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172:新しい日常Ⅰ

新章開幕



ここは現在発見されているダンジョンの中でも最大の難易度と呼ばれている場所だ。同時に可能ならばあるドロップアイテム確保のために何度も通うべきと言われているダンジョンだ。



『Laaaaaaaaa!!!!!!!!!』



そこのダンジョンで不定期に出現するレイドモンスター『カースサイスリッチ』



一度恐怖を覚えてしまえばその個体との戦闘中は『支配聖歌』と呼ばれる特殊な声を聴いてしまうと何度でも『状態異常:恐怖支配』と言う特殊な異常状態になってしまう。



わかりやすく言うと一度支配されると、倒すまで何度も支配されるという地獄のような異常状態だ。



しかもこいつを倒すのも相当大変なのだ。平均回数30~50回ほど攻撃を繰り返し、体のどこかに数秒間だけ現れるコアを攻撃する。これを10~20回ほど繰り返しようやく討伐できるというクソ難易度である。



だが裏を返せばそれだけで勝てる上に、支配さえされなければ大した敵ではない(ただし通常個体に限る)。



「「「      」」」



「うわぁぁぁぁぁ!!!?!?!?またかよアルトりす!!?!?!」



「トリスたん敵はあっちですよォォォ!!?」



「カオスwwwってあぶなぁ!!?マーガリンちゃんマジで殺しに来てない!!?」



またプラクロ仕様である程度ASを耐性方面へと特化させる、もしくは特殊な専用スキルで感情を抑制する特殊状態を付与すれば何とかなる。



「「「「    」」」」



「しぬしぬしぬ!!!!アールさんヘルプぅぅ!!!」



ただし戦闘中はASの切り替えは出来ないので注意である。予想外の相手として遭遇した場合はこんな感じで戦線崩壊だ。



「電卓騎士団は正気な奴らで支配された連中たたきつぶせ!! 『雷華』!! 『コハク』を落とせ!! その後に『弥生』と『レイ』の順でな!! 『ルーク』は『パチスロット』の援護に回れ!! 『マー坊』は『アルトりす』を落とせ!! 『ギン』と『コヨミ』はこれ以上雑魚を近寄らせるな!! 『レイレイ』『リーク』!! 俺と来い!! 今度こそ奴の喉を潰す!! 『ディア』『ギルファー』!! やるぞ!!」



カースサイスリッチはプレイヤー総勢30人までで戦える大型のレイドモンスターとして今回プラネットクロニクルに登場している。なのである程度人数を揃えてASを専用に組み替え、支配されるモンスターの足止め及び討伐組とリッチを直接相手にするリッチ討伐組に別れた上で戦略さえ立てて戦えば実は初心者でも事実上勝てない相手ではない。



カースサイスリッチはダメージ量ではなく攻撃回数で倒せるモンスターだから。

まぁ今回のようにブリガンテ対策AS特化でビルドしていた場合はあっけなく大混乱なんだけどな。



「もう!!どうして皆さんあんなモンスターごときに怖がるんですか!!?」



「雷華さん、前々!!コハクさんの大技来ますって!!?」



「チィ!!!!」



俺たちのクラン『剣星』は今回クラン『電卓騎士団』とNote率いる即席パーティーから要請を受けて呪封神殿にてブリガンテ討伐に大型パーティーを組んでやってきている。



別名『ブリガンテに武器を奪われたので取り返し隊』の面々である。





ーーーー◇ーーーー

依頼受注者:クラン『剣星』

メンバー一覧

俺ことクランマスター『アール』、サブマスター『俺はマー坊』

クラン団員『リーク』『レイレイ』『ルーク』

従者『鋼牙狼ギルファー』『破滅の球体‐ディア‐』『特殊NPC:銀弧族のギン』『NPC:剣豪コヨミ』

ーーーー◇ーーーー

依頼主代表:電卓騎士団 マーガリン

・メンバー一覧

・電卓騎士団より

『アルトりす』『パチスロット』『トリスたん』『胡座ウェイ』『オルガン』『マーガリン』

・即席パーティー(野良)

『Note』『雷華』『ああああ』『レイ』『コハク』『弥生』

ーーーー◇ーーーー





以上プレイヤー総勢17名、従者を含めたら21名でのレイド戦なのだが、現在そのうちの六名。それも『アルトりす』『トリスたん』『マーガリン』『レイ』『コハク』『弥生』と言う全員攻撃ビルドに寄せている面々ばかりである。



『LaaaLaaaaaLaaaaaaa!!!!!!』



「洒落臭ぇ!!!」



「落ちろ!!」



「死ねぇぇ!!!」



器用にサイスを使いこちらの攻撃を受け止めていくリッチもどき。歌いながら回避行動と防御行動を取れるのはさすがと言っておこう。



「こんの戦闘狂がっ!!!」



「     」



マー坊お前が言えた義理じゃねぇよ。



しかし流石は電卓騎士団。同じ仲間同士だ。パチスロットとオルガン、胡座ウェイの3人だけとは言え支配されているトリスたんとマーガリンを抑えつつ近づいてくる狐と蟷螂の攻撃もうまく防いでいる。



更に即席でつかせたルークがうまいことフォローに入ることで極力攻撃後の隙を減らしている。対するこちらだが・・・・・



「      」



「      」



「狙いが甘いのよ!!!」



一撃はデカいものの周囲を巻き込むコハクのとんでも抜刀技でサポートの弥生を吹き飛ばさせて出来た隙を突いて雷華が仕留めに行っている。



Noteとああああ・・・面倒だ。シアは雷華のサポートに周りレイの動きを阻害したり回復に回っている。これならしばらくは持つだろう。



「数が多い!!14代目!合わせてください!!」



「心得た!!」



「「『鏡雀』!!」」



雑魚の相手はギンとコヨミが請け負ってくれている。かなり数は多いが二人でもギリギリ踏ん張ってくれている。ギンは『弥生』と『卯月』を呼び出して自分達のサポートに回している。



