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148:ダンジョンボス

ちょいとだけとあるホラー(?)要素あり。

感想でも実はとある読者からその存在だけは示唆されていたのです。


正直その感想見たとき先の展開読まれたかと驚きました。



「二つの魂が汝を射抜かん『第二の赤:双子座』!」



「『十文字切り』ィィ!!!」



『ゴギュルォォォオオオォォォ・・・・・』



十匹目。



熊型のモンスターと戦った数である。リークと交代で一匹ずつ仕留めていっているのだが、倒しても倒しても奥に進むごとに現れる。



幸いなことに一本道なので迷子になったり、隠れて奇襲とかは今の所ないのだがいい加減にうざったくなってきた。



食料も十分取れたので解体するのは皮と爪、あと牙のみ。後は自然にお返ししている。見る人がみれば虐殺だと言われそうだが、やらなければ殺られるのだ。



「こんな感じ?」



「そんなんでいいだろう。俺もプロじゃないしな」



現在はこうしてリークと持ち運ぶ素材のみ解体している。リークが足止めしてスキルに余裕がある俺がひたすら攻撃を繰り返して倒す。近接ジョブは通常攻撃でMPが回復出来るので殺りやすいのだ。



「まだ出るかな?」



「出そうだよなぁ・・・」



一本道でまだ先は見えない。100m先くらいは見えるだが、その先は見えない。そんな感じで100m進めばまた敵が出てくる。ずっとそんな感じだ。



「進むか」



「そうだね」



熊が光となって消えるのを見届けて先へと進む。道端には変わらず拾えるアイテムが多数あるが既に俺たちのポーチの中はいっぱいいっぱいである。



「アール・・ありがとう」



「いきなりどうしたんだよ」



「一緒に頑張ろうって言ってくれたの。本当に感謝してる」



「なぁリーク?死亡フラグ立てるのやめない?」



「あ、バレた?」



バレるに決まってんだろ。むしろ今の流れでバレなかったら相当だわ。



「ったく・・案外余裕あるじゃねーか」



「まぁね、考え方によっては一か月アールと同衾出来たわけだし悩みも吹っ飛んじゃった」



「そっか、それなら良かったよ。でもそれで死んだら許さねぇぞ?」



「わかってる。絶対にアールを残して死なないから」



「死ぬときは一緒よ?ってか?」



「うん!」



うわぁお、いい笑顔だこと。



進むこと約200mだろうか、熊はもう出現せず、進んだ先には大きな扉があった。そしてその前にはいかにもな空間。ボスですねわかります。



「サガリ達は扉の前まで戻ってて」



『オオオ』



万が一があると大変なのでカルビ達は来た道を戻させる。三匹の気配が遠くへ離れたのを確認して広場へと集中する。



「気合い入れろよ?」



「アールこそドジ踏まないでよ?」



言ってろ。警戒しながら広場へと進んでいく。広場に入って4mほど進むと、扉の絵柄が動き出す。

足を止め、何が来るか待ち構える。すると絵柄から二つの球体が飛び出してきた。大きさは1m程度の大きい球体。それが二つ。



球体はそのまま交じり合うように合体していき、3m程度の巨人の姿へと変わっていった。全身黒い巨人。これがボスで間違いないだろう。



「リーク」



「雷が天より降り注ぐ!『第二の赤:水瓶座』!!」



巨人を中心とした半径2mに雷が降り注ぐ。よけられる場合を考えて、迎撃態勢を取る。だが巨人はこれまでの敵と違い回避することなくそのまま攻撃を受けたのだ。しかもダメージを受けた様子は全くない。



「リーク」



「我らを守護せし宝瓶の水『第一の緑:水瓶座』」



俺たちの周囲に隠れた敵がいないかリークの呪文による索敵を開始。だが、やはり敵らしき存在は目の前の巨人だけみたいだ。



「どうしようか?」



「何もしてこないのが逆に不穏だ・・・・少し近づくぞ」



一歩ずつ慎重に巨人へと近づいていく。距離残り5m・・・4・・・・3m。



「ストップ」



「・・・・・」



動きはない。敵らしき存在もやはり目の前の巨人からしか感じない。



「リーク、もう一回仕掛けてみてくれ」



「わかった。アールも気をつけてねっ!!?アール!!」



「このタイミングかっ!!!」



突如巨人が動き出した。大きく腕を振り上げて俺たち二人をなぎ払う。二人で回避ではなく受け止めを選択。



「「『白月』!!」」



あえて足を地上から離し、腕の力に任せて壁へと飛んでいく。飛ばされる中で体勢を整えて壁に着地。俺はそのまま巨人へと『風瓶エリシオン』で突撃、リークは援護のために詠唱に入った。



