表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
191/419

173:新しい日常Ⅱ

短編集『ある日々の物語』更新しました。よければご覧下さい。

侍ゴブリンとの決着を終え、イベントが終わりを迎えてから、ゲーム内では早いことで一ヶ月が経過した。



大陸中の街は復興が進み俺たちの拠点エーテリアも戦い以前同様に活気を取り戻していた。これもマリアーデとアアリー、そして多くの生産職プレイヤーたちの協力があってこそだ。



僅か一週間で全ての建物の修理を終えて、枯渇しかけた食料や各備品、船などもあっという間に元通り以上に戻ってきた。



そんな復興の中でマリアーデからこの工房を使わないかという提案を受けた。



『きっとあの世の鍛冶師も言っておるはずだ。『其の辺の奴に譲るくらいならお主に渡す』とな』



勿論そう言ってるかはわからない。けど俺は侍との戦いで壊れてしまった『真刀:戯』を蘇らせたい。



そしてもう一つ作ってくれていたはずの剣を俺自身の手で完成させたいという思いからその話を受けさせてもらった。



最初は批判されると思ったけど、誰もそんなことは言わず、街のためによろしく頼むと逆にお願いされてしまった。



そういう訳で現在はこうしてクラン『剣星』のクランホームとして使わせてもらっている。



ガンテツさんは街住民からの多くの修理依頼を受けていたらしく、三回一度のペースで生活用品から商売道具の修理まで様々な依頼品が持ち込まれる。



それを修理したり、制作出来るのは俺とリークのエクストラジョブ『星の錬金術師』があってこそである。



星の錬金術師はジョブ『鍛冶師』『錬金術師』の完全上位効果。



素材さえあれば作れないものは何一つない。それこそ灼熱に上がる融解炉も作れるし簡単なフライパンなら鉱石さえあればすぐに出来る。そんな感じで街の人助けをしつつ毎日生活しているわけだ。



「りんごも食べますか?」



「もらう・・・・うめぇ・・・」



コヨミがくれたリンゴはすごく甘くてうまかった。レイレイと同じような事をいうのだが体中を染み渡る感じで最高に美味い。



「何度も見てもその太刀・・・素晴らしいものですね、アール君」



「だな・・・ガンテツさんにも見せてやりたかったよ」



『真刀:戯』が壊れてしまい使えなくなった。何度も直そうとしたが素材に何が使われているかわからず、今も修理ができないのだ。今の俺の目標はコイツの修理。



元々ガンテツさんの家なんだから素材くらいあるだろう?なんて思うだろ?残念なことに俺たちがここに来たとき。工房も家の中にも武器や装備、素材のひとつに至るまで何も残っていなかったのだ。それも文字通り跡形もなく。



火事場泥棒もしくはクズリンに全て奪われたかのどちらかだが、今ではそれは闇の中に葬られてしまった。故にこうしてアイテムを色々集めながら試し試しで作っていくしかないのだ。



そんな重宝していた武器を失ったときにマリアーデから驚きのプレゼントを渡されたのだ。



それが俺の愛刀『天籟刀:ズイカク』である。今までディアとの融合時のみ使えていた『天籟刀:ズイカク』はそれに類似した複製品。100%ディアで出来たものだった。



だが渡されたのは間違いなく『剣聖物語』をアフターストーリー込でクリアするまで使い続けてきた『天籟刀:ズイカク』であった。



アフターストーリー後、マリアーデ曰く俺・・・もとい五代目剣聖アールの死後マリアーデが『天籟刀:ズイカク』を回収し、使うに相応しい人物が現れるまで守り続けてくれたらしい。



でも本人が蘇ったので返すとのことだ。それでいいのか。


ーーーー◇ーーーー

武器:太刀『天籟刀:ズイカク』

攻撃力+Ω 特殊効果『天籟刀』

その一振りは神すら滅ぼすことが出来る伝説の太刀。武器としては破格の強さを誇るが、その強さは言葉で表すことができない。ただ一つ確かなのはこの太刀は世界を救った英雄がその生涯を終えるまで振るい続けた太刀である。

ーーーー◇ーーーー


マリアーデからも武器説明からも無事に生涯を全うしたらしい俺。まぁ人間いつかは死ぬから仕方ないけどね。



そんな感じで受け取ったのだがこれがまたプラクロ仕様だと不思議なんだ。



『攻撃力+Ω』とあるのだがその数値が全くわからない。調べてもわからなかったのでGMコールで聞いてみたのだが、これまた驚きの返し方であった。



Q:攻撃力+Ωとはなんですか?

