132:放牧都市アクシア
種まき種まき。何については言うまでもなし。楽しんでください。
前回の感想についての個人的感想
皆さんライーダさん大好きかよっwwwもらった感想のほぼ全てライーダさんもしくは宗教関連のこと言ってて面白かったです!
それと合体奥義はロマン!皆さんと同じ思いだったのが素直に嬉しい!!
放牧都市アクシア。
海街エーテリアが海の幸の宝庫なら、こちらは農産物の宝庫だろう。広く雄大な土地を利用し様々な産業を営んでいる。
また、屋根が高い建物が存在しておらず、建物は平屋建てが多い。放牧民が定住している街という感じだ。
「いい町だな。エーテリアも海風が心地よかったけど、この街の風も心地がいいな」
「涼しいー」
時間をおいて復活したルークも街の中に吹く風を全身で受けて涼しそうにしている。あんなキャラが濃い連中とあったのにすぐに復活してくれてよかった。
「ここでは何かする?」
「アタシとしては特に何もないなら次の街に行くことをオススメかな?」
リークとレイレイが言うように特に変わったものはなさそうだ。市場を見て回り、美味そうな食材や使えそうなアイテムなどは既に買い込んでいる。
ギルドにも顔を出してみたが特に何かありそうな様子はなかった。強いて言うならゴブリンのレベルが少し上がっているため、ここでゴブリン狩りをしているプレイヤーも多くいることくらいか。
また、聞いた話によるとアクシア大草原を少し進んだ先にある薫風草原という場所に生息しているNPCでありモンスターでもある妖精が生息しており、交友を深めれば従者として一緒に戦えるらしい。
他にもアクシアには亜人種、エルフやドワーフ、竜人族といった様々な種族が旅路の途中で足を運ぶらしく、上手くいけばその旅に同行したりサブイベントのトリガーになる出来事に遭遇できるようので、早いうちに亜人種と会いたいプレイヤーはここを拠点にしているとのこと。
俺は申し訳ないが亜人種と早く会いたいとかそういう気はないのでパスでいいかな。
「とりあえず二・三日満喫してから次の町に行く感じだな。ゴブリンの軍団もいた事だし一応様子見しておきたい」
「わかった。アールがそう言うならゆっくりしよう」
「異議なし」
機嫌が随分良さそうに体を伸ばす女性陣二人。
「(なぁ?アール?昨日どうだった?)」
「(ノーコメント。機嫌がいい二人見て察しろ)」
ちょっと刺激が強いのでマー坊とのアイコンタクトでの会話。流石にルークにはまだ早い。
『ならば我は少し外すぞ・・・美味そうな奴がいたのでな。少し喰らってくる』
「おう。恨み買って殺られないように気をつけろよ?あと無銭飲食したら俺がお前を殺す」
『殺れるものなら殺るがいい』
相変わらず自由なギルファーはそう言って何処かへ行ってしまう。どうせ草原にいた牛みたいな奴食いに行ったんだろうし。
『ヨ〜』
頭の上のディアがふにゃぁと溶けるように肩に滑り落ち、首に巻きついてくる。そのまま首を冷やすネッククーラーのような姿に変わるとそのまま寝始めた。興味が特にわかないので寝ているということだろう。
「んじゃ俺も少し外すわ。イベント関係で知り合いに増援頼まれてるから行ってくる」
マー坊の一騎当千具合は凄まじいからな。いろんな所から増援を依頼されるらしく、多分俺たちの中で一番ポイントを稼いでいるのはマー坊だろう。
個体名持ちこそ撃破してないがクリア後の報酬は一番いいものが得られるんじゃないだろうか。
「なんかあったらすぐ連絡する」
「頼むわ。呼ばれたら全部投げ捨ててこっち来る」
「投げ捨てんな」
「お前関連が俺の中では最優先なんだよ。じゃな」
マー坊もアイテムを使用して何処かに行ってしまった。これくらい自由な方が俺としてもやりやすいからいいんだけどさ。
残ったのは俺とルーク、リークにレイレイ、ギンの五人だ。傍から見れば男二人の女三人、ルークは子供なのでノーカンとすれば完全にハーレムパーティーである。全員危険人物だけど。
「それで?今日は何するの?」
「特に何もなかったからギルドで依頼受ける感じで考えてるけど、ルークはなにかしたいことあるか?」
「別にないけど・・・・・」
ならギルドで依頼こなしていく感じで。
―――――◇―――――
