199:ミスリアでの依頼受注Ⅱ
感想返し遅くなってすみませんでした。
受けた依頼は残り2つ。橋の修理と行方不明者の捜索。俺たちは二手に分かれて一度ミスリアにて情報収集を開始した。
依頼を受けるとなれば俺のやり方はこの方法である。以前のクズゴブリンの時もそうだが、聞き込みから意外な事にたどり着くことはよくあることである。
気がつかないで進めてしまい、取り返しのつかない事態になってしまうのは勘弁して欲しいからな。NPC・プレイヤー問わず、街中の人に話を聞いて回り、情報を集めること一時間。戻ってきたギンとコヨミと一緒に集めた情報の整理を開始する。
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1:橋は街から東に向かったところにある
2:橋が破壊されたのは前回のイベントでの巨人種モンスターの暴走による二次被害
3:現在も複数のモンスターが徘徊しているためかなり危険
4:イベントによる影響なのか、普段見慣れないモンスターも見かけられたという噂あり。
5:行方不明者に関して法則はない。
6:行方不明者の共通点は皆エルフということ以外ない。
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「まぁ想像通りといえば想像通りではあるな」
二つが結びつくようなことは流石になかったようだが、行方不明者に関しては全くというほど情報がない。
「そうですね・・・考え方によっては二つが無関係であることを喜ぶべきではありますね」
でもどうしてだろうか。妙な胸騒ぎが止まらないんだ。何かこう・・・良くないことがあるような気がして仕方がない。
クズリンの前例があるからって、気にしすぎだと言われればそれまでではあるんだけど。でも妙に気になるんだよ。
「師匠? どうしたのじゃ?」
「いやな? 妙な胸騒ぎが止まらねぇんだよ・・・」
「そう言えばクズゴブリンの時もそうじゃったな。師匠の勘がそう言っておるならば何かありそうじゃな」
「おいおいギン。俺が言うセリフじゃないが、気にしすぎの可能性だってあるんだぜ?」
「じゃが気になるのじゃろう? 妾は構わないのじゃ。師匠が思うようにして欲しいのじゃ。師匠を信じることも弟子の努めじゃからな」
「うふふ、アールくん。弟子がこう言っているんですから師匠である君のやりたいようにどうぞ。私も君のことなら信頼していますから」
『貴様の勘はよく当たる。いつも通りにやればいいだろう』
「・・・ならそうさせてもらうよ。ちょいと作りたいものがある。万が一に備えてだから少し時間がかかるがいいか?」
「「『うむ(大丈夫ですよ)(構わん)』」」
それから二時間ほど時間を貰い、いくらか出来ることをしておいた。アクセサリーの製作に始まり、万が一に備えて掲示板へつぶやき程度の書き込み。
それと考えうる最悪の事態を想定して町にいくつかの細工を施しておく。
それが済んでから、俺たちは街を出て修理依頼があった橋の跡地へと向かった。
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橋がある場所は巨大な滝壺となっており近づくだけで水しぶきがすごい。さらに風も少々強く油断すれば落ちてしまいそうだ。
そして話であったようにこの周辺には巨人が大量に徘徊していた。巨人だけではなく、小型のモンスターで見覚えのある二つ頭のオークがワラワラと巨人の足元を歩いていた。
そして奇妙なのが、巨人がオークを襲わないのだ。逆もまた然り。食物連鎖的な観点で言えばどちらも極上の獲物同士のはずだ。巨人の肉はうまい。そしてオークは言うなれば豚肉。巨人の餌としては最適であろう。
それなのに共生している様なのだ。それを裏付けるのが・・・・
『ォォォォォォォォォ!!!!!!』
『GYAAAAAAA!!!!!』
その二種が俺たちを見た瞬間にほぼ同時に襲いかかってきたことだ。それまで互いに気にもしていなかったのに。俺たちを視界に捉えるとすぐさま攻撃してきた。
それもお互いの被害や連携など全く考えずに、それこそ自然界の厳しさを教えるように被害を出し合いながら俺たちだけを殺しに来た。
「「「超越天匠流抜刀術『天津雀:二式』!!」」」
