363:ドロップアイテムと助けた相手
今回のお話のメインはリークとルークかな?
色々と思う所はある。しかし、とりあえず討伐成功してしまったわけだ。
いやな? 別に俺の実力で討伐できなかったことに関しては特に思うところはないんよ。でもやっぱりほら・・・あるじゃん。なんていうの? この不完全燃焼感。
「〜♫ あ、ラッキー、レア素材っぽいものゲットだね」
「『極炎竜結晶』・・・絶対これ武器強化で炎属性つくやつだよね?」
「良かったねルーク。もし属性武器化できる素材だとしたら数少ない属性武器持ちになれるよ」
「属性武器かぁ・・・実は僕ちょっとそういうの憧れてたんだよね! バカ師匠は自力で炎とか出すけど、僕そこまでのこと出来ないし」
「アールのあれはまぁ・・・うん。君にはまだ無理だよ。でも正規ルートで属性効果出すなら素材で武器に付与するこの方法だから覚えておくといいよ」
「リーク姉ちゃん・・・僕お願いがありまして・・・」
「高いよ?」
「そこはおまけしてよ!!?」
そう。二人の話からわかるように、今回の素材、武器強化素材っぽいんだよ。そしてだ。俺のメイン武器は既に完成しているので強化とか『なにそれおいしいの?』状態だ。
やれば出来ないことはないんだろうけど、それは味も見た目も完璧な日本食料理に尋常じゃない量のオリーブオイルをかけるがごとく悪行である。
つまりだ。今の俺の気持ちは『厚燐』が欲しかったのにやたら『天鱗』『逆鱗』が来るようなものだ。悪くはないけど、なぜ今くる!? みたいな感じ。
そして今の俺が欲しかった素材は・・・
「『肉・・・』」
『キュルルァー』
肉である。ノーマル素材としてこれ以上ないほど普通でありきたりの肉である。それが一つも出なかったのだ。鱗、甲殻、爪、翼爪、棘、廃熱器官、などなど、装備強化の素材はゴロゴロあるのに、肉が出なかったのだ。
そもそも食糧確保のために来たのに、その食料が一切ドロップしなかったのだ。死体を漁って解体すればいいとも思ったが、あのEX個体以外の死体は、EX個体の放った溶岩炎で跡形もなく焼け溶けていた。倒したため報酬として手に入れた素材はあるものの、肉はない。
肉が・・・ないんだ・・・。
「えっと・・・師匠? どうしたの? そんな顔して・・・? も、もしかしていいアイテム出なかった?」
「アナウンス見たけど確定で『極炎竜結晶』は出てるからそんなことないとは思うけど・・・アール、そんなにショックなことあったの?」
俺の様子がおかしいと気づいた二人が、心配そうに俺の顔を覗き込んできた。流石に『肉が出なくて落ち込んでる』と素直に言うのは恥ずかしすぎる。
「えっと・・・あれだ。実力不足を噛み締めてたところだ」
嘘である。
「嘘ね」
「嘘だね」
「なぜ即答!!?」
「「だってアール(師匠)が悔しがるときはもっと悔しそうな顔するからね(してたし)」」
『我は食物にありつけなかった事が気に食わん』
「犬には聞いてないわ。しかも肉って・・・」
「肉って・・・僕三つ出たから後で全部あげようか? 乗せてもらったし」
『・・・いや・・・いい。それを受け取ると我が惨めに感じてしまう』
アール の 精神 に 999 の ダメージ 。
知られていないのがせめてもの救いであるが、この後問い詰められる未来しか見えない。
「ご主人!! あの人たちだべ!! オラさ助けてくれたのは!」
「ははは。ゴンベ君、そんなに元気に翼竜の尻尾を掴まないでくれないかな? 僕でも死んじゃうよ?」
「あ、さっき助けた巨人の人だ」
・・・よし。ここで話をすり替えてしまおう。そうしよう。
やってきたのはさっき助けた巨人族と、その巨人族が尻尾を掴んでいる翼竜に騎乗している一人の若い男。
