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覚醒者学校の唯一無二の生徒  作者: 霧野夜星


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第八十二話 バフォメット戦

 全員が、アークデーモンがドロップした大きな宝箱の周りに集まり、明日香が宝箱を開ける。


「これは……さっきあいつが使ってた剣ね。それと指輪と魔石か」


 明日香が宝箱から青色の剣と指輪を取り出す。


「これは青竜の剣、こっちは暗黒の指輪だって。アンリちゃん。収納しておいて」

「うん」


 明日香の隣にいたアンリが、青竜の剣と暗黒の指輪と魔石(特大)をアイテムボックスに収納する。


「あと、デーモンナイト達も魔石をドロップしてたでしょ。みんなで集めましょ」


 島の指示で、星斗達はあちこちにちらばっている魔石(大)を五個回収し、それは星斗がアイテムボックスに収納する。その後、彼らは自衛隊の高機動車に戻り、再びモンスターの駆除を続ける。

 それから外周部のモンスターの駆除は三日間続き、全身に雷をまとった獣型Aランクモンスター、ライジュウや、全身に火をまとったトカゲのAランクモンスター、サラマンダーなどの悪魔系以外のモンスターも出現したが、星斗達はそれらを倒し、ライジュウから雷迅斬のスキルブック、サラマンダーから火の指輪を入手した。

 そして外周部のモンスター駆除が終わり、星斗は戦利品の分配で、青竜の剣、雷迅斬のスキルブック、暗黒の指輪、回復アイテム、魔石などを手に入れ、雷迅斬は星斗が習得した。


 青竜の剣    攻+85

 暗黒の指輪   闇属性耐性50%


 雷迅斬

 武器に電撃をまとわせて放つ剣技。

 消費MP 25


 そして四日目は休みなり、星斗達は体を休めて、五日目になる。今日からいよいよ中心部のモンスターの駆除が始まり、そこにつながる道路に、全ギルドと自衛隊が集結していた。


「みなさん。今回の討伐目的のバフォメットですが、偵察ドローンでもどこにいるか発見できませんでした」


 自衛隊員が、集まったギルドマスター達に向けて話している。


「バフォメットは、ダンジョンの中に戻っている可能性が高いです。それで皆さんには、バフォメットがいないうちに、中心部にいるほかのモンスターの駆除をお願いします。偵察ドローンが久我ダンジョンの入り口を見張りますので、バフォメットが現れたら、すぐにみなさんにお知らせします」


 作戦が決まり、討伐部隊は、ライトウィングギルド、ドラゴンファングギルド、ライジンギルド、マッスルギルドとそのほかのギルドの四つの部隊に分かれ、東西南北の四方向から中心部に侵入してモンスターの駆除が開始された。


「やはり中心部の方が強いモンスターが多いですね」


 星斗とライジンギルドのメンバー全員は、複数の高機動車で北側から中心部に侵入して、吸血というスキルを持つ人型の闇属性モンスター、ヴァンパイアや、黒い馬に乗った首のない鎧のモンスター、デュラハンなどのAランクモンスターなどを駆除していく。


「そうね。でもAランク相手なら私達なら倒せるし、バフォメットがいないうちにここのを駆除しちゃいましょう」

「そんなこと言ってたら、バフォメットがここに現れたりして」

「まさか」

「もし出てきたらどうしますか?」


 島と明日香の会話の途中で、星斗がそう尋ねる。


「すぐに逃げましょう。私達だけじゃ、Sランクは無理だし、バフォメットが召喚した強いモンスターとも戦わないといけないしね」

「バフォメットって足が速いイメージはないから、車でなら逃げきれるでしょ」


 成田がそう話した時、彼らが乗っている高機動車を運転している自衛隊員が、無線で連絡を受ける。


「了解しました。ライジンギルドのみなさん! バフォメットが出現しました!」

「あっ!」

「はぁ、バフォメットの話なんかするから」

「私のせいじゃないでしょ。それでバフォメットは久我ダンジョンから出てきたんですか?」

「いえ。ライトウィングギルドが担当している東側に出現しました。現在、ライトウィングギルドのエースパーティが戦闘中で、応援要請を受けました」

「わかりました。その場所に向かってください」


 ライジンギルドの部隊は、急いで東側へ向かって移動を開始する。場面はそのライトウィングギルドのエースパーティが、バフォメットと戦っている場所に変わる。


「ダンジョンの中にいると思ったのに、いきなり現れるとは」

「バフォメットが隠密系のスキルを持ってるとは思わなかったわ」


 ライトウィングギルドのエースパーティの三人は、彼らだけで中心部のモンスターを駆除していたが、その場に頭が羊、体が人の姿で、背中に黒い翼を持つSランクモンスター、バフォメットが出現した。さらにバフォメットは、頭が九つある巨大な毒蛇、ヒュドラ、オーガ族の王、オーガキング、オーク族の王、オークキングの三体を召喚して彼らと戦っていた。


「何なんだ? お前達は? なぜ三人だけで、我らと対等に戦えるんだ?」


 バフォメットは、気配遮断と周囲同化のスキルを使い、中心部に侵入した人間に奇襲をかけるつもりだったが、ライトウィングギルドのエースパーティは、四体のモンスター相手に互角以上に戦っていた。


「予定と違っちゃったけど、どうする?」


 目まで隠れる兜を装備している戦士風の女性が、剣と胸当てを装備している戦士風の男性にそう質問する。


「うん。このまま俺達が倒したら、みんなに経験値を稼いでもらえない。なるべく奴等にダメージを与えないようにしながら、ほかのギルドの人達が来るまで足止めしとこう」

「私達もだいぶ、お人好しよねー。他人のために経験値を残しとくなんて」


 眼鏡をかけてフードを被った魔法使い風の女性がそう話す。


「ほかの人が強くなれば、私達の仕事も減るんだから、文句いわないの。二年前のこと忘れたの?」


 実はライトウィングギルドの十一人のメンバーは、世界中にダンジョンが出現した時、日本各地を巡って、モンスターがあふれそうなダンジョンで、モンスターの駆除をしていた。そのおかげで日本は、世界と比べてモンスター支配地域の数が少なく済んでいた。


「あー。確かにあの時は大変だったわ。しかたないな。ほかの人達にも強くなってもらいますか」


 ライトウィングギルドのエースパーティの三人は、バフォメット達の闇魔法や物理攻撃などの激しい攻撃を高速の動きで回避しながら、時間を稼いでいる。するとこの場所から一番近くにいたライトウィングギルドの浅井達と自衛隊を乗せた高機動車が到着した。


「待たせた! 大丈夫か?」

「今のところ大丈夫だよ。ほかのギルドの人達が応援に来てくれたら反撃しよう」

「わかった。自衛隊のみなさんは離れた場所に移動してください」

「了解しました」


 ライトウィングギルドの残りのメンバー八人が高機動車から降りて、自衛隊を乗せた高機動車がこの場から移動していく。そしてライトウィングギルド全員でバフォメットと三体のモンスターの相手をしていると、最初にライジンギルドを乗せた高機動車の部隊がこの場に到着した。



 次回 新たな召喚 に続く

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