369:EX-Sシナリオ『その恩恵は他が為に、その力は主の為に』Ⅴ
ボス『キングキマイラ(仮)』戦。
激しく動くギルファーとその分身、その数は以前より増えた20匹にもなり、鋼剣の数も以前より増え、大小さまざまなサイズが宙を舞う。
キングキマイラを切り裂き、蹴り飛ばし、雷撃での激しい攻撃を繰り返していくギルファー。俺視点ではその光景を見るのがやっとだが、その攻撃速度と練度の高さは今まで戦ってきたどの相手よりも高く鋭いだろう。
「ッッ!!!」
『アール!』
この首絞めもいい加減にして欲しいが今ギルファーが本気でやってんだ。まとめて耐えてやるくらいの根性見せてやる・・・!!
「いいか・・・ら・・・やれぇ・・!!!」
『クゥワォン!!!』
――――◇――――
・『従者:剣弧』が『次元斬撃』を発動。『時代人:アール』のHP10%消費
――――◇――――
『次元斬撃』
・『従者:剣弧』専用スキル。『主』のHPを10%消費することで、存在を切り裂く。
――――◇――――
こりゃまたとんでもねぇスキル覚えてきてんじゃねぇか卯月弥生! だがこれで・・・!!
「ギルファー!! やれ!!」
『当然だ!!』
剣弧となった卯月と弥生の斬撃が、目に見えぬ何かを断ち切り、俺への攻撃を断ち切った。これで認識できない首絞め攻撃に対処できる!
それにだ。
「俺が諦めたらリーク達に顔向けできねぇからな!!」
――――◇――――
「ルーク!!」
「わかってる!!」
表でアールたちが頑張っている中、裏でも動きがあった。
『ギギママイイラララ!!!』
『ギママイラァァン!!!』
このクソモンスども! アールのこと抹殺するためにうじゃうじゃ現れ始めて!! いい加減にアールの事狙うんじゃないわよ!!
ボスの首絞めの白い触手はデカくなった狐ちゃんが何とか出来るみたいだけど、こっちの雑魚にはやっぱり気づいてないみたい。
「ルーク!! 一匹たりともアールに近づけんじゃないわよ!! もしミスったらわかってるわね!!」
「脅されなくたってこれ以上師匠のこと殺させはしないってば!!」
アールが退く気がなくて、それに答えるように犬と狐が姿を変えて戦い始めたんだ。私だってやってやる!
「ディア!! 私が死なない程度に全力出しなさい!! 負担はこの際全部無視よ!!」
『ヨヨヨ!!』
――――◇――――
・『破滅の球体-ディア-』による融合深度上昇。
・毎秒HP最大値9%減少(最大減少率90%)
・攻撃力大幅上昇
・思考速度大幅上昇
・精神支配状態:40%
・肉体支配状態:70%
・思考汚染:60%
――――◇――――
私がわたしじゃないみたいよ。でも目的はわかっているわよ。アールが私達に顔向け出来ない事も理由にして戦ってくれてる。私のために戦ってくれてるんだもの。
「『アブソリュートキュア/ブラッドホールネガブレイド』!!」
私が使うのはの体力を削ることで発動する巨大な剣を生み出す魔術/わたしが使うのは自分のHPだけを高速回復する回復魔術。
「これ以上アールに触れさせない!/これ以上アールを傷つけさせない!」
わたしは迫り来るモンスターの腕を我武者羅に切り落とす、蹴り飛ばす。そしてアールを守る。/私は傷つく自分の身体を癒して癒して癒し続ける。
動きが止まったアールに対して、白い腕は無数に伸びていく。現れるモンスターたちはアールを刺し殺そうと突進していく。/減り続けるわたしの体力を戻すように、わたしは私の為に魔術を使い続け消費したMPを回復し続ける。
「でりゃぁぁ!!!」
ルークだってあれだけ動けてるんだもの、私だってアレ以上にやらないと立つ瀬がないもの。/あの子がアールのために戦ってるんだから、それ以上にわたしは戦えるに決まっているでしょう?
えぇそうね/えぇそうでしょ?
