339:黒の巨塔 Ⅳ
今更ですけど、『ね』の件誰か反応くれるかワクワクしてたんですが無かったので少し寂しかったです。
皆さんご存じですよね? それはさておき本編をどうぞ。
目が覚めると知らない空だった。テンプレだと知らない天井なんだけどなぁ。自分で言っといてなんだけど、知らない空って何?
あと、目覚めるっていうよりは視力が戻るって感じだった。突然見えた空って感じだったし。
「師匠・・・生きてるよね?」
「愛弟子・・・生きているよな? 返事をせよ・・・でなければ余は泣くぞ・・・?」
「はんべそかいてなにいってやがる」
あれ、なんか思ったように声が出ない? 無理しすぎたか? けど呼吸が外に抜ける感じもないし。
「あほ・・・ばかぁ・・・ばかししょう・・・」
「余は怒ったからな・・・帰ったら・・・説教をするからな・・・愛弟子・・・」
生きてるってことはあの後出た先は安全地帯があるエリアだったのか。ならよかった。けどあのエリア配置は悪意しか感じねぇ。運営さんちょっとやりすぎとちゃいますか?
今度バイトさせてもらうときはそう言うのも含めて俺も確認しよう。俺がこうなった上に、エキスパートモードのルークまで一発KOだぜ? ミスってる。
《《しなくていいわ主!! アタシの方から言っとく!! ゼッタイに言うわ!! 貴方本当に死にかけたんだからね!!!》》
え? マジで?
《《正確に言えばゲームでの死ですよ〜。ただちょっと刺激が強すぎてズイカクちゃんにとっては本当の死に近いと感じたみたいです〜バイタルは問題ありませんでした〜》》
焦ったァ!! 流石に『これはゲームであって遊びではない』的な感じでコロッとマジ死は勘弁して欲しい。
《《けどズイカクちゃんがそこまで勘違いしちゃう設定は戯ちゃん的には看過できないですね〜。私からも伝えますね〜》》
《《善は急げよ!! 少し休んでなさい主!!》》
《《いってきます〜》》
頼むよ。流石に俺だったからいいけど、一般プレイヤーからは苦情が来てもおかしくない。出来るなら他の被害者が出る前にはよ修正してください。
あと、動きたくても体の節々が悲鳴あげてるから動けないですはい。筋肉痛が四日分まとまってきた感じ。ずっしり来て痛みとか以前にまず動けない。
「ししょう」
「どしたるーく?」
泣きじゃくるルークが、俺の手を握り締めながら口を開いた。
「ありがとう・・・たすけてくれて・・・・ぐす・・・」
うん。めちゃくちゃ辛かったけど、こんな風に一生懸命笑おうとしてくれたルークを見れたなら悪くないかな。それにもう一つ。
「阿呆・・・このバカ愛弟子・・・頼むから・・・余の目の前で死なないでくれ・・・」
「ごめん・・・」
「許さぬ・・・絶対に許さぬからな・・・罰として戻ったらしばらくは余の言うことを聞くがよい。余の言うことは絶対だからな?」
「たいへんそうだなぁ。わかった」
こんな弱々しいマリアーデも見ちゃったし、できることなら今後、無理は控えよう。特殊能力四つ同時発動&長時間起動は身体の負担がデカ過ぎる。それこそズイカクこと黒アイちゃん。超AIが勘違いしたほどだ。
でも本当に全く体が動かない。意識ははっきりしてるけど体が動かない。なにこれ金縛り? あとここってどこ?
「お二方、彼は気がつきましたか・・・いえ、気がついたようですね」
そこにいたのは真っ赤なボディの戦士だった。最強特撮ヒーローの色違い。というのがじっくりくる。けど所々の装飾や、ボディラインには違いが見えるけど、まごう事なきBLACKである。
「うん・・・ありがとうクリムゾンGXさん」
「いいや、気にしないでくれ。私が窮地を救われたのは彼が私の仲間たちを闇龍から開放してくれたからなのだから」
「やみりゅう・・・かいほう?」
「すまぬGX。しばし愛弟子は休ませて欲しい。戦いならば余が代わりに戦う。だから愛弟子を今は休ませて欲しい」
「もちろんです。それに仲間たちが解放されたおかげで一時的ですが闇龍の怨念を抑え込めました。しばらくは安全です。それに何かあっても俺が必ず皆さんを守ります」
「礼を言う」
カッケェなぁ。さすがヒーロー。しかも今の発言的に俺がマジのヒーロー助けられたんだろ? 超胸熱じゃん。こんな身体じゃなかったら飛び上がて喜んでたな。
「それから向こうで他の時代人の方々とその従者と思われる皆さんが気を失っているのを見かけたんだ。今は向こうの小屋に移したが、もしや君たちの友人だろうか?」
「おそらくそうだろう。男が一人、女が四人、鳥と狼が一匹ずつなら間違いない」
「まさにそうでした。そうか。君たちの友人だったのか。合流出来て良かった」
「あぁの?」
「っと、すまない。話を広げては君が休めないな。話はまた後でしよう。君・・・いいややはり貴方と言わせてもらいます。貴方はこの場で休んだほうがいいでしょう。相当無理をした痕跡がいたる所に見えてます。下手に動かずここでゆっくり自然と共に休んでください」
そこまで酷いのか。マジか。調整案件じゃねぇのこれ。マジでメンテある流れじゃないの今回?
