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304:エリュザクト帝国皇帝

土下座する師弟コンビ。

明日19日の23:59分で活動報告の方で実施中のアンケートは締め切りとなります。もし皆さんがよろしければどしどし答えてくれると嬉しいです。




多分数時間後。謝り始めたのがいつだったか覚えてないけど、ともかく謝罪に謝罪を重ねて綺麗に梱包してまた謝罪を繰り返した。おでこ赤くなってる。



「すまぬ愛弟子。余のせいだ」



「いや師匠。俺がやりすぎたんだ。ごめん」



タイミングが悪くなければこうはならなかったんだろうけど、本当に賊が入り込んでいたなら話は別。最悪だ。うん。これ悪判定食らうよね。エクストラジョブさようなら。やべ泣きそう。



「あ・・・あのぅマリアーデ殿、アール殿。元々我々が依頼したことなのでそこまで気にやまないでください」



「優しいなグルドール。まるで天使のようだ。だがそうもいかんだろう・・・本当にすまぬ」



「グルドールさん。こんなことになったのに俺たちに優しいとか天使だ・・・本当に申し訳ございません」



「天っ!!? い・・いえですからもう大丈夫です平気です!! ハイこの話やめましょう!! 」



「「本当に申し訳ございませんでした」」



「意外とめんどくさいですねこの師弟コンビっ!?」



現在、賊騒動でドタバタしていたため皇帝陛下の身の安全確保のため会うまで時間がかかる。別日にしよう。と言うか牢屋に入って謝罪すると行ったのだが騎士団はじめとする皆さんに止められて応接室的な場所で待機していた。



今は謁見の間的な場所に案内されているが隅っこで正座待機中。



「マリアーデ殿、アール殿。本当に気にしないでいただきたい。そもそも実戦形式での訓練の依頼をしたのはこちらなのだ。にも拘らず、本当の賊がこのタイミングに来るとは想像もしなかった。そのせいで貴殿らにいらぬ怪我をさせてしまった。謝るべきは我々なのだ」



将軍。あんたいい人だよ。いや将軍だけじゃない。この城の人みんないい人だよ。一人くらい怒っても可笑しくないのに。いい人過ぎて心配になるよ。



「それにおとぎ話のような存在だった『五代目剣聖アール』殿とその師匠である『四代目剣聖マリアーデ』殿のそのような姿は見たくない。私のわがままなのだが、いつものようにふるまっては頂けんか?」



「・・・これ以上このような態度では逆に舐めている様に捉えられるかもしれんな」



「あぁ、罪悪感はあるけどうん。切り替えようか」



こんな姿見たくないなんて言われたら少しは冷静になるさ。それにこの場にはさっきよりも少ないが、多くの人がいる。顔を上げればみんな不安そうな顔ばかり。



ちょっと意固地になりすぎたかも。両頬を思いっきり引っ叩き、気持ちを切りかえる。うじうじしてても仕方なし! エクストラジョブはまぁ・・・グスン。



いや切り替えよう!! うん!!覚悟は決めてたんだし不慮の事故もあったんだなくなっても諦めがつくだろう!! よし切り替えた!



「「切り替え完了だ・・・ん? ププッ」」



「師弟揃っていますね・・・」



マリアーデと被った。しかもお互い顔を見ればおでこもそうだが頬も赤い。同じことしてたみたいだ。なんかおかしくてお互い笑っていた。



「やれやれ、余も年を取りすぎたようだ。全く恥ずかしいものだな」



「やーい年寄り〜」



「むっ、この場で全身の毛という毛を剃ってやろうか愛弟子?」



「さらっと怖いこと言うなよマリアーデ。普通に恐ろしすぎるから」



流石にゲームで坊主には興味がない。嫌いではないけどさ。剣聖ってイメージあるから坊主は合わないだろ? 勝手な偏見だけど。何度言うけど坊主が嫌いなわけじゃないぞ?



どんな怪物相手でも一撃必殺のヒーローも好きだし。と言うかあの作品では一番好きだし。どこかのパンの戦士と逆のカラースーツなのを最初見たときはびっくりしたけど。



何の話してんだろう俺。



「所でミカルドよ。本当に今日で良いのか? 余たちは別日でも構わんぞ?」



「いえ、陛下も本日をご所望でしたので。それに賊による被害もアール殿以外にはありませんでしたので」



へぇ、将軍ミカルドさんっていうのか。竜人族の帝国将軍ミカルド。響きかっこいいな。渋いおじ様系イケボで人気出そう。しかも武人で紳士。完璧じゃない?



