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FreeStar〜短編集〜  作者: 楽俊
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久しぶりの再会

駅の改札を抜けると大きな時計の下で楓さんが待っていてくれた。

橙色のブランケットを羽織り、緑色のセーター、灰色の丈が長めのロングスカートを履いていた。


「お久しぶりね、小枝ちゃん! 遠かったでしょ」


「いえ、電車に乗るの好きなので、全然平気でしたよ! ほんとに、また会えて嬉しいです‼」


「駅から、まだかかるのだけど、どこか寄っていく? お昼は食べたの?」


「さっき、紅葉を見ながらスイートポテトとモンブラン食べちゃいました」


 このあと会うのにご飯を食べるのはどうかと思ったが、いつもごちそうになってしまうのは、さすがに悪い気がして先に食べておいたのだ。今日は一泊させてもらうので、これ以上甘えさせてもらうのは、なんだか気が引けていた。


「あら、そういえば、さっき写真送ってきてくれてたわね。紅葉はどうだった?」


「すごくきれいでした! あたり一面紅葉色で、観光地だと人で混みあってるんですけど一人でのんびりできて贅沢でした」


「そう、それはよかった。私の旦那の秘密の場所だったんだよ。よく紅葉と一緒に野鳥を撮りに行ってたよ」


 楓さんは、懐かしそうに目を細めて言った。


「ツグミ? 初めて聞きます」


「スズメより少し大きな鳥だね。木の実を加えてる姿なんて、とても可愛らしかったよ。市街地でもよく見かけるから、今度探してみるといい」


「へぇ~、今度探してみます。楓さん、鳥にも詳しいんですね」


「別に詳しくはないさ。旦那が写真を取るのが好きでね。よく撮った写真を見せながら話していたから、覚えてしまったのよ。あの人ったら、年寄りの癖に好奇心旺盛で写真を撮るときは子供みたいな人だったのよ」 


「なんか、そういうのっていいですね! そこまで、夢中になれる趣味があるのは憧れます」


「ただの物好きだっただけよ。この町に引っ越してきたのも、あの人がきっかけだったのよ」


「あ、そうなんですか!? てっきり、この町で生まれ育ったのかと」


「こう見えても都会生まれなのよ。年をとってから生活を変えるのは、なにかと大変かと思ったけれど、案外なんとかなるものよ。この年でも、新しい発見があることに気づけて毎日ワクワクしているくらい」


「あ、なんだか、楓さん見てると伝わってきます」


「あら、そう? それは、小枝さんみたいな若いお友達ができたおかげかもしれないわね。立ち話もなんだから、少し買い物をしてから家に向かおうかしら」


 そう言って、私と楓さんは駅のロータリーを抜けるとすぐ近くにある小さな商店街に足を向けるのだった。

 いつも、お読みいただきありがとうございます! 来週からは、金、土、日の投稿に切り替えていきたいと思います。一話1000文字くらいでのんびりと書いていきますが、お楽しみいただけたら幸いです!

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