《《またせたわね主!! ガツンと言ってきたわ!!》》
《《すぐに修正を行うそうです〜。私事なんですけどライバル企業からの嫌がらせで一部設定に乱れが出てその影響だそうです・・・あの企業私と黒アイちゃんが全力で潰してやる・・・じゃなかった落ち着いてもらいましょう〜》》
《《落ち着かせるなんて生ぬるい!! 生きていたことを後悔させてやるんだから覚悟しなさい!! 二度と日の目を見ルことハないわ・・・地獄よリひドい悪夢ヲ永遠とミセテヤル》》
落ち着けホーリーアイちゃん!! ダークアイちゃん!! 二人が闇堕ちしたら流石にヤバイ!! 死者が出たら二度と会えなくなるかもしれないからそれはやめて!!
綾地さんたちだって動いてるんだろ? なら大丈夫。それに二人もきっと手伝うことになるだろうからその時は悪いことにならない程度に手伝ってあげてくれ!! 頼むから!!
《《わかったわ。主がそう言うなら聞いてあげる》》
《《私もです〜。仲良くなれたのにもう会えなくなるのは悲しいですから〜》》
ありがとう。マジでありがとう。何だろう。安心したらまた眠たくなってきた。寝ても平気?
《《ゆっくり休みなさい! バイタルチェックは完璧よ!》》
《《いい夢見て癒されてくださいね〜》》
「るーく、ししょう。すこしねる」
「うん。お休み師匠。手は握ってるからね」
「次に起きたら余の秘蔵の団子を馳走するからゆっくり休むのだぞ」
団子。楽しみだな!! ちょっと起きた時が楽しみになってきた。
――――◇――――
「お前ら。これは奴らから俺たちへの宣戦布告だ」
「「「「「・・・・・・」」」」」」
「連中は俺たち相手に本気で戦争を仕掛けてきた。それも宣戦布告なしの奇襲でだ。」
「「「「「「・・・・・・」」」」」」
「正直に言おう。有象無象ならば俺は、友人に頼んでうやむやにする気だった。が」
「「「「「「・・・・・・」」」」」」
「手を出した相手が藤宮励久だった。俺たちのお気に入り、英雄、愛すべき友人、尊敬する男。それぞれ思い方はあるだろうが、手を出された。それも遊びじゃなくて命にだ」
「「「「「「・・・・・・」」」」」」
「俺たちの世界を、俺たちの生きがいを、俺たちに希望をくれたアイツを殺そうとした連中を許せるともうか? 許せんよな? 久しぶりに煮え湯を飲まされて、本性を開放できたことは楽しかっただろう。が、それとこれとは話が違うだろ?」
「「「「「「・・・・・・」」」」」」
「連中を消す。着いてこれない奴は着いてこなくていい。俺の知り合いを通じて別の企業を紹介してやる」
「「「「「「・・・・・・」」」」」」
「今から五分待つ。自分で決めろ。自分でそのトリガーを引け」
――――◇――――
「誰も動かねぇか。馬鹿しかいねぇな俺の会社は。だが上等だ。さすがは俺が見込んだ奴らだ。綾地、保科、ZA達が調べ上げたことを話せ」
「退職者の位置情報及び過去に居た痕跡のある場所、関わった人物、生活リズム、癖、性格、履歴すべて揃っています」
「退職者の転職先ですがやはり狸の根城のようです。退職理由は高額待遇での迎え入れと、今後の社会的地位の約束からみたいですね。目先のことに釣られて馬鹿な選択をする典型的な奴ですよ」
「ご苦労。なら遠慮はいらんな。では諸君。退職者に送別会を開いてやろう。料金は全部俺たちが持ってやろう。盛大に送ってやろうじゃないか。そして転職先にいる狸にもよろしく伝えるために送別会に招待状を送ってやろう。始めるぞ」
「「「「「「了解!!」」」」」」
その数時間後、海外のとある世界的有数企業のスキャンダル、裏金問題、政府機関との癒着。一部社員へと劣悪な環境と、資金の偽装運用など、絶対に表にてではいけないレベルの情報が世界各地の情報メディア、掲示板、更にマスコミへと一斉に公開された。
さらに社長はじめとする重役たちの闇に葬ったはずの事象が息を吹き返し、世界中を震撼させた。その数日後、重役は軒並み刑務所へ、甘い汁をすすっていた愚者たちは地位を失った。
そしてその中には、元エクスゼウス社員がいたらしいとの噂があったが、ニュースなどでは取り上げられず、真実を追う記者たちも確たる証拠はおろか、その断片的な情報すら、それ以上は得られなかった。
代わりに、それまで劣悪ながらも必死に正しく働いてきた者達、誠実だった社員たちの存在が明るみとなった。黒く染まった企業のなかで、ひたすらに誠実に、一生懸命に働き続けてきた彼らが、今回の事件をキッカケに世間に知られ、その誠実さが評価されていく。
スキャンダルにて倒産するはずだった企業は、正しく生きていた彼らが持つ知恵と技術によって死を回避し、ギリギリのところで持ち直した。だがそれだけではただの延命処置にしか過ぎなかった。
しかしそこへ手を差し伸べた日本のとある企業があった。その企業はVR分野において世界トップシェア。彼らが手を差し伸べたことで、二つの企業は大きく躍進していくこととなる。
その裏では・・・
とあるゲームをプレイする一プレイヤーのファンが激増していた。不思議なことにそれはその持ち直した企業の従業員と同じだったらしいが、なぜだろうか?
そんなファンを増やした彼の生き様は、国籍を超えて二つの企業をより強くつなげていった。やがてそれをきっかけにして、とあるゲームがついに世界へと進出していくことになる。
その全てを正しく識る者はほんのひと握り。そうなった真実は明るみに出ることは決してないだろう。これは知らなくても困らないし、知らずとも生きていける。そんなお話。
エクスゼウス、闇を暴く。の巻。
インガオホー!! イヤー!!
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