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066⚫️’ラプラス’を使って & 067⚫️天災は避けられなくとも

066⚫️’ラプラス’を使って


ーマイロード、やはり近づいています。

ーうむ。これは直撃だな。

ーはい。半球は徐々に脅威に晒されていきます。’ラプラス’は半球の絶滅から、惑星上の全ての領域が生存不可能になる、と分析しています。

ー最初の到達時間と地点を正確に算出してくれ、ソフィア。同時に最終的な生存限界時間も頼む。

ー畏まりました。



067⚫️天災は避けられなくとも


自治体の研修室には、各校から集められた老若男女の教員がひしめいていた。

コンピュータ義務研修。慣れない機械を前に、会場は奇妙な混乱に包まれている。

「コンピュータを立ち上げて」という講師の指示に、

文字通り席から立ち上がる者。

「環境設定を変える」という画面の文字を見て、律儀に窓を開けに行く者。

拾ったフロッピーディスクをホワイトボードに磁石で貼り付ける者。

’なんだかなあ・・・。’

彼はその光景を、どこか遠い国の出来事のように眺めていた。


昼休み。手弁当を平らげた彼は、自席で「年金」の月刊誌を広げた。

昼食から戻った見知らぬ年配教員が、怪訝そうな顔で声をかける。

「おいおい、そんなに若いのに年金か? 早すぎるんじゃないのかね。」

彼は曖昧な笑みで受け流したが、思考は止まらない。


天災はいつ来るか分からない。

だが、自分が確実に老いていくことだけは決まっている。

好景気が永遠に続く保証など、どこにもない。

制度が、支給額が、未来が、不透明な霧に包まれているのだから。

彼の「臆病な悲観主義」は、

未来の自分を守るための、静かな備えを模索し始めていた。


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