小話48 赤魔道士のリタイア~モコ~
○ 小話44 赤魔道士のリタイアの、モコ視点です。
「剣士の私に魔力操作なんて必要なのかな?」
ここは冒険者ギルドの修練場。
冒険者として下積みを終えても、こうしてセオさんに指導してもらえている。
セオさんは、いつもニコニコしている。
いつも上機嫌。
そのセオさんに、みんな、魔力操作を学んでいる。
でも私は剣士だ。
魔法は使わない。
だから魔力操作なんて必要ないハズだった。
そんな私の疑問にセオさんは笑って答えてくれた。
「確かに、普通の、剣士は魔法を使わない」
ん?
普通の?
セオさんは、少し引っ掛かる言い方をした。
「だが、一流の剣士••••••特に女剣士は魔力を使って身体を強化する」
身体強化?!
「一般的に男よりも女の方が魔力が強くて大きい。それを身体強化に使えば、あらゆる点で男よりも女の方が強くなる」
っ!
私は驚きで目を見開いた。
男よりも女の方が強くなる?!
まるで夢のような話だった。
「どうすればいいの!?」
喜び勇んでセオさんに詰め寄る。
「自分の身体中に魔力を循環させるんだ」
そう言ってセオさんは、私の手を取って、私の身体に魔力を流して見せてくれた。
「最初は俺が魔力を流して見せる。コツを掴めよ」
「うんっ。セオさんっ、手取り足取り、ご指導願いますっ。デヘヘ••••••」
私はあまりにも嬉しくて、思わずデレデレと笑ってしまった。
するとセオさんが、
「こら、女の子がデヘヘなんて笑うな」
と言って私に注意した。
私はショックを受けて、泣きそうになってセオさんに聞いた。
「セオさんは、デヘヘって笑う女の子は嫌い?」
セオさんは私の泣きそうな表情を見て、一瞬、しまったという顔をして、即座にフォローしてくれた。
「俺はモコが可愛いから好きだよ」
そう言って笑ってくれたのだ。
私は一瞬で天にも昇る気持ちになった。
可愛い?
好き?
私が?!
私は嬉し過ぎて、またしてもデヘヘって、だらしなく笑ってしまったのだった。
こうして私は自分の身体に魔力を流す訓練を始めた。
時間はかかったけど、なんとか身体強化を使えるようになって、私は男よりも強くなり、一流冒険者に仲間入りすることが出来た。
喜びの報告をセオさんにした時、驚きの話をセオさんから聞いた。
「身体強化には先があるのだが••••••知りたいか?」
私は1も2もなくセオさんの話に飛び付いた。
ギルドの修練場に場所を移し、セオさんの教えを受ける。
「自分の身体に魔力を循環させる要領で、自分の武器にも魔力を流すんだ」
私は驚いた。
そんなことが出来るなんて、夢にも思わなかった。
当然、武器に魔力を流すことは出来なかった。
でもセオさんのサポートと、何日も何日も根気よく訓練した結果ーーーー。
「出来たーっ!」
自分の武器に魔力を流すことが出来るようになった。
武器の攻撃力は何倍にもなり、また強化され耐久力が格段に上がった。
セオさんが思いっきり私を誉めてくれた。
なのにーーーー、
「まだ先があるのだが••••••、聞きたいか?」
私は、またしても驚いた。
これゴールなんてあるの?!
私は根性でセオさんの教えを受けた。
そして私は、魔力を流した剣から、炎や氷、水や土、風や雷、果ては光まで、あらゆる属性の魔法を発することが出来るようになった。
こうして私は剣士から魔剣士にクラスチェンジした。
私は一流を超えて、英雄に届くほどの力を得たのだった。
セオさんって、何者だろう? すごいっ!
私はまたしてもセオさんに惚れ直したのだった。




