334:黒の巨塔とその始まり Ⅰ
黒の巨塔に関してのお話
忙しくて感想返すの遅くなってすみませんでした。修正作業はもう少し時間ください。
エンドコンテンツ。俗に言うゲームクリア後にのみ解放される特別な要素。『剣聖物語』で言うところの『アフターストーリー』がこれに当たる。
『プラネットクロニクル』にも、それが存在する。どちらかというとエンドレスコンテンツ、もしくはチャレンジコンテンツとでも言うべきだろうか。まぁ俺は今さっき話を聞いたばかりなんだけども。
その名も『黒の巨塔』というらしい。なんでもそこに登場するモンスターは通常よりも遥かに強力な個体が登場し、トロップアイテムから作られる装備は、プレイヤー達にとっては憧れの逸品。
更に難易度も挑戦者に合わせて変わるらしく、それを利用して始めたばかりのプレイヤーはレベル上げ、動画配信主プレイヤーは実況プレイ、RTAなどを行うこともあるとか。
「最近のアプデで少し仕様が変わったみたいの。少し前まではお金払って難易度調整できたんだけど。アプデされてから難易度固定されてるみたいでもう阿鼻叫喚なんだって」
「メス猫。それを知っててアールにやらせようとか馬鹿なの? 馬鹿だったね。死んでくれる?」
「どぅどぅ。それでレイレイ。難易度固定ってどれくらいのものなんだ?」
「『特異個体』に劣らないくらいってみんな言ってるよ」
「よし行こう。楽しそうだ」
大変そうだな。まぁ金に成るなら頑張ろう。
「おいアール。本音と建前が逆だ逆」
「いいや、マー坊よ。愛弟子の顔を見てみよ」
「うっわ師匠満面の笑みじゃん・・・戦闘狂って言われても否定できないよ?」
「おっと失敬。つい本音が漏れた」
「否定しないのかよ」
しませんよ。何言ってんっすか。借金あるって知ってから気分最悪だったんだからストレス発散したいに決まってるでしょうが。それも激強相手ですよ。全力待った無しじゃないですか。
それにやるなら作業ゲーよりも攻略ゲーの方がテンション上がるだろ。しかも金まで稼げるとか最高では?
「おや、この話の流れ的にアール君は『黒の巨塔』に挑む感じかな?」
「だな。稼げる上に強くなれる。いかない理由がないし」
「だったら君たちに是非お願いしたいことがあるんだよ。その依頼料をもって私たちが君に施した物に関する料金としようじゃないか」
「いい考えです。そういうことなら私からも正式な依頼としてアール君にお願いしますね」
――――◇――――
サブシナリオ発生:『占い姉妹からのお願い。プレシア編』『占い姉妹からのお願い。プラレア編』
クリア報酬:負債の帳消し
開始しますか? はい/いいえ
――――◇――――
「勿論、寧ろ願ってもないことだ」
しかもウィンドウ表示されたから正式なものだ。クリア報酬も負債の帳消しとある。上手くいけばシナリオクリアと素材売却でリークたちにしている借金も全部完済できるかもしれない。
「じゃぁまず私の依頼なんだけど、なに、簡単なことさ。巨塔に出てくる『シルヴァリオンゴレム』の素材をそうだね・・・30個ほど集めてきてほしいんだ」
また聞いたことがないモンスターの名前だ。レイレイの方に顔向けたが、どうやらレイレイもわからないらしい。新種か。
「あ、もしかして知らない? じゃぁ私が教えようとも! ちょっと待っててねー・・・はい!じゃぁ始めるよー!」
どこから取り出したのか、両手にはスケッチブックがあった。何だろうこの『なぜなに〇〇〇〇』みたいな絵扉。懐かしいな。
「簡単に言えば『クリスタルゴーレム』の亜種だね。特殊な光を長年受けた水晶を取り込んだのが『クリスタルゴーレム』だ。けど『シルヴァリオンゴレム』は『銀結晶』と呼ばれる特別な結晶を取り込んだゴーレムのことさ。なんで『ゴーレム』じゃなくて『ゴレム』って呼ばれてるのかはわからないけどね」
