017⚫️強力なサーブ
バレーボール。
ネットを挟んで対峙するこの競技では、相手との直接の身体接触はまずない。
一度ボールが地に落ちれば、勝負は決まる。
ゆえに、勝つためにはボールを空中に浮かせ続けなければならない。
多くの球技とは一線を画す、均衡のルールだ。
もし、このゲームに’最強のサーブ’が存在したらどうなるか。
ミスをせず、正確無比に相手の弱点を突き、防御不能な速度で変化するボール。
そんな一撃を打ち込み続けられるなら、試合は瞬く間に決着するだろう。
だが、それではもはや’競技’として成立しない。
互いにレシーブし、トスを上げ、ブロックを跳ばし、
クイックやフェイントで裏をかく。
その攻防の火花にこそ、プレイヤーも観客も熱狂するのだから。
しかし、これがスポーツの話ではなく、
実際の戦闘において’最強の一撃’が放たれたらどうなるか。
歴史上、鉄砲が、機関銃が、爆撃機がその役割を担う時があった。
だが、それらは次々と’新兵器’にその場を譲る。
そして、20世紀半ばに’核兵器’が現れる。
互いが全滅する可能性のあるこの兵器を使用しての全面戦争。
その恐怖が’兵器の所有’による、束の間の均衡を生んだ。
だが、もし新たな’最強のサーブ’が開発され、
コートに落ちた瞬間、競技場そのものが崩壊するとしたら?
プレイヤーも観客も、チアリーダーすら巻き込んで消滅するとしたら?
それでも’勝利’のために、そのサーブは放たれるのか。
’サード・アイ’が確立したのは、自らの生存すら否定し、
全人類、全生命、全惑星の破壊をも辞さない’最終’兵器。
メンバーたちはそれをこう呼んだ。
’アルマゲ弾’と・・・。




