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337:黒の巨塔 Ⅱ

ルーク頑張る。



ブレイドキャンサーを撃破して、特に何かドロップしたりはしなかったものの、レベルは上がった。ルークもここの仕様を知らない&レベルダウンしていたことに気づいていなかったらしく、レベルが上がって驚いていた。



「ねねねねねね師匠!!?」



「誰が『ね師匠』だ。どこぞのところてんのライバルかよ俺は?」



「??? ところてん? ライバル?」



「ジェネレーションギャップ!」



あの伝説の漫画&アニメを知らないのかっ!!? あのいくつもの伝説を生み出した上に、最近黄金ボンバーと超有名な音楽番組でコラボしたにも関わらず知らんのかっ!?



今度全巻貸してやろう。真説含めて全部実家にあったはずだ。



「それよりだよ師匠!! レベル下がってたよ!!? どうなってるの!!?」



「そう言うダンジョンなんだよきっと」



「そうだぞ愛弟子の弟子・・・言いづらいな・・・小僧弟子・・・語呂が良くないな・・・小弟子。良いな。これで行こう。小弟子よそれにお主先程あの蟹に勝ったではないか。レベルが全てではないと言う事だ」



「小弟子っ!?」



「反応するのそこかよ・・・ともかくだ。レベルばっか気にしないで実力で戦えってことだ。レベルがモノを言うのは否定しないが、プレイヤースキルでどうとでも出来る場合もあるってことだ」



実際今でこそ動画は少ないが、少し前はやり込み動画とか、縛り、誓約などを課して難易度が高いゲームに挑戦することはたくさんあった。



今も残ってはいるが、当時ほど盛り上がってはいないだろう。時代は爽快感とか俗に言う『俺TUEEEEE』を求めてるんだろう。そういうものをたくさん見ていると、『レベル高くないと強くなれない』と思うのは仕方ないとは思う。



けど上げるべきレベルはキャラとしてのレベルじゃなくて、プレイヤースキルを上げれば、カバーできるものはまだ残っている。アクションゲームなんてその最たるものだろう。



この『プラクロ』だってそうだ。キャラのレベルが低ければ戦えないというなら俺とかどうするよ? 始めたばかりの頃にゴリラ圧倒した上に、当時最強角だった『ギルファー』ソロ撃破してんだぞ。



「そ・・・そうかな?」



「そうだよ。実際あの蟹一人で倒せって言われて簡単にはできねぇよ。蟹の腕がなかったとは言えな。だからお前は十分強い。それを頭に置いておけ。いいな?」



「う・・・うん!!」



「話も纏まったようだし進むぞ。愛弟子、まだ先なのだろう?」



「あぁ、多分2kmって所かな」



「け・・・結構遠いね」



仕方ないさ。おとなしく歩いて進もう。





――――◇――――





『ギギィィ!!』



「まさかの二体目!?」



驚くルークだが、大げさに反応してからすぐに臨戦態勢へと移った。二体目のブレイドキャンサーはジャンプアタックはしてこなかったが、素早く駆け出すように俺たちへと接近してきた。両腕を広げ間合いに入った瞬間切り裂く算段だろう。



「小弟子、お主が片腕を落とせ。出来るだろう?」



「やる!!」



「よい返事だ。期待を裏切るなよ?」



乗せると面白いくらいに乗ってくるのがルークだからな。俺もあんまり人のこと言える訳じゃぁないけども。



マリアーデが一歩前へ、その両翼とも言える位置に俺たちふたりが陣取る。そして先ほど同様、蟹が腕を振るい、俺たちの間合いに入った瞬間。



「「『神斬雲雀』!!」」



俺とルークの一撃がブレイドキャンサーの腕に突き刺さる。俺は先ほどマリアーデがやったようにさらに力を込めてそのまま切り落とし、ルークは体格差と振られた衝撃をカウンター気味にそのまま利用してへし折っていた。



「上出来だ。『天津雀:激翔』」



次の瞬間。ブレイドキャンサーの体がバラバラに切り刻まれた。体液は吹き出ることなく、そのまま重力に従い、地面に流れ、そして光となって消えていく。



「い・・・一撃・・・それも瞬殺って・・・」



「ふっ、小弟子よ覚えておけ。愛弟子も余もこの程度は朝飯前だ。余が弟子と認めた男が、弟子としたお主もいずれここまで来い。なに、一年間死ぬ気でやれば近づくことくらいは出来よう」



「えっと・・・今のどれくらい倍なの?」



「そうさな・・・18倍ほどだろうか? 小弟子の実力があるならばそうさな・・・まずはワイバーンを500ほど狩ることからだ。やるならば余も口添えしてやるがどうする?」



