365:EX-Sシナリオ『その恩恵は他が為に、その力は主の為に』Ⅰ
Wシナリオ同時発動のため仕様変更。
難易度跳ね上がっています。
いなくなったリークたちを探してみたが、この初期エリアにはいなかった。となると以前の黒の巨塔スタイルで奥で寝てるか、あるいは囚われている感じになってるかのどちらかだろう。
「よし、とりあえず進むか」
『それがいいだろう。どうせどこかで寝ているだろうからな』
経験者は語るってやつだな。とりあえずやることは決まったし先に進んでいくとしよう。ギルファー達と共にダンジョンへ続く道に入り、進んでいく。洞窟ではあるがかなり明るく、壁には光る鉱石のようなものがいくつもありその光が洞窟を照らしている。
鉱石を手に取ってみるが説明などが一切出なかったので、そのへんの石ころ的な扱いなんだろう。武器としては使えそうだ。
そうそう、武器なのだが、ズイカクもコンゴウも沈黙している。どうやらこのダンジョンでは会話できないらしい。なので完全にペットの散歩みたいになっている。
「なーんか懐かしいな。お前と歩くのは結構久しぶりじゃないか?」
『ふん。覚えておらん。我としては貴様と二人だろうとそうでなかろうと変わりはしない』
「とかいいつつ実際嬉しかったりするんじゃないのか?」
『・・・ハッ』
うっわコイツ鼻で笑いやがった。可愛くねn・・・いやこいつが可愛いとか逆に嫌だからこの方がありがたいな。
『『クォン!』』
『っ・・・くだらん事考えているならばさっさと奥地とやらに行くぞ』
「ヘイヘイ・・・ってか今卯月達なんて言ったんだ?」
『気にするな。くだらん事だ』
そう言いつつ、周囲を警戒するために俺より前を進んでいるギルファーと、俺の両サイドで守りを固めるように歩く卯月と弥生。なんだかんだ言いつつコイツはかなり頼りになるからな。戦ったらクソほどに厄介だしめんどくさい相手だけど。
そんなこんなで洞窟を進んでいくこと数分。曲がり角を曲がった先にダンジョンモンスター第一号が姿を現した。
『ギギギマママイイイイララララ』
「なんつう鳴き声だよ。雑すぎんだろ」
1mはあるだろう頭に足を付けただけのモンスター。手は無いものの鋭く伸びた角が特徴的で、よく刺さりそうだなぁと思うのが第一印象。
わかりやすく言えばどこぞのドリル作品に出てくるガンメンだな。主人公機を限りなくブサイクにして角をつけました的な感じだ。
鳴き声もあれだし仮称『キマイラ』にしておくか。そう言えばこんな感じのモンスター最近リマスターされた作品にも出てたっけ。
あの話はやめておこう。あまりにも悲しすぎるからな。まぁマルチで友人と楽しむ分にはそこそこ楽しいから問題ないだろう。ただしDLC、あと砂漠のギミック消滅、もといバグ。あれだけは許さん。
詐欺師伝導師のイベントと詩と存在理由を消しやがって・・・おのれス〇エ〇・・・!!! お前たちが真のラ〇エじゃねぇかこの野郎・・・!! 俺たちの思い出を食いやがって・・・!!
『? どうしたアール? 顔が愉快なことになっているぞ?』
「あぁすまん。ちょっと思い出を食われた思い出を思い出した」
『??? まぁいい。あの程度なら貴様で十分だろう。さっさと殺ってこい』
「そこはお前がいけよ・・・いいけどよ」
『クォン!!』
『クゥーン・・・』
主を使いっぱしりにする従者ってどうなのよ? 自分の状況確認したかったからいいけどよ。卯月たちは心配そうに擦り寄ってくれているが、心配させないように頭を撫ぜてやる。
『ギギギマママイイイイララララ!!!』
相手もこちらに気づいているので敵意丸出しで突進してきた。動きは短調、回避するまでもなさそうだ。けれど万が一もあるし、しっかりと回避入れてから反撃して切ろう。
速度もそこまで早くもないしステップ回避で十分そうだ。
「よtt《ジャラリッ!》はへ?」
『ギギギマママイイイイララララ!!!』
「ゴバァッ!!?」
目の前が真っ赤に染まった。
――――◇――――
視界がもどる。湧き出る泉の水面にプカーと浮いている俺。
はい反省会の時間だ。歩くにも動くにも問題なかったはずなのに、モンスターを前にした途端、足枷と手錠が急に重くなったっと思ったら、全身が鉛のように重くなって動かなくなった。
次の瞬間、キマイラに喉をぶすりと刺されて泉送りにされていた。
『何をやっているのだお前は・・・』
そう言いながら犬掻きで泉を泳ぎ、俺の首筋を鼻の先で突くギルファー。俺が死んだことで一緒に泉に叩き込まれたようだ。
同じように叩き込まれた卯月と弥生はもふもふの毛皮が水に触れたことでかなりスリムボディになっていた。それでも、貫かれた俺の胸を心配するように泳ぎ寄ってきて、ペロペロと傷が刻まれた場所を舐めてくれる。
かなり擽ったいが、心配かけちまったな。心配するなって頭撫でてやったのに。さて、俺の状況は大体わかった。
「いやぁ・・・どうも今回は俺戦力外通告受けてるみたいだわ」
『は? つまらん冗談はやめろ』
「いやいや本気。これ・・・お、やっとこれの説明出てきた」
運営め。今回はノーミスクリアさせる気がなかったみたいだな。それじゃぁ今回の条件確認と行こうじゃないか。
――――◇――――
特殊アイテム『他が為に捧げる御身』
・この装備は外すことができない。
・この装備は破壊できない。
・この装備を装備している場合、モンスターとの距離が一定以上に達した時、装備者は行動できなくなる。
――――◇――――
・・・おいおい。いつもながらそうだけどEXダンジョン難易度が鬼畜仕様だな。今度はプレイヤースキルとかそういうの全部否定してきたんだけど。
これがもしも隠密行動をとれっている運営からの指示だとしても、あそこのキマイラをやり過ごすの無理じゃね?