A:無限であり有限。0であり1000でもある。貴方が貴方である限りその剣は力を貸してくれるでしょう。



確かにアフターストーリーで気になって『真化』できるか試してみたけどさ。その時は何も起こらなかった。



ただ起こらなかったのは『真化』する事だけであって剣の意志との会話は成功していた。そいつもGMの返答と同じようなことを話していたのでそういう物なのだと納得した。



てな訳で失ったものも大きいが、手に入れた・・・いや、帰ってきたものも大きかったのである。けど、悪いがコイツばかり使うことは多分ない。勿論重大な相手や強敵と戦うときは遠慮なく使わせてもらうけど、普段使うには少々気が引ける。



『投刀:抛』と『双子星の剣』を主軸にこれからは戦いを組み立てていくつもりだ。ほかの武器にも慣れとかないといざって時に戦えない可能性もあるし。




―――カランカラン




そんな時、店の扉を鈴の開く音が聞こえた。客だな。



「はいいらっしゃい。こちらは鍛冶屋兼クラン『剣星』のクランホームって・・お前かオーグ」



やってきたのは全身甲冑の体調170cm程の男。ところどころ見せる肌の色から人間ではないことが分かる。そもそも人間ではないのだから。



『なんだとは失礼な店主だな・・・・お前の師匠から仕事の依頼だ』



ゴブリン七将が一角、侍ゴブリン『オーグ』



イベントラストバトル。俺との一騎打ちにて敗北、その後互いの健闘と、我が儘を通して俺たちは種族を超えた友人となっていた。



オーグは街の一角に永住する運びとなり、ゴミ掃除からモンスターの駆除に至るまで様々なことを率先して取り組んできた。



曰く『仲間が迷惑をかけたから』らしい。未だ多少の溝は残るものの、エーテリアの住民は皆心が広い人が多いのか受け入れられつつある。



来たら毎回する挨拶と街の復興作業をしていく中で街の人たちからも受け入れられていったのだ。忠臣ゴブリンの一人は用事があると言ってどこかへ行ってしまったが、残りの忠臣ゴブリン達はオーグと共に街に馴染みつつある。



これだけ話が通じるやつなら最初から敵対する必要なかったのではないだろうか?



いや、一応忍者には問いかけた上で否定されたからセーフ。



「はいはい・・それで?今回はどんな面倒事を持ってきたんだ?」



『訓練用の鈍ら刀100本修理至急だと言っていた。店の外に昨日の内に店に入れておいたといっていた奴だな』



「アレ師匠からの依頼かよ・・・ってか置き手紙置いてってくれよ・・・」



帰ってきたら店の前にどっさりと置かれたボロボロの刀たち。鈍らというがそれなりに頑張って作ったんだぞ?それが見るも無残に帰ってきてたから、不良品として返品されたかと思ってた。



「わかったよ。今日中に何とかするって伝えてくれ」



『それとカニが食べたいから狩ってこイとも言っていたぞ?』



「完全にパシリじゃねーか」



実は戻ってくるときにたまたまガンドロックキャンサーとブレイドキャンサーが同時に現れたからちょうど狩ってきたばかりだったんだよな。



アイテムポーチに入れといたはずだからっと・・あったあった。



「二時間前の採れたて新鮮だ。悪いけど頼む」



『貴様も意外と苦労しているようだな』



生憎慣れたよ。さて、師匠の依頼放置してたら怒られるからサクっと済ませちゃいましょうかね。



こんな感じで俺たち『剣星』はプラネットクロニクルライフを送っている。冒険・依頼・冒険・依頼を繰り返しながら、悠々自適にな。




という訳で侍ゴブリンこと『オーグ』は街の用心棒になりました。敵が味方になる展開スキ。


というか、オーグにガチで勝てるプレイヤーがそもそも少ない模様・・・(勝てないとは言っていないが、ピンチになると剣聖が飛んでくる(オーグサイドに増援))


次回予告。久しぶりの掲示板回

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 一気読みさせてもらいましたが大変面白かったです 久々に感情移入出来ました有り難う御座います psお体にお気をつけください
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