302:解放と真化のネタばらし
さぁ解放タイム。もとい強化タイム。
エクストラモードでレベルを50以上挙げた人にだけ与えられるご褒美だからこの性能も仕方ない。
頭の中に流れてくる孤児の子供の思いとか悲しみとか、異端児で触れるだけで悪霊に取りつかれると言われ迫害されてきた子供とかいちいち話が重い!
「あ゛あ゛あ゛あ゛ッ!!!!!」
さっきから何度も何度も同じことしか言わないし、言ってることが本当に泣き虫弱虫ヤミ気味ボイスで頭の中狂いそうだ!
「流石に厳しいか、ミリアスマクリス! 彼から武器を取りk「さっきからウザってぇ!!! だから全部まとめて俺が背負うって言ってんだろボケがぁぁ!!!!」っっ!!?」
「悲しいのも淋しいの辛いのも全部寄越せ!! そんでもってテメェらが知らねぇ事を教えてやるって前にも言っただろがユウダチシグレ!! ジンツウ!!」
「「ッッ?!!」」
「ほほーう?」
――――◇――――
ムリダ。ソンナコトイタミヲシラヌモノニハデキヌ
ムリダ。カナシミヲシラヌモノニハデキヌ
――――◇――――
「だから教えろって言ってんだろうが!! この頭でっかち共!! 良いから寄越せ!! そんでもってお前らの知らねぇものを押し付けてやるからこいやぁ!!!」
――――◇――――
イヤダ。イヤダ。イヤダ。ドウセコタエハミエテイル。
キズツキタクナイ。カナシミタクナイ。ドウセダレモデキルワケナイ
――――◇――――
「いい加減にしないとへし折るぞコラァ!! また火で炙って肉焼いたろかッ!!? そもそもこの時点で俺のこと思い出せや! ヘボダチナキムシグレ!! クソザコジンツウ』!!」
――――◇――――
ヘボクナイ!
ナキムシジャナイ!
ザコッテイウナ!
――――◇――――
「うっせぇ!! 使わなさ過ぎると夢に出て来るくせに!! 刃こぼれしないくせに夢でメソメソしてたくせに何言ってやがるテメェら!! あそこまでクソ雑魚メンタルな武器はそうそういねぇよ!!!」
――――◇――――
ウルサイ!! アレハボクラヲツカワナイオマエガワ・・ル・・イ?
メソメシソテナイ! オマエガボクデイシヲタタクカ・・・・ラ?
嘘・・・この命の感覚・・・主?
――――◇――――
やっと思い出しやがった。と言うか武器の思い出も引き継いでるのか。この二つの武器に限って意志が強いんだよな。製作者何を考えて作ったかしらんけど。
真化したのに夢に出てくるとかマジで勘弁。夢って言ってもゲーム中の睡眠時だからな? 流石に現実世界の夢には・・・いや、なんか出てきた気がしないでもないかも。
「悪かったな。勝手に死んで。またお前らの力を俺に寄越せ」
――――◇――――
・・・・うん。わかった。お帰りなさい主。
また会えて、嬉しい。主。
――――◇――――
直後、二つの武器が輝きを放つ。それは武器が新しい所持者として俺を認めた証。そして『コンゴウ』が見せた真化武器特有の力を解放した光。黒と白を基調としていた『ユウダチシグレ』は黒と黄金色、そして朱を織り混ぜた色に変わり、赤い刃が目立っていた『ジンツウ』はより赤く美しい真紅へと色を変えていた。
――――◇――――
双剣『嵐絶双剣:ユウダチシグレ』
攻撃力+Ω 真化武器 特殊能力『嵐絶刃』
・五代目剣聖が生前所持していた武器の一つ。その刃は嵐を切り裂き、あらゆる障害を切り裂くだろう。長い年月をかけて、その力は今新たなる力と共に再誕した
・宿る意思は長い年月をかけて、傷を深く負い、その傷を忘れるために別の傷を負った。しかし残り続けた剣聖への強い思いは消して風化しなかった。二つの意志は待ち続けた。また会えるその日が来るまで。
――――◇――――
特殊能力『嵐絶刃』
・意識を集中させることで風の刃を纏わせることが出来る。また、複数の風の刃を出現させ、自由自在に操ることが出来る。
キーワード『嵐断』
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片手剣『痛撃信剣:ジンツウ』
攻撃力+Ω 真化武器 特殊能力『貫痛撃』
・五代目剣聖が生前所持していた武器の一つ。その刃に触れたものは味わったことのない痛みを知ることになる。傷を負いたくないと願う心と、その傷を埋めるために相手にキズを求める心。矛盾したこの心こそ、この剣の意思なのだ。
・宿る意思は恋焦がれる。自分に傷を付けてくれる人を。その傷を誇りに思い、忘れないでくれる人を。ただ一人、自分の事を大切にしてくれたあの人を。意思はずっと恋願い続ける。
――――◇――――
特殊能力『貫痛撃』
・刃に触れた相手の全身へ激痛を与える。(毎秒HP2%減少)その痛みは立ち上がることすら許さず、痛みにより相手を殺す。
キーワード『真痕』
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毎秒ダメージ与える『ジンツウ』、攻撃手段が範囲拡大&手数増大になっている『ユウダチシグレ』。戦闘中に武器奪った挙句、勝手に超真化させちゃったけど、元々俺の武器だし、マリアーデから回収の許可は貰ってたし大丈夫だよね?