「あぁもう!!やっぱり殺りにくいコイツ!!!」



「口より体動かしな女狐!!!」



『だが事実面倒だなこの幽霊モドキ』



「長期戦になるとこの状況まずいな・・・ギルファー!! 全部出せ!一気に片付ける!! 『ディア』!!!」



『ヨヨヨ!!!』




ーーーー◇ーーーー

破滅の球体に体が支配されました。

ーーーー◇ーーーー




「『30秒で喉潰す!!リーク!!レイレイ!!ついてこい!!ヨ!!』」



このギリギリ戦線が維持できているうちに何としてでもこいつの喉を潰す!!俺の手に握られたディアが生み出した『真刀:戯』と正真正銘本物の『天籟刀:ズイカク』を手に俺は歌い続けるカースサイスリッチへと向かっていく。




ーーーー◇ーーーー



海と共に生きる街エーテリア



クラン『剣星』のクランホーム。元はエーテリアだけでなく、大陸で、ひいては全時代人から有名な鍛冶師が住んでいた鍛冶場兼自宅。



彼が死んだあと、俺たちが買い取り、空いていた土地に増築して、今はこうしてクランホームとして使わせてもらっている。



意志を継ぐとは言えないが、この街に素晴らしい鍛冶師がいたことを忘れないでいて欲しいと言う俺のエゴだ。



「今回は本当にお世話になりました。これ依頼料とアイテムです」



「お・・・お世話になりました」



カースサイスリッチ撃破&盗まれたアイテム回収が一応無事に終わり、依頼報酬を受け取った。



「ん?多いぞ?」



事前に話していたより金額とアイテムの数が多すぎる。こんなにもらっては流石に申し訳ない。



「流石にリッチ”二体”も相手にすることになるなんて思ってませんでしたから、これはその上乗せです」



依頼主代表のマーガリンはそう言って返そうとしたアイテムをそのまま押し付けるように渡してきた。まぁそちらがそう言うなら素直に受け取らせてもらおう。



「わかったよ。ただその代わりそこの樽の中にあるやつ一人一本好きなの持って行ってくれ。全部試作品だから」



「マジでwww!!?アーさんマジぱねぇwww」



「・・・・・感謝する」



ぶっちゃけこれだけ貰えるならそれと同じようなのを何本作ってもお釣りが来るレベルだ。それくらいのサービスはさせて欲しい。



一人一つずつ俺とリークが作った武器を選び終えた後、一言ずつ言いながら店の外へと姿を消していった。



「依頼完了っと・・お前らもおつかれさん」



「流石に疲れたぜ・・・・」



「のじゃ・・・・」



店の奥で泥の様に横になっているのはレイレイとマー坊、ルークにギンである。ブリガンテ39体、エイリーアボア21体、ヴィスディアマンティス19体、ヴァージアフォックス45体、カースサイスリッチ2体(内一体は三代目憑依というエゲツナサ)



合計討伐数126体をほぼ休みなく戦い続けて倒したのだ。相当疲れたみたいだ。ルークは完全に寝ている。



因みにギルファーは店先で寝ている。完全に散歩終わりの犬状態だ。それでいいのかクロニクルモンスター。俺としては問題行動を取るわけではないので万々歳だ。



というか三代目登場ランダムエンカウントかよ・・・マジでいつかこの街滅ぼされんじゃ・・・・ないな。それはない。マリアーデがいる時点でそれはないな。



「お待たせしました。りんご剥けましたよ。それとミックスオレも用意しました」



台所からりんごを剥いてやってきたコヨミ。寝転がる奴らの頭元にそれぞれ切ったりんごの乗った皿を置いていく。



「んくぅ!!甘さが体に染み渡るぅ!!」



「レイレイちゃんなんだかおじさんみたいですよ?」



「酷いっ!!?」



「全くよメス猫。こっちまで聞こえてきたんだけど」



「黙りなさい女狐、あんたみたいに体力オバケと一緒にしないでよ。先に言っとくけどアールは対象外だから」



「ふん。体力ないとアールとの相手は務まらないからね。あ、コヨミさんジュースいただきます」



工房の方から出てきたリークはコヨミが用意してくれたジュースを二つ受け取り、その一つを俺の方まで持ってきてくれた。



「アールもお疲れ様」



「サンキュ」



「うがぁぁ・・・やっぱりこの前女狐預けるんじゃなかったわ。距離かなり詰められてるじゃない」



「って言いつつレイレイも結構な頻度でアールにひっついてるじゃねーか」



「取れるものなら取ってみなさいメス猫。取れるものならねぇ?」



「うっわ本気で殺意沸くわ・・ねぁアール?処していい?」



「喧嘩もほどほどにな?」



「しゃぁ許可もらった!! 表でな女狐!!」



「上等よメス猫。二度とその減らず口叩けないように捻ってボロ雑巾にしてやる!!」



「十分くらいで切り上げてこいよ?」



「「うん!!」」



スゲェにこやかな笑顔ですこと。最近は人様に迷惑かけない程度の喧嘩ならさせるようにしている。その方が二人共ストレスを貯めないのだ。あと地味にリークがレイレイに月光真流の技教えてるみたいだし。






この直後に『ある日々の物語』であったカースサイスリッチ討伐があった感じです。


活動報告にて『次回予告:新キャラ募集(仮)』を報告させていただきました。もしキャラ案を考えてくれる方がいましたら、必ず目を通しておいて欲しいです。

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