相手の肉を抉り、骨を曲げる高速の天津雀で寄ってくるモンスターたちの四肢を砕き、首を曲げる。
崩れ落ちる巨人の体を目撃してもオークたちはそれを気にせずに、倒れ下敷きになる可能性があるにも関わらず、巨人の前を通り獲物である俺たちに向かってくる。そして巨人に潰されるオークだが、まだ動く体だけを動かしてヨダレを垂らし、飢えた獣の様に俺たちへと向かってくる。
「ギルファー!」
『『『もうやっている』』』
分身を出したギルファーが、迫る巨人に自らの体毛を変化させて生み出した鋼剣を飛ばし、その目を潰し腕を断つ。第二形態へと移行したギルファーは身体に纏う雷と鋼剣で蹂躙していく。
手を伸ばし捕まえようとする巨人だが、触れた瞬間に雷に焼かれ、鋭利な刃でズタズタにされていく。
俺たちも迫ってくる巨人とオークを次々と葬っていくのだが、まるで無限湧きを彷彿とさせるように倒しても倒しても数が減らない。
「あぁぁ!!! うざったいのじゃ!!!」
「同意です。流石にしつこすぎて嫌になります」
「この前のゴブリンの大群よりはマシだろうよ! 油断すんなよお前ら! 『星読み』開始『彗星』よ、宿れ!!」
ギンとコヨミに数度目になる『星読み』でのステータスバフと『彗星』による全反撃状態付与。オークに関してはどうにでもなるが、巨人に捕まるとそのまま握りつぶされかねないからな。
攻撃の意があるものに対して発生する『特殊効果:全反撃』なら触れられた瞬間にはじき飛ばせる。万が一があってはいけないのだ。そんな俺の背後から迫るオークがその腕に持つふた振りの棍棒を振り下ろしてきた。
「アホ、背後から来るならせめて気配は消して来い『白月』 超越月光流十二宮奥義『月火天撃スコルサジッタ』!!」
振り下ろされた棍棒を『白月』にて受け止める。力を失ったオークを棍棒ごと大きく振り回し周辺のオークを巻き添えにしながら振り回していく。
そこに捻りと衝撃を加えてジャイアントスイングを一気に加速、その全てを乗せて少し離れたところからこちらに向かってくる巨人へと投擲。
かなりの速度で吹っ飛んでいくオークは現在空を飛ぶ矢のごとし。巨人までの進路にいたオークを巻き込んで、そして肉片に変えながら散弾のように他のモンスター達も始末していく。
やがてターゲットにした巨人の顔面に激突するころには、オークだった肉片に変わり果てていた。しかし威力は変わらず、巨人の不気味な顔を破裂させてた。
「キッショォ!!?」
自分でやっておいてあれだが気持ち悪いことになった。幸いなのはギンとコヨミが声を聞いて絶対にそちらは向かんとしていることだ。
女性なら絶対に見たくはないだろう。今度から顔を狙うのはやめよう。狙うなら心臓だな。
『『『YGAAAAAAAAAAA!!!!!!』』』
「師匠に手出し出来ると思うなよ豚が、『神斬雲雀』接続『鏡雀』・・・っ!!!」
「私を無視して行こうとか舐めてるんですか? 死んでください『天雷雀』」
投擲直後の俺を狙い周辺にいたオークがここぞとばかりに攻めて来るが、自分たちの周りを片付け終えた二人が迫り一気に切り裂いていく。
その二人を背後から攻撃しようと、大ジャンプして跳んできた巨人がいた。悪いがそれは悪手だ。狙いやすくなった獲物を狙わない理由がないだろう?
「超越月光流十二宮奥義『星脚アクエリアイシス』!!」
同じく跳び上がり、巨人の後頭部めがけて全力の踵落としである『星脚アクエリアイシス』を叩き込む。衝撃が巨人の体内をズタズタに引きずり回し、下へと向かう衝撃が自由落下していた巨体を力強く地面に叩きつける。
それに巻き込まれたオークと巨人がひき肉でも作るかのように真っ白な花を咲かせて死んでいく。それでもまだ大量にいるのだから気が滅入る。
『ワタシヲツカワナイノカ?』
『LA?』
「雑魚相手に頼りすぎても俺が腑抜けになるからパス」
背負っている『艶姫刀:クヴァレイドル』に宿るふたりの質問に対して答えると納得したようなしてないような唸り声を上げつつも従ってくれた。
「ギン、コヨミ。アレやるぞ!」
「アレですね。分かりました」
「わかったのじゃ!!」
せっかく天匠流の修練者が三人、更に月光流修練者が二人いるんだ。しかも敵が無限湧きのように湧いてくる。三人の合体技を試す機会に使ってもいいだろう?