「将軍。陛下のご用意ができました」



「そうか。ではアール殿、マリアーデ殿。こちらへ」



将軍に先導された先は王の玉座からの直線上の位置。片膝をつき頭を垂れるとコツコツと足音が聞こえる。



そして足音が止まり玉座に腰掛ける音が聞こえた。



「皆の者顔を上げよ」



顔を上げるとそこにいたのは正に王様。しかし着飾るようなことはなく、どちらかというと戦う王様というのがしっくりくる雰囲気がある。実際腰には王族の武器らしく剣を携えている。



「此度は余の我儘に答えてくれて感謝している。そのせいで誠に申し訳ないことをした。マリアーデ殿、アール殿」



「もったいなきおこと・・・えぇいやりにくいわ!! 面倒だ。アルベルト、いつも通りで良いな?」



そう言って姿勢を正していたマリアーデは普通に立ち上がり体を伸ばしていた。あぁ、マリアーデは王様相手でもそういう感じなのね。なんか変わってなくて安心した。



けどまぁマリアーデは元がつくけど王様なわけだし。それになんか一時期この城で世話になってたみたいだし。



「構いませんともマリアーデ殿。アール殿も余に気を使わずいつも通りにして良い」



「そうだぞ愛弟子。皇帝が良いと言ったのだ。素直に受け止めよ」



「そうですか? では遠慮なく」



後日聞いた話なんだが、この場にいた騎士団はじめとする重鎮の皆さんは揃って『あぁ、マリアーデ殿の弟子なのだな』と俺のことを認識したみたい。無遠慮を見て師弟と確信するってちょっと嫌かも。



「それにしても聞いたぞ。我が騎士団が揃いに揃った状態の中、一人の負傷者も出さぬまま相手にしたと」



「その通りだ。流石は我が愛弟子であろう? もっと褒めるが良い」



「マリアーデのことじゃねぇよ?」



「良いではないか。愛弟子が褒められるというのは師としては光栄なことなのだぞ?」



「恥ずかしいんだって・・・それに皇帝陛下の前だし多少は自重をって感じでな」



「関係あるか。そんじょそこらの者ならいざ知らず、余とお主は剣聖の名を宿すもの。誇っても無礼などとは誰も言うまい」



「いやまぁそうなんだけどさ」



「寧ろ媚び諂うは余達ではなく国なのだ」



そこまで言うか。さっきまで土下座してたんだけどなぁ俺たち。



「分かっておらんな愛弟子。お主も余も、国を相手に戦うことに関して恐れも疑問も抱かんであろう?」



「言い方。言い方よ。状況によってって前振りはつくけどな?」



「そうであろう? つまりだ。例えば愛弟子、お前の前でこの場にいる誰かが理不尽に無関係の民を手にかけているのを見ればお主はどうする?」



「達磨にして尋問。複数いるなら一人残して全員殺す」



あ、やべぇ。即答しすぎた。おかげで周囲の空気が一瞬凍りついた。と言うか実際にさっきやったし。と言うかこれやっぱり拘束されるパターンだよね? 不敬すぎるし。



でも誰ひとり動かなかった。いや、感覚的に”動けなかった”って感じがする。



「不敬な発言で普通ならばこの場で取り押さえられ、最悪殺されてもおかしくない発言だ。しかし誰ひとり動けん。なぜか? お主にはそれを実行する力があるからだ」



「過去に剣聖と呼ばれた余たち六人は傍から見ればそれだけでと言える理由で人を殺す。国すらも敵に回し戦う。魔剣聖と呼ばれたお主の親友アルトスも、余たち五人の剣聖も、本質は何も変わらん。目的や感情、許せぬ一線を越える等のことですべてを敵に回す覚悟がある」



「当然相手が国となれば無事ではないだろう。しかしあの時代に生きたお主ならわかるだろう。我らの力は国を皆殺しはできずとも滅ぼすことはできる。特に月の女神の加護を受けた愛弟子と魔剣聖ならば尚更だ」



「だけど師匠。今の時代は昔よりも強い奴らが多い。時代人なんてその最たるものだろう? それに時代人じゃなくても強い奴はたくさんいる。この城にいる騎士だってそうだ」



「今の時代。もちろん強者はおる。だがそれは進化の中で授かった『AS』『UtS』と時代人が言うスキルあってのもの。それが悪いとは言わぬ。授かった力を使い、何かの為、自分が決めたことのために戦う。そこだけで言えば余たちだけではなく皆同じだ」



「だが違うのだ。決定的に覚悟が違う。大きな戦を経験しておらず、無情に理不尽に命が消える真の恐ろしさを知らぬ。そして己で戦うことを知らぬ。言ってしまえば今の強者は”本当の意味で自分の力で戦う”ことを知らぬのだ」