と言うか、あの組手で使えた武器の回収早くない? 大丈夫じゃないよねこれ? 絶対運営何か仕掛ける気満々じゃねぇかこれ? いや望むところだけども。
「うそ・・・ユウダチシグレもジンツウも同時に認めたの・・・?」
「こんなにも簡単に・・・・・・こんなの見たことない・・・」
姉弟戦意喪失。いやまぁそうだよね。自分たちの武器を自分たちよりすごいことにしたらそれは驚くよね。誰もが驚くなか、将軍が口を開いた。
「流石だ。『剣聖武器』を扱えるのは剣聖が認めた者、そして元々の所持者である『五代目剣聖』だけだ。それ以外にあるとすれば、凄まじい精神力がある者のみ。しかし自称アルトス殿、マリアーデ殿が以前話していたが、かの五代目剣聖はその二つの武器を『ヘボダチナキムシグレ』『ヨワムシジンツウ』と呼んでいたと話していたのだが、知っていたかな?」
「ヘーソウナノカー」
「くくく、なかなか面白い偶然があるとは思わないかな?」
嘘つけ。最初からわかってて芝居してただろ。と言うか今このやんちゃ武器との会話で俺の正体わかった連中多いだろ。ほらみろ。何人かマリアーデと俺を見比べてるし。と言うかマリアーデニッコニコだし。隠す気ねぇだろ。
「まぁそのなんだ。なんか雰囲気があれだけどとりあえず・・・どうしましょうかね?」
「そうさなぁ。この空気で殺り合うのも変な話だろう。この辺で終わりとしようか」
「あぁうん。なんかすんません。そっちの双子もごめんね?」
「えっ・・・あ・・・あぅ・・・」
「やっぱり本物の五代目剣聖・・・どうしよう。緊張している。どうしよう・・・」
あぅって、姉さっきまでの殺気はどこいった? (だからギャグじゃねぇ!) 弟も狼狽しすぎだろ。近くにいた騎士がどうしたらいいのかとオロオロしながらなにか話をしようとしている。
他の騎士も戦士も、ついでに言えばさっき倒した戦士たちも起き上がり?マークと!?マークを頭の上に出している。気がする。
それを見て数人の同僚たちが驚いている。倒した奴ら、武器防具こそ壊したけど怪我はさせていない。叩きつけたエルフ弓兵に至っては綺麗な顔のままだ。
流石に顔はやばいでしょ? だからジェットコースターよろしくブンブン振っただけだ。顔の皮膚と肉はプルプル震えた上に風で痛かったとは思うけど。
傷つける覚悟でやるけど、やっぱり極力被害はない方がいいじゃん。だから万が一に備えてアイテムの確認してたんだし。
「質問よいだろうか?」
「どうぞ」
将軍の言葉に応えるべく、姿勢を正す。多分国賊云々の話だよな。ごめんそれマリアーデの仕業です。
「演習の相手は一人と聞いていたのだが急に二人に増やすならば先に言っておいて欲しかったのだが?」
「え? そんな話は聞いてな・・・『天雷風瓶エリシオン』!!」
一気に最高速まで上げ”狙われた姉弟”の前に立ち、振るわれた一撃を受け止める。姉弟はようやく状況を理解して別の武器を懐から取り出し構えた。
剣を振るったのは騎士の一人。先程までオロオロしていたそいつは、どこからともなく取り出した毒々しい短剣を兄弟へ向けて振っていた。
もし殺気を見せずに暗殺じみたことをされていたら流石に危なかった。けど本当にギリギリだったため掌を刃が切り裂いていた。と言うか防具貫通かよ。
久しぶりに感じた切り傷の痛み。『ヴェノ』がくっついている『慧眼ノ眼装』と『双子星の籠手』を重ねて装備してるのに。やっぱりそういう武器があることも調べたほうがいいのかなこれは?
そして直後視界が何かに犯された。一瞬でどす黒い赤に包まれる。自分が一体どういう状況か理解できない。でも多分毒かなにかだとは思う。
――――◇――――
状態異常:『滅毒』に犯されました。
――――◇――――
『滅毒』って確か俺と出会う前のルークが暗殺に良く使ってた毒と同じだったよな。懐かしい。そう言えばあれがルークとの出会いだっけ。
大多数にバレて、わからなくてもこれがそういうものだと理解した一同。
しかしそこに混じって本物の賊が襲いかかってきた!
アールは毒に侵された! ピンチ!!
感想くれるとモチベーション上がるのでくださいお願いしますm(_ _)m