「『十文字切り』!!」



巨人に対して十文字切りを放つ。十字に振るった俺の剣に対して巨人は全く反応を見せない。



「アール下がって!!射抜け紅蓮の矢!!『第二の赤:双子座』!!!」



再び放たれるリークの呪文。だが先程と同じように巨人は避けることもなく真正面から攻撃を受けた。

そして相変わらず動かない。俺は先程よりも近くにいるのに巨人は嘘のように反応しないのだ。



試しに啄いてみるのだが全く反応しない。全く訳がわからない。



「アール。ちょっと試してみたいことがあるの。視線を外さないでそのまま後ろに下がってきて」



「わかった」



言われた通り巨人に視線を向けたままリークの元まで下がった。変わらず動く気配はない。



「アールはそのまま視線を向けてて」



「一体何するきなんっ!!?リーク!!」



「やっぱり!!」



突如動き出した巨人が猛スピードで向かってくる。更に腕には先ほどリークが放った呪文の矢のようなものが握られている。と、思ったら再び突如物理法則を無視してその場で急停止。腕の呪文の矢も消えてしまった。



「アール聞いて。多分コイツは目線が二つ以上あると無敵状態になる。アールが見たとき体の色は何色だった?」



「俺が見たときは青だった。リークは?」



「赤かったよ・・・私は色に関係のあるギミックだと思う。二つの視線があるときは絶対に動かないからそれも何かありそう。」



その通りだろう。事実先ほど飛ばされた時だって俺は一瞬リークへ視線を向けた。その時に動き出したんだ。そして今リークは視線を外した。その途端に動き出した。だが目線を向けたらすぐに急停止。見ているときは絶対に攻撃が当たらないボスモンスター。それがこいつなんだろう。



「つまり・・・・一人が無防備を晒さないとダメージを与えられないってことか」



「一旦私エリア外に出てみるね。もしかしたら変わるかも」



そう言ってリークは広場の外へ出る。そして合図とともに視線を巨人から離した。



すると巨人は行動を開始、リークのもとへとものすごい速度で駆けていった。



「リーク!!」



「っ!!」



慌てて振り返ったリーク。それはリークに巨人の腕がぶつかる寸前だった。見られた巨人は腕を止めて、再び直立体制となった。



リークが巨人から視線を外したのは広場の外に出てからだ。それで反応したのだから既に奴には敵として見られているのだろう。



「リーク。その場で攻撃の準備をしてくれ。俺が目線を外す」



「いいよ。合わせてね、3・・・2・・・・1・・・・今!!」



「っ!!」



「射抜け紅蓮の矢『第二の赤:双子座』!!アール!!遠距離攻撃するよ!!左2m回避!!」



「ちぃ!!」



リークの言葉を信じて左に避ける。元いた場所を突き抜けるのはリークのものよりも巨大な矢。



「射抜け紅蓮のアール振り向いてぇ!!!」



「っ!」



直感で地面に体を倒しながら振り返る。そこには残り30cm程度まで近づき、紅蓮の剣を大きく振りかぶった巨人がいた。ただ変わったのはこの状態でも赤く見えていることだ。



「リーク無事か?」



「私は平気・・・アールは?」



「ギリギリな・・・見える色変わったんだけどリークは?」



「青に見えるね・・・」



「俺は赤・・・・ってことは・・・」



「多分そういうことだよね」



いる場所も取る行動も同じ、しかし見える色だけが違う。赤と青。ギミック持ちか。というかよ?



「なぁ?俺色はともかく似たような何かを知ってるんだが?」



「私も知ってる・・・・・でもさ?」



「「ちょっと待ってよ・・・・」」



オブジェクトクラスは確かユークリットだったはずだけど、それにしたってヤバイのをモチーフにしたなおい。いや、見た目は普通の人で行動も対応できるレベルではあるけどさ?



