Abnormal - 132α - 202(瀬織津姫)
ABN - 132α - 202(瀬織津姫) 権能:ABNの生成および消滅
紫色の髪、十代後半の少女のような外見。ABN - 132α群のなかで唯一初春荘の成立前からA特定されていた異常存在である。※初春荘に住み始めたことを確認して以降、番号を再度振り分けた。
権能については自身の認知する異常存在を現実に生成するもの。加えて本人が生成したものであれば自身の力で消滅させることもできる。ただし本人が自覚することなく生成したケースも確認されたため、必要に応じて本人に認知しているかの確認が必要。
以下の情報についてはクリアランスレベル3以下の閲覧を禁ずる。ただし精霊部門研究員については、主任の承認を得られた場合のみ一時的に閲覧してもよいものとする。
ABN - 132α - 202(瀬織津姫)
タイプ:オルガニズム
彼女はADAの前身組織である陰陽庁の時代から交流がある、正式に特定された神の一柱である。
他のABN - 132αも同様の神性を持っているのか、それとも彼女の権能によって生み出されたものかは調査中。なお、本人は他のABN - 132αと同列に扱うことを要求しているため、神ではなくABN - 132α - 202として扱うこと。
彼女によって顕現及び特定された異常存在については別項:瀬織津姫由来のABNを参照すること。
(追記)新規に発見されたABN - 442 がABN - 132α - 202の生成したものであることを確認。確認後、消滅を確認。以降欠番とする。
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「はぁ……」
榊 凛はノートパソコンを閉じ、深いため息をついた。それと同時に彼女の机にコーヒーの入った紙コップが置かれた。思わず見上げると彼女の同僚の卯木研究員が立っていた。
「榊さん苦労してそうですね。今は初春荘担当でしたっけ?」
「ほんっと大変。コミュニケーション取れるならやりやすいかなと思ってたけどむしろ気を遣うことばっかりだし、神様って気分屋だし」
「瀬織津姫様は相変わらず?」
「相変わらず。あんっなどうしようもないライオン出しておいて、ケロッとした顔で自分の幼馴染ですーって男紹介してきて、本当何考えるのか分からない」
「秋津くんと姫柊さんだっけ、2人も災難だよね」
「姫柊さんは分かんないけど、秋津さんは結構馴染んでるみたいよ。ちび姫さまも献身的に通い妻してるし。それに瀬織津姫の"ひーくん"だったらしくてもう大変よ」
「あぁ、瀬織津姫の初恋だとかなんとか言ってたやつだっけ?」
「そうそう。当の秋津さんが普通っぽいのがまだ救いだけど、神様の間でつな渡りするのを見させられるこっちの身にもなってほしいっての……」
そう言って榊は渡されたコーヒーを一気飲みすると、そのまま机に突っ伏した。卯木はそれをみて困ったように笑った。
「それはもうお疲れ様だね。でも危なかったんだよー」
「なにが?」
「あのライオン、瀬織津姫が出してたわけじゃん?これは独り言なんだけど、もし彼女が消すのを渋ってたら危うく凍結プロトコル行きだったんだって」
「うわー本当?いよいよ上もウンザリしてきたって感じなのかなぁ。というかそれ私に伝えていい情報なの?」
「だから独り言だって」
「わかったわかった、私も何も聞かなかったってことで」
榊は席を立ち、ブラインドを下げて窓の外をのぞき込んだ。――初春荘。あれだけ動きがなかったはずの神々の拠点が突然動き始めた。その中心にはいつもあの秋津 平坂がいる。
「秋津さんもABN番号割り振ったほうが良いのかなぁ」
榊は彼に何が起きたのかを考えながら、ブラインドを閉じた。




