⑶ 緊急会議
この小屋は、ここを所有していた人も、冬の間は利用していなかったように見える。
雪が降り始める前に、生活の拠点を、再び移さなければならない。
全員が同意した。
では、何処へ移すか。
ここで、2つの案が上がった。
1つは、冬の間だけシェルターへ戻り、気候が穏やかになったら、またここへ戻る。
1年のうち、4ヵ月間だけシェルターを利用する考えである。
しかし、シェルターを稼働させるエネルギーは、いずれなくなる。
恒久的な解決案ではない。
そして2つめの案は、冬を越す事の出来る住処を探しに行くという案である。
人は、水を求め、川沿いに集まり、そこで人々は生活を始める。
よって、この小川の下流へ向かえば、集落があるかもしれない。
この小川は、南に向かって流れている。
しかし川幅が狭い為、上空写真では小川を辿れない。
何処へ向かっているのか解らない。
その上で、我々は下流を目指す。
シェルターからここへ来た時、3日分の水と食料を持ってきた。
しかし、川沿いに進むのであれば、水を持って行く必要は無い。
ここへ持ってきた機材と、コンビニからの携帯食料を持って下流へ向かう。
川魚を捕り、食料にしながら進めるだけ進む。
そして、この小川が終わっていたら、この計画は失敗とし、この小屋へ引き返す。
尚、川に沿って進んで行く為、川に沿って引き返せば、確実にここへ戻る事が出来る。
そんな計画である。
さて、どうしたものか。
私は発言した。
「この2つの案、どちらか一方しか選べないという訳ではないのですから、まずは『下流に向けて集落を探す』無かったら『シェルターへ向かう』で、良いのではないでしょうか?」
それに対してC子さんが発言した。
「仮に、下流の先で集落を見つける事が出来たとしても、ここと同様、人が居ない可能性があります。私たちは、そこで自給しなければなりません。しかし、秋から冬に向かう今の時期に植えられる作物はありません。ですので、集落を探しに行くにしても、ここは一旦シェルターへ戻り、冬を越してから行動を起こすべきではないでしょうか」
それに対してアノンさんが発言した。
「いえ、仮定の上で話しを進めるのは危険です。幸い私たちには冬を迎えるまで時間があります。川の下流の先に集落があるのか、まずは確認すべきではないでしょうか」
たしかにそうだ。
そもそも下流の先に、集落などないかもしれない。
しばらく話し合いが続いた。
その結果『正しい現実を、早い段階で掴んでおく必要がある』との考えから、下流の先を確認しに行く事となった。
・・・・・・
現在、時期的には秋。
時間があるといっても、あまりゆっくりしていられない。
明日1日掛けて準備を行い、明後日、出発する事となった。
シェルターからここへ持ってきた耕す道具等の重い物は、ここへ置いて行く。
なるべく軽量に、必要最低限の持ち物を確認した。
そして出発当日、天候は晴れ。
私たちは荷物を背負い、登山靴を履いて、下流の先を目指して出発した。
次回:(第13章 終話)下流の先へ