「一旦やめよう。リーク、ボスがダメージ受けてた感じはあったか?」



首を横に振る。赤い状態ではダメージは入らないのか。はたまたダメージが入ったように見えて入っていないのか。



「ともかくだ。攻撃するには遠距離攻撃ができるリークを頼るしかない。ちょっとやりにくいが今の方法で攻撃していこうか」



「ごめんね。アールの方が危険な役任せちゃって」



「気にすんな。指示任せるぞ」



「うん!」






――――◇――――






一時間後



変化は全くなし。攻撃を当てて回避してを繰り返しているのだが一向にダメージが入った様子がない。



「もぉ!!!どうなってるのよ!!!」



「俺だって叫びたいよ・・・けどほんとどうなってんだ?」



攻撃を繰り返すごとに変わる赤と青。相手の残り体力が見えないためダメージが入っているのか全くわからない。リークのマナも既に少ない。マナ補充の為には一度視線を呪文書へ向ける必要があり、それはつまり狙われるということでもある。更に詠唱中は身動きがとれないので間違いなく一撃受ける。



「俺が抱えながら逃げて一旦退却するか」



「ふたりの視線が同時に離れるなら行けるかも・・・・・・逆に見てたほうが安全かもだけどそこはアールに従うね」



正直それはあるんだけどそうしたいけど熊が復活してたらその方がヤバイ。首をへし折られるのも相当だけど、背後からモツ抜きされて苦しんでるところに首へし折られに来たら流石に辛すぎる。



そんなリークの姿を見た暁には多分泣けるし見たくない。なので全力で逃げる。



「おっし・・・ちょっと待てよ・・・・・ふぅ・・・行くぞ?」



「どんとこい」



「せーのっ!!」



視線を巨人から離しリークを抱き抱える。そのまま即座に戦線離脱。元来た道を全力疾走で戻っていく。

そしておってくる足音が”二人分”・・・・おいおいマジかよ・・!!?



「アールアール!?気のせいじゃなかったら足音二つだよね!!?」



「ちきしょう!!やっぱりお前もそう思うよなぁ!!?」



俺もリークも完全に巨人から目線を離している。つまり俺たちは二匹の巨人に猛スピードで追われている。それもエリシオンで駆け抜けているにもかかわらずかなり近くだ。



マズイ・・・感覚的にもう追いつかれる・・・!!



けどこの速度で今走ってるんだ。急停止したとしてもまた走り出した時最初からそこの速度で走られたら絶対に負ける。意地でも逃げ切るしかねぇ!!!



ってか逃げられる速度にしてくれてるのはありがたい!!!常人には無理なレベルだとしてもなぁ!!!!



「こんちくしょうがぁぁ!!!!!!」



その時、迫っていた足音がピタッと止まった。驚いた俺たちは急停止、砂埃を起こしながら転がるものの、なんとか停止した。



ようやく振り返ったとき、二匹の巨人は最初に会った時と同じように直立体制で立っていた。そしてそのまま不動の状態ですすすぅーと来た道を滑るように戻っていった。



いや怖いわ。



『オオオオ?』



『クォーン』



そして俺たちの背後にいたのは、先に戻していたカルビとサガリであった。二匹は俺たちと同じように巨人へと視線を向けている。そっか・・・二つの視線があったからこいつらは止まったのか・・・・それはともかく。



「「たすかったぁ・・・・・」」



どっと疲れた俺たちはその後、サガリに担いでもらいながら、視線を巨人へと向けたまま泉へと戻っていった。ちなみに巨人たちはサガリが居た場所よりこちらに来ることはなかった。















―――――◇―――――



さぁ!!全ての用意は整った!!あとは”これ”をたくさん作ってばら撒いておくだけだ!!

あぁ!!もうすぐだ!!もうすぐで君の壊れる所が見られると思うと楽しみで壊れてしまいそうだ!!!

あぁ!!あぁ!!!あぁぁ!!!!!早く見たいよ!!!彼が壊れた(すえ)の末路を見たい!!!

そして彼を壊した人の壊れていく姿を見てみたい!!

人を壊すのは人なのだと知ってほしい!!!それを僕は見たい!!!

あぁ!!!早く作って始めたい!!人が彼を壊す瞬間を!!”感情に支配された人”が彼を壊す瞬間を見たい!!!



ギミック持ちダンジョンボス


実は書き終わってから『あれ?これ”彫刻”じゃない?』とか思い出して戦慄した。ミーム汚染されたのかな私・・・


感想でとあるヤバいものを見て未来予測できるのかととある読者の方に戦慄を覚えてました。知ってる人は知ってるのねS○P・・・・

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