大学附属高校
国際社会で活躍できる人材の育成を理念としており、留学先の選択肢の多さで人気を集める。主要な留学先の国から支援を得る事で空戦部を創設した。
主力戦闘機はスピットファイアMk・V、IX、シーファイアMk・XV、タイフーンMk・IBで、用途と合計出現ポイントに応じて使い分けている。爆雷撃機の主力はモスキートBMk・XVI、リベレーターMk・VⅢ、PBJ-1C。校籍標識は赤紺白の破線円に縁取られた紺色の円、その内側に黄色の地球記号。所在地は仙台。
ノストラム実業高校
欧州最大の財閥であるノストラムが支援する高校。大正時代にイタリア商人が創設した商業高校を母体とするが、財政難により廃校寸前に陥っていたところをノストラムに買収された。商業を通じてラテン系を中心とする文化を日本に広げる事が理念であるため自由な校風であり、部活動全般が盛ん。
主力戦闘機はMC・200、202、205。爆雷撃機の主力はSM・79-ⅢとZ・1007bis。校籍標識は赤緑黄で縁取られた羅針盤。所在地は鹿児島。
アイリス農業大学附属高校
明治時代の御雇いフランス人のうち日本に残った者達が創設した農業高等学校が前身であり、現在に至るまでフランスの農業技術と文化を日本に伝えている。高校空戦が日本で盛んになると、ドイツやイギリスに追従する形で空戦部を創設し支援を開始した。ジェット機を使用する大学の空戦部は強豪校であるため、それを目当てに入学する生徒も多い。
戦闘機はM・B・152C1とD・520を主力としている他、Yak-3とM・S・406C1も使用している。爆雷撃機の主力はSB2C-3、A-31、B-26、N・C・233・3。校籍標識は青丸に白抜きのフリードリス。所在地は三沢。
インターナショナル大学附属高校
北海道が地方創生の劇薬としてソ連の資金援助をもとに創設した学校。世界三位の経済力と豊富なスポーツ戦争予算による支援は強力であり、生徒の思想が多少左寄りになってしまうという副作用はあるものの、学費が非常に安いにも関わらず十分な設備を持つ学校として人気となった。
空戦部に対しても潤沢な予算が注ぎ込まれており、所有機体、部員数とも多く、内部競争により高い練度を維持する高校空戦強豪校の一画であるが、ソ連経済が事実上の破綻状況にあるため支援が減少しており、近年は規模を縮小しつつある。
戦闘機はLa-5FNとLa-7を主力としている他、秋の大会ではP-39Nを使用する事がある。爆雷撃機はIL-2、Pe-2、IL-4、Yer-2を用途と合計出撃ポイントに応じて使い分けている。校籍標識は黄色い円と赤い星。所在地は釧路。
ビロード農工高校
ソ連が日本で影響力拡大を目論んで空戦部を創設した学校。ただしインターナショナル大附属とは異なり資金援助はCOMECON加盟国が行うこととなった。ところが冷戦終決により東欧諸国が相次いで民主化革命を起こしたため、単に東欧諸国が自国文化を日本に紹介しつつ、人材交流を図る学校となった。安めの学費でエキゾチックな文化に触れられるため近年人気が上がっている。
ソ連からの援助は無くなったものの東欧諸国が支援しているため空戦部の設備や機材はそれなりに潤沢。
主力戦闘機はYak-9M、Yak-1、Yak-7。爆雷撃機の主力はB-33とTu-2。校籍標識は赤白青の三角形。所在地は函館。
極光十字学院
石川県が地方創生のためスェーデンとフィンランドからの資金提供をもとに空戦部を創設した学校。
主力戦闘機はJ22-A、VL MyrskyII、Bf109G-6。爆雷撃機の主力はB18B、T18B、Ju88A-4。校籍標識は青白黄のスカンディナヴィア十字。所在地は金沢。
オリエルタル高校
旧ユーゴスラビアの援助で空戦部が創設された学校。元の名前は友愛スラビア高校。ユーゴスラビア崩壊後はセルビアが支援国となっていたが、二○世紀末にアラビア半島最大の財閥であるナシャートがセルビアから経営権の大部分を買収した。
空戦部としてはユーゴスラビアの血を継いでいる事と、支援組織であるナシャートが親ソ連であるため、主にソ連製の機体を使っている。
主力戦闘機はYak9、Yak-1B、Yak-3。爆雷撃機の主力はIL-2とPe-2。校籍標識は緑黒赤の太陽。所在地は兵庫。
ヴィクトリア高校
日英同盟を記念して創設された旧制中学を母体とする学校。現在に至るまでイギリスの文化を日本に伝えてきた。もとは女子校であったが、経営難に陥った際に共学へ変更。その後イギリスの支援によって空戦部が創設された。
主力戦闘機はスピットファイアMk・V、IX、XIV、ハリケーンMk・IIで、用途と合計出現ポイントに応じて使い分けている。爆雷撃機の主力はウェリントンMk・ⅢとランカスターB.1であり、用途によってはバラクーダMk・IIやボーファイターTF Mk・Xも使用している。夏の大会でのソードフィッシュMk・Ⅲ投入は風物詩。校籍標識は青丸と赤のV。所在地は静岡。
名峰学院
明治時代にお雇い外国人のイタリア人数名がイタリア料理を学べる教育機関として設立した学校。イタリア人講師の指導のもと生徒自身で作る学食が非常に美味しい事で有名。学院という名称の通りミッションスクールで、宗派はローマカトリック。
日本で高校空戦が盛んになると、スイスとイタリアの共同軍事企業ヘルヴェティア=アクィラ・テクノロジーズを初めとする北イタリアおよびスイスの有名企業の支援によって空戦部が創設された。空戦部創設以来の伝統として、曲芸飛行団を擁している。
近年ではヘルヴェティア=アクィラ・テクノロジーズが優秀なスイス人、イタリア人留学生を送り込んでおり、より強力なチームへの変貌が期待されている。
主力戦闘機はG・55、Re・2005、Bf109G-6。爆雷撃機はP・108、Z・1007bisを使用している他、Z・1018の認可を高空連に申請している。校籍標識は緑の月桂冠と山型の赤いM。所在地は松本。
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