⑵ ここでの生活
朝を迎えた。
全員で1階の中央に設置したテーブルに着き、朝食を頂いた。
しかし……会話が無い。
B子さんが言った。
「みなさん、元気ないですね、どうしたんですか?」
CMさんが答えた。
「いやー疲れがたまっているのかなぁ」
……はい。みなさん、そのようです。
アノンさんが提案した。
「ここには沢山の家が建っていますから、今までのように、各自別々の家で生活しませんか?」
C子さんも言った
「合宿してるみたいで楽しいですが、この広いフロアは、これからの寒さに厳しいかなーと」
……やはり、3階の皆さんも、昨日の悩ましい声に眠れなかったようだ。
B子さんが言った。
「そうですね。暖房が使えませんから、狭い部屋の方が寒くないですよね」
という事で、各自、良さそうな家を選び、そこに住む事にした。
尚、私たちはこのスーパーを『本部』と呼び、打ち合わせの場として利用する事にした。
そこで、このスーパーから近い家をみんなは選んだ。
詩織は、私と一緒がいいとの事で……まあ、寝る部屋が別であれば……と私は自分に言い訳した。
私と詩織、BMさんとB子さん、CMさん、C子さん、アノンさんで、5軒の家を使わせてもらう事にした。
私と詩織が選んだ家は真新しい家で、部屋の造りは4LDK。
部屋の中を確認した。
ベッドに敷かれている布団は半年近く敷かれたままである。
ベランダに出して広げて干した。
そして、スーパーで昨日使った布団を持ってきて敷いた。
今までの小屋と違って隙間風が入って来ない。
部屋の空気が人の体温で暖められる。
これならなんとか冬を越せそうだ。
・・・・・・
各自、自分が選んだ家で寝る。
日中は、全員スーパーの本部に集まり、1階のテーブルで食事し、打ち合わせ等を行う。
私は、いつものように本部へ向かった。
詩織は朝食の食材を選ぶ為、私より先に向かったのだが、本部に着いたが誰もいない。
上の階から「キャッ、キャッ」といった声が聞こえてきた。
2階へ上がると、女性4人が集まっている。
照明がつかない室内は窓からの光だけで、そんな薄暗い中、彼女たちは騒いでる。
衣類コーナーで服を選んでいるようだ。
これはこれで、なかなか出来ない体験である。
好きな服を好きなだけ、お持ち帰り……いや、拝借する。
詩織はみんなから、服を選んでもらっている。
それはそれで、楽しそうだ。
・・・・・・
朝のミーティングで、シェルターへ戻る前のこの2週間で、確認すべき事を話し合った。
シェルターで冬を越し、ここへ来てから農作物を育てる。
畑に種をまく時期を整理した。
4月:ナス、トマト、ジャガイモ
5月:カボチャ、トウモロコシ
6月:サツマイモ
7月:キャベツ
8月:にんじん、ダイコン
9月:タマネギ
次に畑についてだが、この町に建てられた多くの家は、広い庭を持っている。
この沢山ある庭を、畑として利用させてもらう事にした。
まずは1つの庭で、畑を作る事にした。
障害となるものを移動する。
そして、スーパーの雑貨売り場にあった農機具を借用し、土を耕す。
以前、私たちが住む小屋の近くで畑を作った。
地面としての土を耕すのに比べると、庭を畑にする作業は楽だった。
しかし、種を植えてから収穫出来るまで、食い繋がなければならない。
スーパーの保存食料は、非常時の為に出来るだけ取っておきたい。
川魚と山菜の収穫で、どの程度賄う事が出来るか。
そこで、ここでの大まかな収穫量を掴む必要があると判断した。
この町へ来た時の道を遡り、森林地帯へ入る。
そこに生えている山菜や木の実の収穫量を調べた。
次に、この町を横断する小川を調べ、漁に適したポイントを探した。
そして、網を使ってどの程度の収穫量が見込めるのか、体験して調べた。
次回:知恵と工夫




