小話49 赤魔道士のリタイア~賢者グレース~
○ 小話44 赤魔道士のリタイアの、グレース視点です。
私グレースは焦っていた。
モコが上級ジョブの魔剣士に、ヴァイオレッタも上級ジョブの精霊魔法使いにクラスチェンジしたのだ。
私だけが置いてきぼり••••••。
そんな私に、セオさんが、こっそりアドバイスをしてくれた。
「神聖魔法を使えるようになる裏技があるんだが••••••聞きたいか?」
私は驚愕した。
そんな話、聞いたことない。
私は半信半疑でセオさんの話を聞いた。
「フォーセリアでは人神の力が弱まっている。そこで人と親和性の高い『神々の母竜』という竜神さまに祈りを捧げるんだ」
ちょっと祈り方にコツがいるがな。
とても信じられない話だった。
でも藁をも掴む気持ちで、私はその方法を聞いて、実践したのだった。
まずセオさんから聖別された聖印をもらって、常に身につけて、頻繁に祈りを捧げる。
とにかく祈りの数をこなす。
神々の母竜は歓びの竜神だから、嬉しい時に必ず祈る。
祈りの後に必ず、
「神々の母竜さま、お助け頂きまして、ありがとうございます」
と言ってしめること。
「すでに助けてもらったことにしておくことと、感謝の気持ちで締めくくるのが、重要なポイントだ」
そう言って笑うセオさんの言葉は、本当に信じられないような話だった。
でも••••••。
私にとっては、惚れた男の言葉。
たとえ嘘だろうと本当だろうと、信じないという選択肢はなかった。
私がセオさんの言葉を信じ、祈りを実践して1年が経った頃。
私の魂が、なにかに繋がった気がして、試しに神聖魔法を使ってみた。
効果は劇的だった。
私の目の前で、聖なる光が迸ったのだ。
私以外にも、クランでセオさんの話を実践していた数名が、私と同じく神聖魔法に目覚めた。
私は魔法と神聖魔法の両方が使えるようになり、条件を満たして上級ジョブの賢者にクラスチェンジしたのだった。
ホント、セオさんって、何者だろう?
すごい、すごい、すごいっ!




