283:反省会
ロールプレイ終了。
内心焦ってます
やってしまったぁ・・・・・・
これ以外の感情が出てこないほど、俺は猛烈に反省している。やらかした。イベント成功とも失敗とも言えない終わらせ方をしてしまった。やばいどうしよう。
長い時間『魔剣聖アルトス(死後)』としての役をやっていたから完全に気持ちがそっちに入りすぎた。自分の『アルトス』と『設定としてのアルトス』が混ざり合ってとんでもないことをやらかした。
恥ずかしいこと言ってた? んなこと気にしてねぇよ。あれは完全に俺だったんだし後悔はしていない。けど反省はしている。
予定では参加者全員ぶっ殺すか、ある程度の強さを見せたらそれっぽいこと言って撤退するって話だったのに。
撤退する前に全部ぶっ壊した上に調子に乗って『天極星道エストレア』まで使っちまった。ちなみに今回なぜ『極星十二宮奥義』をバシバシ使えたかというと、実は『剣聖物語』の『魔剣聖ルート』『リアルハードモード』限定で使えるのだ。
完全ではないが一日一回なら体が持つ摩訶不思議設定があり、今回エクスゼウスの方々から『極星十二宮見たいんで使えるようにしときます♫』とか言われていたのである。
話では『天翔サジット』を教えるために『騎龍サジット』だけを使う話だったんだが、最後の最後で感極まって『天極星道エストレア』を使ってしまった。
この『天極星道エストレア』に関してだが、簡単に言えば『極星十二宮奥義』を無理やり連結させて十二連撃叩き込むというトンデモ奥義である。ちなみに使うと相手は死ぬ。俺も死ぬ。
なので『これもう死んだ。えぇい!! どうせなら全員巻き込んで死んでやる!!』的な奥義である。何度か使ったことがあるので身を持って知っている。
そんなことは今どうでもいいんじゃ! 問題はそのせいで筋書き通りの道が崩壊して運営に多大なる迷惑をかけたことなんだってばよ!!
ここまでの思考回路の動きが終わったとき、俺の体はまさに今迷惑をかけた運営チームが勢揃いの空間に戻ってきた。
「「「「「「・・・・・・」」」」」
やばいどうしよう。流石に怒ってるよねこれ。いくらなんでも運営が準備してきたものをぶっ壊したら絶対怒る。何とも言えない空気に俺自身即座に土下座をするべきなのに体が動かない。
いやいやダメだろう。流石に俺が悪いんだし意地でも動け俺の体!!
「このたびはもうしw「「「「「「「「「「ありがとうございます!!!!!!」」」」」」」」」」・ありま・・・え?」
ごめんなさい頭が追いつかない。
「主任どうしましょう!!? 俺この展開を思いつかなかった自分が恥ずかしい!!」
「畜生!! 畜生!! 俺のチンケな想像力に腹が立つぅ!!」
「うぅううう・・・えぐっ・・・ふぇぇ・・・・・・ふぇぇん・・・」
「も・・・むり・・・はく・・・嬉し感フォウ吐き・・・オロロロロ・・・」
「えと・・・あの・・・え?」
なんかお礼言われていつものカオス空間に入ったと思ったら思考回路が追いつかなくなった。そんな時、ポンっと肩を叩かれた。どちらかというと良心的なAさんがいた。
「Aさん」
「いや、うん。グッジョブ!! やっぱり流石アールくん!! 俺たちの想像を優に超えてしまう!!」
「「「「「そこに痺れる」」」」」
「「「「「憧れるぅ!!!」」」」」
「ヤメテ!!? 今だけはその言葉がグッサリ来るんですっ!! と言うか怒ってくださいその方が気が楽なんです!!」
「なぜっ!!? 感謝する理由あれど!!」
「激怒する理由が存在しない!!!」
「つ・ま・り!!!」
「「「「「「「「「「ありがとうございました!! 次も是非お願いします!!!!」」」」」」」」」」
どうしよう。今ほど怖いと思ったことない。なぜ怒らない? いやうん。変人どもの考えはわからないけどなぜ怒らない? 普通筋書きとか壊されたら怒るものでは?
