第20話 AI兵が見守る
ブルドーザの後ろに関元曹長と河野上等兵、軍用トラックの下には福原軍曹と大宮上等兵が隠れている。
米軍の補給テントの入口に早坂AI兵と佐々木AI兵が立っている。
二基のAI兵は三人を見て優しく笑った。
三人は驚き、
「あッ! あそこに中隊長と佐々木准尉が居るぞ」
早坂AI兵は関元曹長達三名を指差し、手招きをする。
関元曹長が小声で、
「オイ、俺達を呼んでる。俺が先に行く。キサマ等は俺が向こうで呼んだら来い」
二人が小声で、
「はい」
中腰で補給テントに走る関元曹長。
関元曹長が暫くして、テントの中から顔を出す。
河野上等兵達に手招きをする。
二人が周囲を確認しテントに走る。
テントの中に飛び込んで行く。
テントの中は「食料」や十字の書かれた「医療用品」が山積みされている。
四人は焦りながら、有りったけのモノを近くの麻のコーヒー袋に詰め込んでゆく。
福原軍曹が小声で、
「中隊長殿が居りましたね」
関元曹長が、
「仏様だ。俺達を見守ってる」
福原軍曹が、
「幽霊がねえ。・・・有り難い事なのかなあ」
関元曹長、
「うん? うん。おい、急げ! 早く詰めろ」
福原軍曹、
「はい」
「そこの『救急箱』も忘れるなよ」
大宮上等兵が、
「あッ、はい」
箱の上には懐中電灯・小刀と米軍の鉄帽が置いてある。
関元曹長がそれを見て、
「そこの懐中電灯と小刀、『鉄帽』も持って行け」
河野上等兵、
「はい」
関元曹長と河野上等兵、大宮上等兵が米軍の鉄帽を被る。
大宮上等兵が、
「デカイですなあ」
関元曹長、
「良いから急げ! よし、戻るぞ」
福原軍曹が、
「ヨッシャッ!」
大宮上等兵は軍服の両ポケットに散らばったイワシの缶詰めを押し込む。
関元曹長がテントから顔を出し周囲を確認する。
早坂AI兵が椰子の木陰から関元曹長に手招きをする。
関元曹長はそれを見て早坂AI兵の姿に合掌する。
そして、
「よし、今だッ! 行くぞ」
最後の力を振り絞って走って行く関元曹長達。
関元曹長と河野上等兵と大宮上等兵の三人の被った鉄帽が異常に大きい。
続く