懐かしい名前だ。俺が最初に倒した懐かしのモンスターだ。あの時は初心者装備でダメージ通らなくて大変だったぜ。そのあとすぐに篭手ドロップしたから試しに『月光流』使ったんだっけ。今思うと最初から使っていればよかったんじゃないかって思うけど、それはまぁしょうがない。
「名前の通り全身銀色で、体長2m。表面の硬度は『クリスタルゴーレム』の倍以上! 魔法攻撃も取り込んでる『銀結晶』のせいで無効化されるから地道に体を削るのが正攻法かな?」
「わ・・・私の存在意義を一瞬で奪われた・・・」
魔法系ジョブのリークがその場で膝をついて項垂れてしまった。逆にレイレイはそれを見てケラケラと笑顔を浮かべていたのだが。
「他にも状態異常無効に直接触れているモノのスキル無力化の光まで放つからめちゃくちゃ強いよ。しかも二体でペア組んで動くからさぁ大変だ」
「はぅ!!?」
追撃はレイレイのお株を奪い去った。実質物理アタッカーでしか戦えないと言ってるようなものだ。けど、それだけなら俺にとってはただの餌なんだよな。内側から衝撃の爆弾でぶっ壊せばいいんだし。
「その素材を三十個。お願いできるかな?」
「任せろ」
――――◇――――
サブシナリオ開始:『占い姉妹からのお願い。プラレア編』
クリア条件:銀結晶『0/30』
――――◇――――
よしシナリオ開始確認っと。
「それじゃぁ次は私からのお願いです。いいですか?」
プレシアの言葉に合わせて首を縦に振る。それを見てほんのりと嬉しそうな表情を見せてくれたので役得だ。
「私のお願いというのは『黒の巨塔』その地下に封印されている闇龍の調査です。何もないのでしたらそれでいいんですが、最近『黒の巨塔』の様子がおかしいと巨塔の守護者でもある『クリムゾンGX』から伝書があったんです」
「『『・・・闇龍だと(ッスか)?』』」
「・・・あのクソトカゲか」
「えぇ、アール君はもちろんのこと、四代目様もご存知でしたか」
「??? アールごめんアタシそのモンスター知らないんだけど。もしかして『アフター』産?」
「もしかしなくてもアフター生まれだよ」
それも俺に直接関わったことがある奴だ。正確に言えばカイラとの出会い、そしてその身に宿していた呪われた宿命とでも言うべきか。
カイラは出会った当時、記憶を失っており、俺たちはカイラの記憶探しの手伝いをしていた。その際に妖精族の街に突如出現し、街を襲ったのが『闇龍』だ。その正体は太古の昔に封印された悪しき龍。その封印の寄り代としてカイラは選ばれ、カイラを守るように、ともに封印されていたのが三体の守護獣。
勘のいいやつならこの三体は誰であるかすぐにわかる。ちょうどいるのだ。『アフター』でのみ登場し、凄まじい強さを誇り、そして共通して自分の過去を知らない、そして過去に興味がない奴らが。
その三体モンスターは俺の仲間となり、闇龍の完全討伐と共にその役目を終え、各々自由に生き始めた。迷惑も多く掛けてるけどな。
「待ってくれるかプレシアさん。闇龍は確かにあの時俺たちが倒したはずだ。転生したあの龍だって害はなかったはずだ。それなのに何故?」
「余もしっかりと覚えておる。それにあの時の龍はまだ存命のはずだ。カイラと共に魔国にいるはずだぞ」
「この話は、いいえ、あの話には少しだけ、あなた方が歴史の表舞台から姿を消してから少しだけ話が続いていたんです。少しだけ長い話になります」
俺とマリアーデの疑問に答えるように、闇龍と呼ばれる存在の話を、プレシアは始めてくれた。
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