表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
151/419

135:クエスト『妖精竜の討伐』Part3

なんだこいつ・・・・



”信じてもらえたか?俺がただの食い逃げであると”


「ただの食い逃げも十分討伐対象になるって自覚あんのかコラ?」


”月に一回程度だぞ?硬いこと言うでない。それに最近は行っていないのだ。そろそろ行こうとは思っていたがな?”



なんかキナ臭くなってきたぞ?依頼主は三日に一度の頻度って言ってたぞ?んでもって襲われたのは昨日、それなのにコイツ、最近は行っていないという。ってちょっと待て!?



「おい食い逃げ!!お前同族を殺されたから報復の為に畑に行ってたんじゃないのか!!?」



”は?何を言っている?”



「あの畑には龍の遺灰が使われてる!!お前はそれを知って襲ってたんじゃないのか!!?」



”龍の遺灰?あぁ、確かに似ている匂いはしたな”



おいおいおいおい!!?ちょっと話が変わってき始めてるぞ!!?ギンを見ればなにかの間違いであると信じて疑わない驚愕の表情があった。



「ありえぬ!!!あの匂いは確かに龍の匂いじゃった!!間違えるわけがないのじゃ!!」



”確かにかなり似ている。いや、我以外には判別できんだろうな。かなり似てはいるがあれは”龍の灰”ではない”



まさかの前提が崩れやがった。いやもうここまで来たら前提もクソも無いんだけどもよ。真実を告げられたギンはがっくりと項垂れている。レイレイとリークが慰めるのだが当の本人はかなりのダメージだったらしく泣きそうだ。



「ならギンが感じた龍に酷似した匂いってのはなんなんだ?」



”そんなもん知らん。だがかなり似ているから我以外にはわからんだろうな!!われ以外にはな!!”



自己主張うっさいなコイツ。ギンに塩擦り込みやがった。もう涙のダムが決壊寸前だったのでリークとレイレイからギンを受け取って頭を撫ぜてやる。



うっわ何げに初めて触ったけどスゲェモフモフする。髪柔けぇ・・・・リーク・・・いや、唯と並ぶんじゃないのかこれ。



「ね・・ねぇ妖精竜!!?お前以外に妖精竜ってこのへんにいるの!?」



俺が聞こうとしたことをルークが聞いてくれた。すると妖精竜はふんと小馬鹿にするように鼻息を吹き、まっすぐこちらを見た。



”この俺がここにいるのだ。他の妖精竜は疎か、龍種であっても近づいたりせん!それに近づかれればすぐにわかるからな!!”



「ねぇ師匠?これどういうこと?」



「・・・・妖精竜、教えてくれ。ここ最近お前以外の龍種がこの近くにきたような感覚はあったか?それをその・・・お前らの王様に誓えるか?」



”無論である!俺は妖精竜王ベツレヘム”の名に!そして我が名メルキゼの名において誓おう!ここ最近俺以外の龍種はこの林にもあの街にも近づいておらんとな!!”



「メ・・・・メルキゼですってぇ!?!?!!」



この妖精竜の名前を聞いたとたん、レイレイは大げさなほどに驚いていた。有名なのだろうか?



「アールコイツやばい!!メルキゼっていま存在する龍種の中でも別格って呼ばれてる奴らの中に名前が挙がるほどやばいやつ!!それこそアタシ達クラスが組んで討伐狙うレベルでね!!」



ふーん。こいつがね。確かに弱く見えるほど実力を隠しているのはわかったけど、そこまで強いとは思わなかった。それにしても実力隠すの上手だな。



”あ、やべ、部下に名前出すなって言われてたんだった・・・・今の無しだ無し。俺の名前は聞かなかったことにしてくれ”



「もう遅い。というか部下いるのかよ?」



「アール、メルキゼは大陸の東にある龍種が暮らす島国の王様。タダですら強い龍種が蔓延る中で強い部類とはお世辞でも言えない妖精竜っていう種族にも拘わらずその頂点にいるのが異常なの。しかも人望・・・竜望?・・とにかくそれも厚いからやばい」



「普通にベツレヘムよりもやばい!!本気になれば国一つは三日で滅ぶとか言われてるクラスの大物だよ!!?」



なんでそんな怪物クラスがこんな所で食い逃げと隠居生活みたいなことしてんだよ。普通に出向いて金払って食えや。



「・・・グスン・・・・そんな大物なら盗み食いなどせんで堂々と赴けばよかろうに・・・」



落ち着いてきたギンが俺らの思いを代弁してくれた。そんな大物なんだから小物みたいなことすんじゃないよ。



”馬鹿者!このスリルが良いのではないか!わかっとらんな小娘”



「こむっ!?妾はもう大人じゃ!!それになメルキゼとやら!!犯罪に手を染めてる時点でスリルも何もあるわけなかろうが!!」



「「「確かに」」」



”は?何言っておる。ちゃんと食った後にはちゃんと土産はおいて言っておる。こう見えて金には困っていないのでな!ここに来た日に我が国で取れる金塊を駄賃代わりに置いていっておる。それを俺からのものだと知らんだろうから食い逃げ呼ばわりされているだけだ”



「アホなのか!!?名乗り出んでそんなことすれば誰だって理解できんわ!!それにお主さきほど食い逃げと言われて否定せんではなかったか!!」



”その方が手っ取り早く済むと思ったのだ。いやー口は災いの元とはよく言ったものだな!アッハッハ!!”