「ヒギィ!!?」



ガクブルしながら俺に引っ付き、隠れるようにマリアーデを見るルーク。そこまで驚くことはねぇだろ。俺だって経験したことあるから平気だよ。



ただまぁあれだ。ワイバーンって基本群れで、そこそこ知能があるから連携攻撃とかしてくるけど行けるいける。眼さえ養えばカウンター決めてれば勝てる。



「カッカッカ!! 冗談だ小弟子。愛弟子の弟子なのだ。余はよほどのことがない限り口出しせんよ」



「は・・・はい」



僅かにおびえているが、同時に賢いルークは理解したようだ。先ほどのマリアーデの言葉はそのよほどの事だったのだと。俺を掴む手に力が篭るのを感じた。



「進もうぜ」



「うむ」






――――◇――――





『ギギィィ!!』



「性懲りもなくまたかよ・・・」



まさかの三匹目である。前の二体のようにいきなり仕掛けては来ないが、殺る気満々らしい。鋏をシャーシャー擦り合せ、俺たちの前で構えている。



ぐぅぅ〜〜・・・



「・・・そう言えば腹減ったな」



「・・・あぁ〜、師匠消化いいもんね」



「食欲旺盛なのは良きことだ。食は身体を作る上で大事なことだ」



「蟹・・・焼きガニ・・・カニしゃぶ・・・」



「ボイルも美味しいよね・・・塩茹でならぬ海茹で・・・ありかな? 何だろう。僕までお腹すいてきた」



「生でも美味いかもしれんな。その時は酒が欲しいものだ」



『ギ・・・ギギィィ・・・』



「「「・・・(ニヤリ)」」」



『ギギィィィ!?!!??!?!』





――――◇――――





「身プリップリじゃねぇか! 美味っ!」



「んん〜!! 高級なカニってきっとこんな味なんだろうって思う味〜!!」



「美味であるな! 愛弟子、少し保存しておけ。戻ったらこれで飲むとしよう!」



現在バラした蟹を食しております。どうやら一定時間仕留めたモンスターに触れていると素材として入手可能だったようだ。おかげでこうして素材と一緒に食料まで調達できた。



焼きガニうまし。『剣技:焼土』で焼いたから火加減の調整が出来なかったけど、いい感じに火が通せたし、良しとしよう。きっとアヴァロアも自分の剣技がこんな使われからするとは思わなかっただろうな。



けど焼き切ることも出来る『焼土』の技術って、こういう時にも使えるからいいな。



《《アタシもしも『双極剣』の意志になってたら泣いてたわよ!! 何が悲しくて料理剣にされなきゃならないのよ!!》》



だってちょうど良かったんだぜ双極剣。いい感じに火花散らせるし。



《《ま、いいわ! アタシじゃないならね!!》》



だろうな。使った日には二度と能力使わせてもらえない気がするし。同様にコンゴウもな。いや、コンゴウならワンチャン行けるか?



《『全部食ウガソレデモ良イナラ使エ』》



つまりダメってことですねはい。



ともかくだ。腹は膨れた。素材確保の方法もわかった。なら後は全階層の敵を片っ端から倒して倒しまくってこ塔を守るクリムゾンGXとやらに会いに行けばいい。





――――◇――――





エクスゼウス運営ルーム。『黒の巨塔』担当部署。現在新人四人体制中。



「るーくきゅんかわいぃぃぃ!!!!!」



「世代を超えた師弟コンビって設定いいよね!!」



「黒アイちゃんの反応くっそかわえぇ・・・」



「あの子も十分怪物クラスだな」



「そりゃアール君に鍛え上げられた上に、マリアーデに煽られたらやる気もダンチっすよ」



「やっほー。新人諸君! どういう状況かしら?」



「主任。今ちょうど巨塔第一階層クリア目前です」



「とうとう巨塔に行ったのね。ってことは闇龍シナリオかしら?」



「ですね。一度も参加したことないアール君とルーク君、あとマリアーデの三人組だけ第一階層にからで、残りのメンバーは第四階層で寝てます。まぁ時間の問題でしょうけど。でも主任、レベルダウンここでも実装してたらな教えてくださいよ」



「・・・待ちなさい。今なんて?」



「え? だから時間の問題だって・・・」



「あぁもう!! 囮はあっちか!! ZA!! 急いでAに連絡!!『異常発生』! ZBは黒の巨塔フルスキャン!! ZC!! 急いでこれ以上のプレイヤーの巨塔参戦を封鎖!! ZDは塔の環境設定の変更がなかったかを確認急ぎなさい!!」



「「「「りょ・・・了解!!」」」」



「畜生・・・やられた!! あの狸最初から狙いは本編じゃなくてこっちかっ!! アイちゃん!!」



『マズイです! 火山エリアと極寒エリアの環境が極限状態です! こんな環境に人は愚か、適応出来るモンスターじゃない限り生存不可能です!!』



「修正急いで!!」



「主任状況は!!?」



「きたわねA!! あの狸の狙いは初めからこっち!! 向こうは囮!! 新人体制を試したのがアダになった!! このままじゃ攻略どころじゃなくなるわ!!」



「チィ!! 三十分ください!」



「強制ログアウトプロセスは!!?」



『可能ですがそうするとNPCマリアーデは間違いなく死にます』



「・・・っ!! あの狸殺す・・・!! 可能な限りでいい!! アールくんに補正かけて!! 責任はこっちで持つ!!」



『了解しました。すぐに黒白アイちゃんを通じてステータス値に補正を・・・レベルダウン!!? そんな!!?』



「あぁもう!! こっちにここまでの細工いつしたっていうのよ!! 今朝の時点では異常なかったじゃないの!!」



「しゅ・・・主任!!」



「どうしたのZD!!?」



「変更履歴なんですけど全てVeさんになってます・・・」



「Veですって!!? いや待てよ? あいつが新人体制申し出たはず・・・・・・そういうことか!! アイちゃん!!!!! こっちは任せた!!」



「了解です!! 死んでも全員生存させてみせます!!」



『持てる全てを持って!』



「買収されやがったわねあの守銭奴・・・!!!」


フラグ回収完了。次回、地獄回予定。


窮鼠猫を噛む。慢心が生んだ死角とも言います。


感想くれると嬉しいのでください! 

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― 新着の感想 ―
[一言] あ ほ く さ。勝手に他社と遊んでるならいいけどプレイヤーに干渉及びマップ改竄とか馬鹿だろ。優秀な社員のくせに油断大敵って言葉わかんないの? 現時点では無能だけどなw
[一言] Veさんが危ない!あなたには輝かしい未来が待っているんだから (次回Ve死すデ○エルスタンバイ!)
[一言] あっ狸終わったな
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