「だが愛弟子。お主も、余もそうではない。我らは命の重さを知り、本当の覚悟の重さを知っている。そして譲れないものを持っておる。故に我らは国すら敵に回せる。そうであろう?」



「あぁ、そうだな」



マリアーデの言葉は『リアルハードモード』をやっていた俺には突き刺さる。本当に自分の意志で自分を動かし、出来ないことは出来ない。けど出来なければ死ぬ。そんな無情で理不尽な世界で戦い抜いて、クリアしたんだ。



たかがゲームだけど、されどゲーム。この戦う覚悟だけは誰にも負けないし、もし負けているのなら磨き上げて超えるだけだ。



俺が許せないのはゲームだからといって、無抵抗の命を手にかける外道。そして命を命と思わない外道。それがもしこの場にいるなら俺はすべてを捨ててでもこの手を汚す。少なくとも剣聖としてのアールの意志はそこにある。



「時代は違えど、我ら剣聖が掲げるものは不滅。簡単に言えば余たちは一種の抑止力とも言える。機嫌を損なえば国が滅ぶのだ」



「それだけ聞くとアヴァロアと同列だよな」



「あれは単なる我儘小僧に過ぎん。が、実力があったのも事実。アレは抑止ではなく天災というのが相応しい。故に機嫌取りは重要だったが、その機嫌取りを我が愛弟子がしていたのだ。そんな愛弟子が怨念になってまで現世に留まっていたアレを討った。多少大人にはなろうさ」



その言い方だとまだ化けて出てきそうなんだけど。いや出てきたらまた倒すけどさ。



「そういう訳だ愛弟子。不敬を気にするのではなく、自身の一線を越えるまでは仲良くしていくのが正しいのだ。もちろん礼儀もある程度は持ち合わせるのだぞ?」



うーん。なんか丸め込まれた気がするけど一理あるような、ないような・・・でもマリアーデがそういうスタンスで行くなら俺も便乗しよう。実際俺が腹立つこと目の前でされたら絶対誰であろうとぶち殺すし。



「すまんなアルベルト。話を逸らしてしまったか」



「構いませんよマリアーデ殿。我らも剣聖の名を持つアナタ方との違いをこの体で感じることが出来たのです。相変わらず恐ろしい方たちだとね」



「そうであろう? 特に我が愛弟子は気を付けよ? 余も相当だが愛弟子はそれ以上に容赦がないぞ? 敵と決めたら情けをかけず斬る男だ。今回の訓練で誰ひとり怪我人がいなかったことをしかと胸に刻んでおけよ?」



それはつまり『友好関係築きたいけど、逆鱗に触れて敵になるなら必ず殺す』って脅してるようなものなんですが・・・



「しかと胸に刻みましょうとも。そして貴方方に誇れる騎士団へ成長させていきますとも」



「よい心がけである。ミカルド将軍、グルドール騎士団長。精々励めよ?」



「「ハッ!!」」



いい声で返答する二人。やっぱり騎士団の頭だしすげぇな。



「おっ、そうだすまんなアルベルト。何度も話を逸らしてしまった」



「おっとそうであった。しかしアール殿とマリアーデ殿の様子を見て改めて本物なのだと感じてしまったのだ。今を生きる伝説はやはり我々とは強さが違うと」



「何度も言うでない。照れるではないか。愛弟子が」



「俺かよ」



「良き師弟であるな。 ン゛ン゛! まずは五代目剣聖アール殿。先のゴブリンによる襲撃で、我が国は存亡の危機にすら陥った。しかし、貴殿をはじめとする時代人の尽力があったからこそ我が帝国の民草の命と心は救われた。感謝している」



「ありがとうございます」



イベントだったから気にしないでくださいとは言えないよなこういう時に。あとそれがなくてもクズリンに関してはぶち殺してたし。ガンテツさん殺しを俺は絶対に許さねぇし。



「それだけではない。貴殿には我らの愛する子らを救ってくた恩もある。子を持つ一人の父親としても、貴殿には感謝している」



「・・・申し訳ありません陛下。子を救ったと言われましたが身に覚えがありません。それに私は今日この帝都へ初めてきたのです。何か勘違いをしているのではありませんか?」



それなんだよ一番気になってるの。全く記憶にないし、皇族っていうの? そう言うのと合えば忘れることはないと思うんだよな。しかも今の言い方だと、間接的じゃなくて、直接助けたみたいに言ってるし。