「こんにちわ〜〜ようこそいらっしゃいました〜〜」
ビアガーデンをご存知だろうか?夏になると屋外でやっているもので、日差しの下美味い飯と酒をかきこむ素晴らしいものだ。
ここのギルドはまさにそんな感じ。クエストボードとカウンターのみ木屋の中にあり、それ以外は日差しの下である。
そのカウンターではのほほんとした柔らかい表情をしたふくよかな男性が左右に揺れながら訪れた俺たちを出迎えてくれた。
「この依頼を受けたいんだが受理してもらえるか?」
「はいは〜い。クエスト内容は〜〜おやおや、珍しいですね〜。妖精竜の狩猟ですか〜」
「あぁ、頼めるか?」
「問題ないですよ〜?それでは参加者の皆さんのお名前を記入してください〜」
久し振りに見るウィンドウに全員の名前を書き込んでいく。
今回受けるクエストは妖精竜の討伐。なんでも町外れの畑に被害が出ているらしく、これ以上被害が大きくならないうちに討伐して欲しいとのこと。
何げに龍種討伐をこちらでしたことがなかったのでちょうど良かった。
「はい〜確認しました〜。では気をつけていってらっしゃい〜」
―――――◇―――――
――――クエスト『妖精竜の狩猟』を開始します。
――――参加者4/6『アール リーク レイレイ ルーク』
――――従者2/6『ギン ディア』
―――――◇―――――
「目撃情報によると妖精竜は街の西側で見られるそうです〜依頼主さんも西にいるはずなので話を聞いてみてください〜」
「ありがとう。それじゃ行ってくる」
クエストが無事受注できたので目撃情報を元に街の西へと向かおう。
「でも妖精竜かぁ・・・アタシちょっとやりにくいなぁ・・・」
「じゃぁついて来なければ良かったでしょ?」
「それはそれ」
「何かあったのか?」
受付の男性も言っていたが珍しいと言っていた。無関係ではなさそうだけど。
「妖精竜って基本的に妖精種が従えてることが多いの。たまにはぐれは居るんだけど、それにしたって人前に姿は見せないことが多い。だから多分悪さをしているのは妖精に使役されている個体の可能性が高いんだ」
なるほど、つまり妖精竜の討伐はそのまま妖精の討伐になる可能性もあるってことか。だからレイレイは殺りにくいと言ったってことか。
「ねえバカ師匠?どうして妖精が一緒だと問題なの?」
「妖精種はモンスターでもあるが、同時に知的生命体、つまりNPCだ。悪事を働いた以上は罰を与えないといけないけど、それも依頼主・・・つまり人間の都合だ。彼らにも彼らの都合がある。一言に悪とは言えないんだ」
「それもあるけど妖精種は貴重な情報を持っていることが多いから友好的にしておきたいっていうのがアタシとしては大きいの」
「ふーん・・・レイレイ姉ちゃんも大変なんだね」
情報屋はやっぱりそういう所も色々気を使わないといけないからな。
とりあえず依頼主のところに向かおう。確か街の南西にいるって言っていたはずだ。
―――――◇―――――
「すみません。この辺にクットさんという方がいらっしゃると聞いたんですが?」
「クット?それならこの先をまっすぐ進んだところの農園にいるはずだよ」
「ありがとうございます。あぁ、それともう一つ。クットさんについてなんですがどんな方でしょうか?」
「どんな人かって?そうだねぇ・・・」
歩くこと三十分、様々な人に話を聞きながら、町外れにある依頼主であるクットさんの農園が見えてきた。
聞いた話によると特に変な噂はなく、裏がありそうな様子もない。単純に農園を荒らされたから討伐して欲しいだけなのかもしれない。
「師匠って結構変なところあるよね」
「そうか?」
「だって普通討伐クエストって受けてターゲット倒したらクリアでしょ?」
「普通はそうなんだろうけど、癖なんだ」
「あ、それ私もわかるかも」
「アタシも、なんていうかアレなんだよね。『剣聖物語』でもそうだけど、たまに自分の邪魔をされたら嫌だから、邪魔者の始末させるためにクエスト出す人とか、原因自分なのにあたかも相手に原因があるように偽装して依頼出す人とかいたもんね」
「なるほどのう。文面だけでは判断できんというわけか」
「うーん・・・考えすぎだと思うんだけど・・・・まぁバカ師匠だしそういうものだって思っとくよ」
