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マガイモノと悪いモノ said蒼太

みんなが集まって今後のことを話し合ってる。


でも、僕はその輪に加われなかった。


僕、なんであんな酷いこと言っちゃったんだろう。

モモちゃんのお母さんが死んでるなんて…どうしてそう思ったのかな。


ツキンと胸が痛んだ。


何か大切なことがあった気がする。


一緒に寝てる?

誰?

僕を優しい目で見てる?


「蒼太」


考え込んでいたら剛ちゃんが来た。


「どうした?モモに悪いモノが憑いてるって言われたことを気にしてるのか?」


あ、そういえば言われたんだった。

もう親衛隊のところに行かない方がいいのかな。


「蒼太?」

「あ、うん。なんか頭がぼーってしてるんだ」

「大丈夫か?」


剛ちゃんの手が額に触れた。

ひんやりして気持ちいい。


「少し熱っぽいか?部屋で休むなら送るぞ」

「大丈夫、ここにいたいから」

「そうか。辛くなったら言えよ」

「ありがと」

「なぁ、さっきはなんであんなこと言い出したんだ?」

「ん?」

「モモの母親のこと」

「よくわからない。なぜかあの時はそう思ったみたい」

「悪いモノの影響か?」

「どうなのかな。ただ…、モモちゃんに否定された時、何かが胸の(ここ)から消えた感じがした。それが悪いモノだったのかも」

「そうか…」


剛ちゃんは難しい顔をした。


「もう、親衛隊のところには行かない方がいいのかもしれないな」

「うん。僕もそう思う」

「俊輔にも言っておくか」

「俊ちゃんも行ってたの?」

「あぁ、そう聞いてる」

「そっか、僕だけじゃなかったんだ」


モモちゃんたちの方へ目をやると、悠貴くんがなんだか怒ってる。


「なんで俺が!」

「えー、だって他に適任いないじゃんー」

「そうですよ、私たちじゃ警戒されるだけです」

「ねぇ、ホントに会長のことリコールできるの?」

「モモの言うマガイモノだという証拠が見つかればなんとかなるかもしれません」


会長をリコールするの?

そんなことしてもいいのかな。

仕事サボってるの僕らの方なのに。


「剛ちゃん、会長リコールしちゃってもいいのかな?」

「モモのことを考えて楡崎を排除する方向になったみたいだな。できるかどうかは微妙だが」

「そうだよね。仕事サボってるの僕らだし、会長一回倒れちゃってるし」

「悠貴もそれがわかってるから反対しているようだな」


僕らが見てたら、


「そこの2人!こっちに来て話し合いに参加しなさい!」


綾ちゃんに叱られた。


顔を見合わせてお互いに苦笑して、話し合いに参加することにした。



「リコールは無理だ」

「でも会長はマガイモノなんだよ!」

「だから、それだよ。楡崎はモモの言うマガイモノ?なのかもしれない。だがな、そうだとしても具体的な被害なんて出てないだろう?」

「でも、マガイモノは危険なんだ。そいつがいるだけで悪いモノが広がっていく」

「そもそも、そのマガイモノ?悪いモノ?それってなんなんだ?」


悠貴くんがモモちゃんに詰め寄ってた。

モモちゃんちょっと怯えてる。


「深山、やめてください。モモが怯えています」


綾ちゃんがモモちゃんを庇うように抱きしめた。


「すまん。だが、何もわからないままなのが気に入らないんだ。モモ、説明してくれるか?」


悠貴くん謝ると、声のトーンを落として優しくモモちゃんに聞いた。


「マガイモノは魔と害悪を振り撒く者なんだ。だから魔害者。悪いモノはそいつが撒き散らしたモノ。悪いモノに憑かれると、負の感情、憎しみや嫉み嫉みが多くなっていって、凶暴になったり自殺したりすることがある。俺が前にいた学園でもマガイモノが出て、襲われかけた」


ギョッとした。


『モモ?!』

『モモちゃん?!』


みんなが一斉に声をかけたらモモちゃんはニコッと笑ってから大丈夫だよって言って続きを話してくれた。


「友人の婚約者が悪いモノに憑かれて俺のことナイフで刺そうとしたんだ。俺は友人が助けてくれたんだけど、その婚約者と、婚約者に片想いしてた幼馴染みが無理心中。マガイモノはその幼馴染みだったらしい。幼馴染みは滅多刺しになりながら婚約者を抱きしめてて、婚約者は自分で首を刺して死んでたって噂で聞いたよ」

「その話、聞いたことがあるな」

「いいんちょー知ってるの?俺知らないけど…」

「あぁ、詳しいことは聞いてないがうちと同系列学園の校舎内で殺傷事件があったって風紀に通達があった」

「生徒会にも通達はありましたが、会長と私と剛志の3人で止めました」

「あぁ、楡崎が俊輔や染井の双子にはキツイだろうから話すなって」


うん、キツイ。

同年代がそんな凄惨な事件の当事者だって思うだけで怖くなる。

碧も俊ちゃんも顔色悪くなってるし。

結局知ることになっちゃったけど。


「その学園、俺の父さんが理事長してるところだったんだけど、俺が初等部高学年になる頃かな、その頃から荒れはじめてさ。中等部なんか酷かったよ。虐めとか凄かった。俺は友人に恵まれてて被害とかなかったんだけど、隣のクラスでは登校拒否とか出ちゃって大変だったみたい。それもきっとマガイモノのせいだったんだ。友和叔父さんがそんなところに俺を置いておけないって言って事件のあと強制的に転校させられたからその後の事はあまり知らないけど、今は落ち着いてきてるらしい」


そこでモモちゃんはギュッと拳を握った。


「俺、あの時は何もできなかった。だから今度は絶対にみんなを守ろうって思ってるんだ」


僕らをぐるっと見ると、


「お願いだ、俺に力を貸してくれ」


そう言ってモモちゃんは頭を下げた。


「悠貴には迷惑かけるけど、この中で一番心が強いのは悠貴と剛志の2人だと思うんだ。でも剛志は生徒会役員で無理だから…だから悠貴、お願い」


モモちゃんは目を潤ませて悠貴くんを見上げた。


「くっそ…仕方ねぇ、やるよ」


悠貴くんはガシガシと髪をかき上げてからそう言った。


「あぁもう、どうしろと…。大島がイイ笑顔で罵ってきそうだ。あいつああ見えてしつこいし怖ぇんだよなぁ」


悠貴くん、頭抱えてブツブツと愚痴ってる。



はじめの方の相談に参加していなかったから何をするのかわからないけど、悠貴くんがんばれ?



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