「勘違いなどではないし余だけでもない。この場には貴殿に子を助けられた者が四人もいるのだ。子らも間違いなく貴殿の名を言っていた。間違いなどないさ」



「は・・・はぁ・・・そうですか・・・」



全然覚えてないんだよなぁ。子供を助けたのは何回かあるけど・・・うーん。わからん。思い出せん。



「実際に我が娘に会ってもらったほうが思い出せるだろう。シルフィア」



皇帝陛下に呼ばれて奥からやってきたのは正に王女様って感じの銀髪美少女。身に纏う王族特有の品格? 雰囲気? というのがまたすごい。



年齢は17歳くらいだろうか? 現実なら美少女高校生、乙女ゲーなら登場する美人令嬢とかそんな感じ。ともかくドスゴイ美少女だった。



銀髪王女様は皇帝陛下の隣まで近寄ると、俺に微笑ましい笑みを浮かべ、チョコンとお辞儀。リークいなくてよかった。いたら絶対嫉妬して王女様にナイフ投擲くらいしてたかも。



「我が愛娘であり、第二公女のシルフィア=グロードール=エールヴァルだ。思い出したであろうか?」



「う・・・うぅ〜ん・・・」



ダメだあった記憶がねぇ。ここまでの美少女なら絶対に忘れないと思うんだよ。けど全く出てこない。カッコつけて俺の名を名乗った別人が助けたんじゃないだろうか?



「ひどいぞアール殿!! 我が愛娘を見て覚える価値がなかったというのか!!? 手塩にかけ俺も育児を愛妻と共に行い! 国中の男がメロメロになるほどの美人であるシルフィアを覚えてないのか!!? 目に入れても痛くないほどの美人だぞ!!?」



「いや急にキャラ変わりすぎだろオッサン!!? 威光も全部台無しだよ!!」



「カカッ。愛弟子も驚きすぎて取り繕えなくなったようだな」



いやこんな変わられたらそらビビるわ。



「人違い?」



「姉上。恐らくシルフィア様は変装していたのかと」



「なるほど。それなら理解」



「変装したとしてもシルフィアの美しさは不滅だぞっ!!?」



「お父様うるさいです!! それに恥ずかしいので勘弁してください!!」



王女様は顔を真っ赤にして暴走気味の陛下を止めた。そりゃそうだ。完全に親バカそのものだったし。



そんな王女様。父親が大人しくなると改めてこちらを見た。やっぱりここまでの美少女なら忘れることはないと思うんだけどなぁ? 陛下の言葉にも一理ある。変装して隠せるような雰囲気じゃないと思う。



「うふふ、やっぱり思い出せませんか?」



「申し訳ありません。それほどの美しさとお声ならば、この命果てようとも忘れるとは思えません。やはり別人と勘違いされたのでは?」



「きさまぁ!! 例え剣聖殿だとしても娘は簡単にはやらんぞぉ!!」



「いや取らないですって!! 俺にも婚約者はいますから!!」



「あらあら、フラれてしまいましたね」



「シルフィアのどこが気に入らんというのだ!!」



「めんどくさいなこのオッサン!! この人頭でいいのか帝国の皆さん!!?」



「「「「「慣れていますので」」」」」



人望はあるっぽいですね皇帝陛下。なんかいつも通り感がすっごい。


初代から五代目まで、そして魔剣聖。

こいつら普通に自分の私利私欲、もしくは超えてはいけない一線を超えた相手ならば、国だろうがなんだろうが敵に回して己の命を懸けて徹底的に叩き潰し、戦う危険人物。その実力がケタ違いのため国は剣聖という名を与えると共に、彼らと友好関係を築くために努力していたという裏設定。つまり剣聖の称号は名誉であり、危険人物の象徴といっても過言ではなかったのです(マリアーデ談)



公女様登場。実は割と最初の方から登場してたりします。感想で『こいつか!?』って思うキャラを上げてくれると私がニヤニヤと喜べますのでお願いします。答え合わせは土曜日です( ..)"


それ繋がりですが、先日番外編の感想で、Wアイちゃんの本編登場の仕方を『こんなふうに出てくるのでは?』と予想してくれた方がいました。読ませていただいて、とても楽しい気持ちになれました。


良かったら皆さんの予想とか聞いてみたいので、感想と一緒にくれると、私はとても嬉しいです(つまりいつもの感想欲しいアピール) よろしくお願いしますm(_ _)m

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― 新着の感想 ―
[一言] 4人で思い出すのって、シルト、ランジ、ハリア、リリカなんですけど。 シルトあたりが公女様かな? 名前近いし。
2020/06/18 02:02 退会済み
管理
[一言] おそらく30話のアールとリークでアールに名前を聞いた新人が公女様なんだろうなぁ。別れる時に一人称が私になってましたし
[一言] なるほど、剣聖=超弩級危険人物と・・・まさに味方なら守護天使や大天使、敵なら悪魔か魔王だな・・・まぁ、向こうのパチモンはそんな実力無いだろうけど、実質弱体化アヴァロア? まぁ、そんな超一級…
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