「無事だったか。良かったよ」
「珍しいわね。このエリアに巨人族がいるなんて・・・っていうか貴方、それ大丈夫?」
「んだ・・・? っ!? ご主人!!? 大丈夫だか!!? いったい誰がこげんなこと!?」
「あはは、君だぞゴンベ君。もう少し優しく引っ張って欲しかったんだけどね僕」
「と・・・とりあえず、落ち着いてから話そうか」
じゃないとご主人と呼ばれた人から話を聞けそうにないし。
――――◇――――
「改めて。僕の仲間のゴンベ君を助けてくれてありがとう。僕の名前は・・・そうだね。ナナシとでも呼んで欲しい」
「「「(明らかに偽名だよな(だよね))」」」
「オラがゴンベだぁ! さっきは助けてくれて本当にありがとぉ!」
助けた巨人族と、その仲間。本人はナナシと名乗ったが、名乗るまでの間を考えて偽名だと疑わずにはいられなかった。
しかしまぁ敵意はないようだし、名乗りたくない理由もあるのかもしれない。今はそういうことでいいだろう。
「実は僕、君たちのこと空から見てたんだよ。ゴンベ君を探してる時に見つけてね。君には気づかれていたみたいだけど」
「ん? あぁもしかしてあの時空にいたのお前か」
ここに向かう道中、空で一匹モンスターが見ているなぁとは思ったんだよ。こいつだったのか。
「すごい速さで進んでいる上に、強そうな仲間に乗っているんだもの、気になるのは当然さ」
『ふん、当然だ。我だぞ、有象無象が気にならないはずがないだろうが』
「だよね。そちらの気高そうな狼の君も剣士の彼に並ぶ興味を持ってしまうほどさ。そして君たち二人の信頼関係も素晴らしいものだった」
「『当然だ。コイツとどれくらい一緒にいると思っている』」
戦いになればコイツの動きくらいは見なくても想像がつく。一緒に戦えばタイミング合わせるくらい一緒にいるだけで出来るさ。
「うわぁ・・・悔しいけど今回は私も口を挟めない」
「バカ師匠もバカ犬も息ピッタリだったよね。まるでじゅくn・・・何でもないですだからリーク姉ちゃんアイアンクローはやめてぇ!!?」
「なんのことかなルーク坊や???」
「ひぃぃぃぃ!!!?」
口は禍のものなり。ルーク南無三。
「そんな君たちにゴンベ君を助けてくれたお礼がしたいんだよ。どうだろうか? 少し僕に君たちの時間をくれないかな?」
「俺は構わないぜ。リーク、ルーク、お前らどうする?」
「私は勿論いいよ」
「僕も!」
お礼がしたいと面向かって言われて悪い気はしないからな。何かあるかも知れないしこういう好意には甘えてしまえ。
「とは言っても、僕がしたいお礼はちょっとだけ誓約があってね」
いきなり雲行きが怪しくなってきたぞオイ。そんな俺たちの表情を見てか、慌ててナナシが弁解した。
「勘違いしないでくれよ。別にそこまで厳しいものじゃないんだ。ただちょっと特殊すぎてしっかりとすべての恩恵を受けられる人はかなり限られてしまうのさ」
「・・・言っとくけどナナシさん。私たちを騙そうものなら首を切り落とすからね?」
「大丈夫だべ! ご主人は案外ヘタレだから恩人さん達みたいな強い人を騙すなんて恐れ多くて実行できないべ!」
「ごふっ!? ゴンベ君軽くひどいこと言うよね!? 事実だけど」
「まぁそういうことなら俺は信じるよ。それで? その特殊な条件っていうのは?」
「それは案内する場所についてからのお楽しみだよ。それじゃ、行こうか」
こうして、俺たちはナナシに案内されて山の奥へと進んでいくこととなった。
いかにも不審な男性ナナシ登場。
感想と評価と指摘、ついでにレビューも言っちゃえ!!
的な感じで皆さんの声を聞くと私とても嬉しいですので、気軽によろしくお願いします。