納得はしたけど実行はしないって感じの返事だ。まぁそれが普通なんだけどな。なんというか軽率にクエスト受けてクリアしちゃうととんでもない陰謀の片棒担がされてたりする時があったから気になっちまうんだよ。
そんな会話をしながら歩いているとようやく目的地と思われる農園が見えてきた。随分大きな農園で小さい小学校のグラウンド程度には広いんじゃんだろうか。
ちょうど畑仕事中の人がいたので声をかけてみるとクットさんは現在出かけているらしい。なんでも卸先の店と今回被害にあった作物に関してトラブルがあったらしい。
しばらくすれば戻ってくるとのことだったので、少し待たせてもらうことにした。その時のレイレイの表情はこの世の地獄でも見ているかのようだった。
あぁ、確かに農園に虫は付き物だしな。
―――――◇―――――
「・・・・師匠、この農園なんじゃがその・・・」
朝の市場で買ってきた果物にかぶりつきながら、依頼主の帰りを待っているのだが、ギンの鼻がヒクヒク動きながら口を開いた。因みに左腕にピシッと掴まり固まるレイレイは既に発狂寸前だ。と言うか俺に蹲り必死に声を殺している。ホント羽虫ダメだなお前。
「ギン、何か気になることがあるんか?」
「いや、気のせいじゃろう・・・」
「言ってくれ。なんでもいい」
「・・・・気のせいかもしれんがの・・・」
「みなさーん!!クットさんがお戻りになられましたー!!!」
ちょっとタイミングが悪い。
こちらにやって来たのは、THE農家という感じの気前が良さそうな初老の男性。青いツナギに白いシャツ。よくテレビ番組で出てくる〇〇の達人的な紹介で出てくる人みたいだ。
「どうもこんにちは、依頼したクットです。皆さんが依頼を受けてくれるとか」
「初めまして、今回依頼を受けさせてもらったクラン『剣星』のアールといいます。妖精竜の討伐依頼ということで詳しい話を伺いたいと思いまして」
「そうでしたか。勿論お話させていただきますとも、実は前々から妖精竜がウチの畑に来るようになったのです。初めは端の方の作物を持って行かれた程度だったので放置してたのですが、最近になってウチの者を襲ったり、やってきては畑を荒らすようになったんです。つい昨日も襲われてうちの人間が怪我をした上に畑も襲われて大変なんです。」
聞いた限りは特に変なところはない。端の方を奪って食べていたのを見逃してたらだんだん図々しくなってきた。それで従業員にも被害が出始めたからどうにかして欲しいと。
確かに畑の一部が荒らされており襲われた人のものと思われる血のような何かが周辺の葉に付着もしている。嘘もついていないようだ。
「因みに妖精竜がこの農園に来るような何かがあったとか、もしくは来る原因について何か心当たりは?」
「特には思い当たりませんねぇ・・・龍種に手を出して怪我なんてしたくないですし・・」
一瞬だけど瞼がひくついた。何か隠していそうな気がしないでもない。もう少し探りを入れてみるか。
「これくらいでよろしいでしょうか?私共もこれ以上の被害を受けると商売にならないんですわ」
「もう幾つか質問があります。農園の土か肥料に何か特別なものを使っていたりはしていませんか?」
「それは秘密というやつですよ。教えちゃうと他の商売敵に広まってウチの物が売れなくなっちゃいますから」
「つまり使っていると。そう思っていいでしょうか?」
「あんた・・・何か私らを疑ってるので?」
「いえいえ、一度討伐しても二度三度来られてはクットさんも大変でしょう、出来ることならその元から何とか解決したいと思いまして」
「そうでしたか・・・いやはや気遣いはありがたい。疑ってしまって申し訳ない。でもきっと大丈夫でしょう。あの妖精竜を討伐すればウチの農園に手を出そうとするモンスターはきっと減りますよ。それじゃぁ皆さん。すみませんが妖精竜の狩猟、よろしくお願いします」
「もう一ついいですか?」
「はい?」
「襲われた方からもお話を聞かせてはもらえませんか?何か討伐のためのヒントが欲しいんですが?」
一応襲われた人にも詳しい話を聞いておきたい。その特徴などから特定して違う個体を討伐してしまえば逆鱗に触れてしまいより被害が増える可能性だってある。
確実に犯行個体を倒さなければいけない。