一本道でどうやり過ごせと? それ以前に認識とかじゃなくて接近でしょ? きつくね? ソロだと間違いなく詰むやつじゃん。
とりあえずこの現状をギルファー達に説明することにした。最初は怪しんでいたギルファーだが、だんだんと状況を理解してくれたのか、めんどくさそうな表情になっていった。
『つまりだ。この洞窟を超えるには我が貴様のかわりに戦えと?』
「んだんだ」
まぁ卯月と弥生でもいいんだけどさ。何かギルファーが自分がやるのかみたいな雰囲気出してるし、余計なこと言わんどこ。
『・・・はぁぁぁぁ』
『クァン!』
『ワフ!』
クソデカため息やめろや。そんなギルファーに変わるように、『僕らに任せて!』と言わんばかりに前に出て尻尾を振る卯月と弥生。
『おい狐ども。やらんとは言っていないだろうが。しゃしゃり出てくるな』
『『クァン!!』』
何か静かにバチバチと火花を散らす三匹。喧嘩しないで欲しいんだが・・・
『アール。今回は我がやってやる。だからそこの狐どもには手出しさせるな』
『『クァンクァン!!』』
納得いかないと抗議をするように声を張り上げる二匹だが、今回はギルファーに任せておこう。
「はいはいわかったよ。卯月、弥生。お前らは俺の直衛を頼むよ」
『『・・・クゥアーン』』
どうやら俺の頼みならと言うように渋々納得してくれたみたいだ。とりあえずこれで進むことはできそうだ。
――――◇――――
『ギギギマママイイイイララララ!!』
二度目です。場所は同じ曲がり角を曲がった先。角に光る液体を滴らせたキマイラが陣取っていました。そして当然のように曲がった瞬間俺たちを発見したキマイラは戦闘態勢。闘牛よろしく足踏みしながら突進の構えです。
『失せろ俗物』
『ギマァァ!!?』
ギルファーは鋼剣を作り出し、キマイラが動き出す前に頭上から串刺しにした。断末魔を上げるキマイラはそのままぐったりと地面に転がった。
「容赦ねぇな」
『雑魚に時間をかける趣味は我にはない』
『『クォーン!』』
念のためと言わんばかりに死骸に鋼剣をもう三本突き刺したギルファーと口から火を吐いて死体を燃やす卯月と弥生。死骸は消えることはなかったが、もし動いたとしても地面に縫い付けられているため簡単には動けないだろう。
『行くぞ。まさかまだ動けんなどとは言わぬだろうな?』
「ん? いや問題ねぇわ」
しっかりと倒せているらしく近づいても問題なく動ける。ギルファーありがとう。
『しかしあれだな。この程度の雑魚とも戦えんお前を見るのは中々に愉快なものだ』
「うっせ。そういう仕様らしいからしかたな・・・」
『・・・どうした? 急に黙るっ!!?』
「ア・・・・ガヘ・・・?」
『『クォアン!!?』』
――――◇――――
この短時間に二回も泉送りにされたのは初めてじゃなかろうか?
ギルファーが間違いなくあのキマイラを倒していたはずだ。それなのに、俺は気が付くと首に穴を開けられていた。殺られた感覚としてはキマイラに刺された最初の感覚と同じだ。
でもキマイラは間違いなく沈黙していたし、俺の視界から見ても倒れていた。一体何が起きた?
『おい、説明しろアール。何が起きた?』
『『クゥー!!』』
先ほどのようにプカプカと浮く俺に近づき、首をつついてくるギルファー。悲しい声を上げて頬に擦り寄り俺の体温を感じるようにくっついてくる卯月たち。
「悪いけど俺にもさっぱりだ。何が起きたか全然わからん」
『ちっ・・・少し気を抜きすぎたか』
「おいこら」
『お前に言ったのではない。我に対して言ったのだ。気にするな』
「あ・・・そう・・・でもあんまり気にすんなよ? 流石に何か居たら俺だって気づく」
『わかっている。我の気持ちの問題だ。気にするな』
とかいいつつ、めちゃくちゃ機嫌悪そうだけどな。しかし、この謎を解かないと先に進むのは難しそうだな。
珍しく、一話で二回死に戻りした主人公アール。二回目は一体何が起こったと思います?
もしよければ感想くれると私の気持ちが楽しくなれますのでお願いします。