駄目だこいつ。早く何とかしないと。というかこんなやつを国のトップに置いておくとか大丈夫なのか?まずここにいることすらどうかと思う。



ギンも呆れてモノも言えないようで何のアクションも取らずにただただ佇んでいる。



”それにそう言っておけば強そうな奴らと戦える機会も増えるであろう?俺は他の妖精竜と違って戦いが好きなんだよ”



一瞬で雰囲気が変わった。先程までの中ボス程度の竜みたいな雰囲気は一変して溢れ出るラスボス感。これはギルファークラスとまではいかないが、相当なもんだ。



しかもまだ強くなる余裕まで残してる。下手するとギルファー超えるんじゃないか?



リーク・レイレイ・ギンは急変して驚いたのかそれぞれの得物を構える、だが威圧にやられたようで腕が僅かに震えている。ルークは既に行動不能で俺の背中に隠れている。



”ほう?ちょっと脅してみたがお前だけビクともせんのか”



まっすぐこちらを見て舌舐めずりするメルキゼ。目が完全にターゲットとして俺を捉えている。



「んだよ?殺るのか?」



”それも面白いかもしれんな。最初は適当にやられたふりでもしてやろうと思っていたが気が変わりそうだ”



閉じていた羽を伸ばし、空に飛び出すメルキゼ。そのままゆっくりと地面に降りてくるが風圧がすごく、皆飛ばされないように踏ん張る。



ルークは簡単に吹き飛んでしまいそうだったので飛んでいかないように抱き抱える。一瞬羨ましそうにこちらを見てきた三人だが、そんな余裕がないようでそれぞれ風が収まるまで必死に耐えた。



改めてみれば妖精竜メルキゼの全長は以前戦ったガンドロックキャンサーよりもふた回りほど大きく、爪や牙、鱗こそ強そうには見えないが、体中に見える傷が勲章のように点在しており、その強さを見せつけてくる。



「ちっ・・・うざってぇ」



”俺相手にそんな言葉を言ったのはお前が初めてだ!アッハッハ!!”



そう言いながら威圧を引っ込めると震えていたリークたちの震えが止まった。ルークは確かめるように顔を動かしては引っ込めるということをずっとしていたけど。



「んで、引っ込めたってことは殺る気はねぇんだな?」



”おうよ!お前さんと殺るならこんなつまらねぇとこじゃなくて大観衆の前でやりたいからな!!”



クソ・・・これ絶対になにかのフラグぶち抜いたじゃねーか。可能性としては闘技場的な舞台で大々的に戦う事になるやつ。



「あぁ・・クソ、こんなことになるなら他の依頼受けるんだった」



”そう言えばさっきから討伐だのなんだのって言ってたな。おう、ちょいと詳しく教えろや”



俺たちが受けた依頼に関して、そしてその経緯などをメルキゼに伝える。別に教えちゃダメなんて依頼書にも依頼主にも言われていないから別に問題はない。



話し終えるとやはりさきほど行ったように最近コイツ以外の龍種はこの辺には来ていないとはっきり答える。



「嘘言ってるわけじゃねぇしな・・・・・・・」



「まさか詰んだ?」



「アホね女狐、詰んだのよ・・・・・どうしよう?」



「・・・妾にも良い案は浮かばぬ・・・・」



仕方ない。少々手荒にはなるがここまで知って、依頼破棄というわけにも行かん。



「締め上げるか」



”なんだ?お前から仕掛けてくるのか?お?お?”



シャドーボクシングを始めるやつは放置しておいてだ。不安そうにこちらを見上げてくるルークとフルフルと首を振っているリークとレイレイ、ギンも手前で大きく×印を作り戦闘はダメだと訴えかけてくる。



「コイツじゃない。依頼主の方を締め上げるんだ」



「ほっ・・・そっちなら安心」



「よかったぁ・・・流石に溶岩プールに生身で飛び込むみたいなことはしたくないからね」



「「いやいやお主ら/バカ師匠何平然と人襲う発言してるの/じゃ!!?」」



”なんだ。つまらん”



仕方ないだろう。それにあの依頼主怪しさプンプンだし、畑の肥料に龍の灰と思われるものが全く違うもので龍種が報復に来る理由がなくなった。しかも襲撃の発見者が、人がはっきり襲われた場面を見たわけじゃないし、被害者には会わせてもらえなかった。



それに犯人の特定ができていないのにはっきりと妖精竜って書いてたのも少し気になってた。

どうせ俺らに妖精竜ぶっ殺させてその遺灰を肥料にしようとか企んでるのか、はたまた龍種に似た何かと見間違えて依頼を出したのかの二択だけと思っていたけど。



そう簡単な話じゃない気がしてきた。とりあえず方針は決まったので一度街まで戻るとしよう。



ところで、ギンが感じた龍の遺灰じゃないなら、畑から感じた匂いは一体なんだったんだろうか?


クエスト『妖精龍の討伐』

・うちの畑の仲間が最近現れた畑荒らしの妖精龍に襲われたんだ!!これ以上は許しておけない!!誰か妖精龍を討伐してくれ!!


クリア条件:ダンジョン『龍の住む林』の妖精龍を撃退もしくは討伐する。







―――――◇―――――


あーあ・・・・もう少し”遊べる”と思ってたんだけどバレちゃいそうだ。仕方ない。ちょっと”早い”けど最終段階に移行しようか。

それにあの人間、確か・・・・が自分と同格だって認めた相手だって話だしね?彼も巻き込んでみようかな!!





悪夢は浮上する。



2





感想よければよろしくお願いします

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