特に運営に関わるし尚更。と言うか次ってなに? もしかしてまたやるの? いや俺は楽しかったからいいけど。
「感情爆発本能覚醒での発言は一旦我慢しましょう。後で聞いてねアールくん」
「え、あ、はい」
Xさんがものすごく不思議な顔で真面目そうな気がする顔つきだった。
「今回のイベントの結果に関してだけど私たちとしては大満足よ。その他大勢から批判が来ようが何が来ようと無視するつもりだから気にしないで」
それは運営としてどうかと思う発言ではあるが今日は無視。と言うか俺もそれに関しては何も言えないので。
「プレイヤー強化に関してだけど、ゾンビアタックする事も減るだろうし、スキルに頼りっぱなしのぶっぱなし戦闘も減るでしょう。それだけで大いに満足です。一部の愚か者どもは放置でいいわ」
「「「「だって説明も概要も読まないお馬鹿さんでしたからねぇ」」」」」
確かに開始時にはちゃんとアナウンスとか、概要の表示とかあったし、それを無視して死ににいくのは馬鹿だし。ゲームだからってやり直しができると思っていたら大間違いなんですはい。
「本来通りの戦い方から変わることはないでしょうけど、生存率はそれなりには上がっているはずよ。でないと今後二度と勝てなくなるのだし」
「でしょうね。けど何かしらの救済措置はとるんですよね?」
「しょうがないから各地に祠を設置しておくわ。そこで君の思考回路を参照して組んだAIにしばいてもらえるようね。まぁ学習能力に補正はないから文字通り死に物狂いでやってもらうことにはなるけど」
学習能力補正はやっぱり今回のイベント限定の産物にするみたいだ。確かにそんなの常時あったらとんでもない事になるし。と言うか俺が泣く。
「イベント報酬に関してだけど、とりあえずお金と多少修正したスキルを用意するつもりでいるわ。文字通り全滅したのに月光流使えるようにするのは許せないから危機回避的な能力値アップスキルで行くつもりよ」
「ちなみに既にスキル作成完了してますぜ主任。ぶっちゃけこのままだと弱いですが、強化してけばそこそこ戦えると思いますよ」
仕事が早いとかそう言う次元じゃないんですがCさん。
「ここまでが”参加者”への報酬よ。次に君への報酬なんだけど」
「え? 俺にもあるんですか?」
「え? 当然でしょ? 寧ろ用意しないと思った?」
「えぇまぁはい。今回みなさんと同じ運営陣としての参加でしたし、正直もう報酬をもらった気持ちでいっぱいでしたので」
このためだけに用意された外伝プレイ出来たし、ひたすら修行に打ち込めたし、面白い連中にも会えたしでイベント報酬としてはこれ以上ないくらいだと思っていたわけであるし。
と言うかいくら金を積んでも出来ないような超貴重体験ばっかりだったからこれ以上は流石に。とか思っていたのに、逆にXさんは呆けた顔になっていた。
「だってあれは私たちの報酬・・・もといご褒美よ? 君のじゃないわよ?」
「えぇ・・・」
「でもそうね・・・なら実力で報酬もぎ取ってみたくない?」
「是非」
即答で悪かったな。タダで貰えるものよりも、実力で何かもぎ取る方が好きなんだよ。と言うか正直戦いに関してだけ言えば消化不良なんだよ。
「即答ありがとう。実はそう言うと思って既に用意してありました!!」
「「「「「「「「「『イエェェェーーーーーィイ!!!!!』」」」」」」」」」
メインモニターに映し出された『無情非道悪鬼羅刹無限組手』と禍々しいフォントで書かれた看板だった。シルエットにはどこかで見たような人だったり、モンスターだったり、有象無象だったりが見える。
「制限時間は72時間! 現在の『アール』としてのステータスを引っさげて! 復活なし回復なしAS補正なしステータス補正なしで迫り来る10の驚異と連戦・・・いえ、混戦で戦ってもらうわ!!」
「勝利した暁には君に『UtS:極星』を贈呈させて頂く!!」
「敗北すればその時点でゲームオーバー! 再戦は三度だけ認めますがそれ以降は認めません!! 当然報酬はなし!! もちろん再戦は最初からです!」
「この無常なる試練を超えたならば! 『極星』スキルを持っているだけで24時間に一度だけ!!『極星十二宮奥義』の反動を無効化してしまうというトンデモスキルは貴方の物に!!」
「エストレアは無理だからね? あれ十二連撃だから無理」
体中がゾクゾクする。恐れ? 恐怖? いいや違う。久しぶりに身体にまとわりつく極限の戦いに身体が『はやく戦わせろ』と雄叫びをあげている。報酬は手に入ればラッキーくらいでいい。
あぁ、あぁ!! これこそ俺が望んでいたものだ!! 戦闘狂で結構! この感覚がたまらなく好きなんだよ俺っていう人間はな!!
ここの運営はまぁこういうことしますよね。
次回戻ります