だって/だって
『ヨヨヨヨ!!?!?』
私なのだから。
――――◇――――
・『UtS:多重人格思考能力』を会得しました。
――――◇――――
UtS:多重人格思考能力
・効果:自分であり、自分じゃない自分と同時に別のことを思考できるようになる。『UtS:マルチタスク』とは違い、自分の理性と本能が思考するため、考えが異なる場合があるが、一度の行動で二重に行動できるようになる。
習得条件:『破滅の球体:ディア』の精神汚染に対して自分の意思を強く持ち続ける。
――――◇――――
「アハハハ!! なにこれ私!! 今までで最高の気分よ!!/ウフフフフ!! 素晴らしいわ!! こんな感じ初めてよ!! これなら絶対にアールを守れる!!」
「っ!!?リーク姉ちゃんの声が二重に聞こえる!!? ねぇディアなにしたの!!?」
『ヨヨヨヨ!?!?(特別翻訳:わかんないけどなんかなったんだよ!?)』
「ディア! やるわよ?/ルーク、後で教えてあげるから今は戦いに集中しなさい?」
「は・・・はいぃぃ!!!!」
デカブツ、二度とアールの首に触れられると思わないことね/デカブツ、次にアールに触れたら肉片一つ残さず殺してあげる。
「それからクソモンスども!! 全員血祭りにしてやるわ!!/クソモンスども!! 肉塊レベルまで切り裂いて殺してやる!!」
――――その話、僕も乗った
「っ!!?/なに!?」
「リーク姉ちゃん!! バンデがっ!!」
その姿は龍としか言いようがない、恐ろしくも強大な姿だった。/さっきまで小さな姿だったバンデはそこにはいなかった。
――――彼を傷つける存在は僕の敵だ。
――――◇――――
・『時代人:アール』の『従者:刻録龍バンデ』能力『刻録龍顕現』覚醒。
――――◇――――
チーザーの従えているドラゴンが、まるで驚異に思えないプレッシャーを放つ。/戦って勝つビジョンが全く見えない存在が目の前に現れた。
――――今ここで僕が戦ったら、彼も巻き込んじゃうから僕の力を君たちに分けてあげる。
――――◇――――
・『従者:刻録龍バンデ』が『刻録幻焔-剣-』を発動。
・対象者『時代人:ルーク』『時代人:リーク』『従者:破滅の球体-ディア-』
――――◇――――
『刻録幻焔-剣-』
・攻撃する度に自分のHPが回復する。
・攻撃する度に自分の全ステータスを2%上昇する。
・攻撃する度に敵のステータスを2%減少させる。
・攻撃時、全ステータスが5%上昇し、敵ステータスを5%下げることがある。
・攻撃時、敵に状態異常『刻録滅炎』『刻録闇命』を付与することがある。
・攻撃時、『刻録龍-バンデ-』の『主』の全ステータスを5%回復する。
――――◇――――
『アール!』
「あぁわかってる!! 原理も理屈もわからんがな!!」
急に気配を感じるようになった。けどその気配は俺に対する敵意はない。むしろこちらに味方するような気配がある。
それだけじゃない。ギルファーと卯月弥生の力を発揮するために消耗した俺のMPと減少したステータスが急に回復を始めた。そして感じる。リークたちがすぐ近くにいると。
『ヴァヴァヴァヴァヴァヴァ!?!?!』
それを奴も感じている。はっきりとした敵意を。敵意に怯えるように動きを鈍らせ、キングキマイラの攻撃が途切れた。今がチャンス!
「ギルファー!! 卯月弥生!! ここで一気に決める!!」
『WOOOOOOOO!!!!!!』
『ワァウ!!!』
――――◇――――
・従者『鋼牙狼ギルファー』が『雷影鋼狼』発動。『時代人アール』のMP80%消費。
・『従者:剣弧』が『剣波月滅』発動。『時代人アール』の全ステータス50%減少。
――――◇――――
『雷影鋼狼』
・『主』のMPを80%消費して発動する『鋼牙狼ギルファー』限定スキル。生み出した分身が本体である『鋼牙狼ギルファー』と同等の能力を得る。
――――◇――――
『剣波月滅』
・『主』が『称号:剣聖』『称号:月光流』を持つ場合のみ使える『従者:剣弧』限定スキル。『主』の全ステータスを50%減少させる代わりに、『主』と同等の戦闘能力を得る。
――――◇――――
キングキマイラが生んだ一瞬の隙。その隙を突くようにギルファーによる怒涛のラッシュが、卯月弥生による斬撃が、途絶えることない連続攻撃となりその巨体に叩き込まれていく。
このキングキマイラ攻撃して怯まないのなら怯むまで攻撃をし続ける。ダメージが入らないならダメージを負うまで攻撃を続ける。
そのためには速度が必要だが、この全力状態のギルファーは、俺の本気とも渡り合う状態、言わば動ける俺がここにいるといっても過言じゃない。
そんなギルファーの攻撃と攻撃の間を縫うように、卯月と弥生が融合した『剣弧』が武器を振るう。二匹のスキルがかみ合い、まるで俺とギルファーが共に戦っているような光景だった。
その代償として、俺のステータスが大幅に低下し、MPが吸い上げられているが、今の俺の状況を考えればデメリットでも何でもない。
それどころか今の俺の状況を考えればこんな形で役に立てるならどんと来いだ!
『Woooooo!!!!!!』
『グルォォォンン!!!』
『ヴァヴァヴァルヴァァッ!!?』
「いっけぇぇっ!!!」
全方位から叩き込まれる斬撃と雷撃。ついにHPの限界が訪れ、大きな音を立てて、キングキマイラは地面に倒れた。
――――◇――――
・『魔従王:キングギラゴラン』戦闘不能
――――◇――――
「「「よっしゃぁぁ!!!!!」」・・・・ん?あっ!!リークにルーク!! おぉっ!!? バンデかお前!?」
声が重なり、その方向を見るとそこにはリークたちがいた。というか隣にいた。ついでに俺についていた手錠足枷も破壊されていた。ってかバンデお前どうした!!?
「アール!!/アール!!!」
「んん!!? リークなんか声へんじゃねぇ!?」
「ディアと融合させてもらってるからね/新しいUtSの影響もあるけどね」
「なるほど、ディアと融合して更にUtSの効果でそんな風になってるのか」
「師匠なんでわかるの!!?」
「え? わからない?」
「さすが私のアール!!愛してる!!/アール大好き!! 結婚しよ?」
「ちょっ・・・こんなところで恥ずかしいから・・・そういうのは今度改めてな?」
「ガチ照れ!!? 今リーク姉ちゃんなんて言ったの!!?」
『ふん・・さっきまでの雰囲気が台無しだな』
『クルォン!(特殊翻訳:主がげんきならそれでいいー)』
『ヨヨヨヨ(特別翻訳:けどこっちのほうがアールらしくて僕は好きだよ?)』
――――彼が無事なら僕はそれでいいや
『刻録龍顕現』時の姿はイン〇リ〇ルド〇モンをイメージしてください。
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活動報告にて今後の更新に関して記載させていただきましたが、しばらくの間更新頻度を下げることにしました。元気になったらまた元に戻すつもりなので今後もよかったらお付き合いいただけますよう、よろしくお願いします。
まぁ今週は今まで通りの更新ですが、来週からは火曜日と土曜日のみとさせていただきます。