「・・・・・すみません。怪我をしたときの影響なのか寝込んでいるのです。皆さんには申し訳ないですがそっとしてやってくれませんか?」
「そうでしたか、それはすみません。では他にその場に居合わせた方は誰かいませんか?なんでも良いので情報が欲しいんです」
「襲われたときには彼は一人で見回り中でしたので、他の者も襲われたときの叫び声を聞いてから駆けつけたのですが、その時は既に畑から離れていまして・・・お力になれないかと・・・」
「ではなぜ妖精竜が畑を襲ったと断言できるのですか?」
「流石に離れていても妖精竜の姿はわかりますよ。放置はしてましたけど、うちの畑で作物を食べていたんです。見覚えがあるに決まっているじゃないですか?」
なんだろう。何故だか疑ってしまう。なんというか全く信じられないのだ。大事な従業員が襲われて、しかも作物に被害まで出ている。それなのにこの男は”今”を見ていない。その先を見ているのだ。
―――――◇―――――
農園からさらに南西に進むと龍種が生息する林があるという。妖精竜はそこから来るとのことなので俺たちはそこに向かっている。
「ねぇアール。アタシ一つだけ気になってることがあるの」
その道中、レイレイが口を開いた。
「妖精竜は普通人の前に現れたりはしない。たまに食べ物目当てで来ることはあるけどね?でもその為に人を襲うことはないはずなんだ。なにか目的があるなら別だけど」
ギルドで依頼を紹介してもらった時も職員のおじさんが『珍しい』って言っていたこともある。それに色々知っているレイレイが疑問に思ったことだ。何かありそうだ。
「ギン、あの農園で気になったことってなんだ?」
あのクットさんに関しても悪意は感じられない。でもなんというか話してみる限り妙に何か引っかかる。でもこれを解決するにはまだ手札が足りない。一つ一つ解決していくしかなさそうだ。
「あの農園から灰の匂いがしたのじゃ」
「灰?それくらいなら別に不思議じゃないんじゃない?」
「???ねぇリーク姉ちゃん、なんで不思議じゃないの?」
レイレイの言うとおりだ。肥料に灰を使うことはある。別に不思議ではない。詳しいことはあんまり覚えてないけど。
「灰にはミネラルとかの野菜を育てるのに必要な成分が含まれているの、他にも微生物の働きを活発にしたり病原菌の抑制にもなるから野菜栽培とかにはよく使われるの」
現代では肥料などが昔よりもより良いものに改良されているので趣味で家庭菜園などをする時にはあまり見ないかもしれない。だがこの世界ではそんな万能肥料なんてある訳じゃないので別に普通だろう。
「なんだ。じゃぁギンがなんにも知らなくて気になっただけだったんだ」
「・・・・」
「怒るなギン。ルークも調子に乗るな」
「・・・・のじゃ・・・」
「・・・・ごめんなさい」
まったく、年の近い姉弟かよ。それだけ仲がいいってことではあるんだけどさ。
「それでギン?灰について気になったのはそのことか?」
「それもあったのじゃが・・・リークよ、その灰はどんな灰でも良いのか?」
「私も専攻してた訳じゃないから一般知識としてだけしか知らないの。でも多分灰ならなんでもいいんじゃないかな?」
「・・・そうか・・・師匠、あの者の畑が狙われる理由がわかった気がするのじゃ」
「言ってくれ」
「おそらくじゃが、あの農園で妾が感じたのは龍種が燃えた時の匂いじゃ。あの畑ではおそらく龍種の灰を肥料に使っておる。畑を襲っているのはその竜の番、それか仲間じゃろう」
俺らの考えが正しければ今畑を襲っているのは仲間を殺された敵ってことか?理由としては十分だ。
なんというかよくある襲撃理由としてはありきたりだが、復讐の理由としては十分だ。
「これも食物連鎖の宿命かね」
『思いついたこと、見たい場面があるけど感想に書くところじゃないかもしれない・・・あの野郎(作者)に伝えるには一体どうしたら・・・!!』
と思う人、メッセージください。メッセージなら私以外には見られませんので皆さんの考える設定とかそういうのを感想に書きにくい方はどうぞ。
採用するか、反映できるかは確約しませんが、参考にはさせてもらいます。あくまでも私の書きたいものを書いているだけなのでその点だけはご了承ください。
まぁ大体使わせてもらうんですけどね・・・・