この技の要となるのはギンだ。正確に言えば誰でもいいんだが、俺とコヨミは既にこの技を習得済みなので、ギンの修行も含めてある。
現在ギンには月光流を教えている。天匠流に関してだが、あとは経験あるのみで技の磨き上げに入っている。
奥義と技のバリエーションを増やすためには『月光流』を覚えてもらうのが一番早いというのもあるんだけどな。
「ゆっくりと進む十文字の斬撃を味わったことはありますか?」
「せっかくだからその身で味わいな。代金はお前らの命で払ってもらうがな」
向かってくるモンスターの群れに向けて言葉を投げかける。勿論返答は咆哮と突撃。襲いかかってくる巨人と豚に向けてギンを背にして俺とコヨミが並び立ち、それぞれの獲物を振るう。
「「超越月光流十二宮奥義『重葬剣戟』」」
以前アヴァカス相手に傷をつけた奥義『重葬剣戟』。本来は斬撃が超低速で進むことで罠のような使い方をする奥義。正直これを連続して使うだけでこの程度の相手なら一掃出来ると思う。
そんな奥義だが、弱点がひとつ。それは斬撃自体が遅いこと。勘がいい相手なら簡単に回避できることである。
「味わうが良い。これが妾たちの業じゃ」
この合体奥義自体はひとりでも出来てしまうのだが、三人で割り振ることで、一撃の威力と攻撃範囲が一気に広がる。
俺とコヨミの斬撃の一撃に、ギンが誇る抜刀の速度が加わることで威力は何十倍にも膨れ上がる。
「超越月光流十二宮奥義『水無月重葬剣』っ!!!」
自身が貯めた衝撃、もしくは触れた衝撃を一気に開放して前方もしくは触れている相手に叩きつける『水無月写鏡』にて打ち出された一閃は、前を進む斬撃を一気に加速させる。
一気に加速したことで押さえ込まれていた斬撃が解き放たれ前方へ扇状へと広がり一気に敵を切り裂いていく。
断末魔を上げていくモンスターたちは何が起きたのかわからないまま死んでいく。これでかなりの数が減らせたはz・・・・・
「うっそだろ?」
そこに広がったのは倒した数と同じ数のモンスターの姿。しかもまだ増えているように感じる。マジでここ無限湧きじゃねぇだろうな?
「ギルファー!! ギン!! コヨミ!! 一旦引くぞ! 勝てない訳じゃないが俺の勘が警告鳴らしてる!!」
「むぅ!! うまく決まったのにこれは理不尽なのじゃ!! 撤退了解なのじゃ!!」
「賛成です。流石にこの数を四人で相手にするのはめんどくさいです」
『我も流石に食い飽きたところだ』
先が見えない戦いは避けるのが一番だ。それとこの違和感と言うか、何かここにはあると俺の第六感が言っているんだよな。
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「た・・たすけt」
「こないでこないでこないd」
「いやぁx」
「しにたくn」
「”餌”もそろそろなくなりそうですね。また調達しに行かなければいけませんねぇ」
「っっっ!!!」
「おや、一匹逃げましたか。仕方ありません。追いかけるとしましょうか」
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ある一定の距離を離れるとモンスターたちは追って来なくなった。縄張りを離れたと考えるのが普通だが、先ほどのことを考えればそれは考えにくい。
何かを守っている。寄せ付けないようにしていると言われた方が納得できる。
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・『デュアルソウルオーク』を95体撃破しました。
・『ジ・ガース』を31体撃破しました。
・『ズ・ガース』を55体撃破しました。
・素材:『巨人の棍棒』×31、『鳥巨人の肉』×91、『鳥巨人の大胸筋』×21、『鳥巨人の心臓』×4、『蛇巨人の肉』×43、『蛇巨人の髄液』×12、『蛇巨人の牙』×18『蛇巨人の心臓』×2、『異双豚の棍棒』×62、『双魂豚の肉』×157、『双魂豚の革』×66、『双魂豚の心臓』×1を入手
・レベルアップ!アールは『レベル55』になりました。
・UtSレベルアップ!『星の魔術回路Lv4』
・賞金:346588D
・称号『ジャイアントキラー』『オークキラー』を獲得
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まぁ案の定である。質はともかくかなりの数の素材が出てきた。実は『流星』も使用してまたレアドロを出していたので、今回も地味にレアリティの高い心臓をドロップしていた。巨人の武器もいい感じで個数を確保している。
一番倒していたオークの心臓が一番少ないのが気にはなるが、ともかくあそこに何かあるのは間違いない。どちらにしてもあそこを掃除しない限り橋の修理はままならないのだ。
手伝い募集かけてみるか。
次回掲示板回です。




