第八十一話 慢心
(暗黒闘気!? 聞いたことないエクストラスキルだ。俺の槍術に上書きコピーしてみるか)
エクストラスキル(10/10)
エクストラスキルコピー(A) 竜麟(A) 空間把握(A)
全能力激化(S) 召喚(A) アイテムボックス(A)
フレスベルグ流魔法剣術(S) 女神ノルンの加護(A)
再生の極意(A) 暗黒闘気(A)
星斗はアークデーモンのエクストラスキル、暗黒闘気を上書きコピーしたが、ステータスウィンドウに表示されているその文字が暗く表示されていた。
(何だ? こんなこと初めてだ。もしかして俺には使えないのか)
星斗が心の中で焦っていると、アークデーモンが目の前まで迫ってくる。
(考えるのは後だ。まずは足止めしないと!)
「くらえ!」
アークデーモンは、空中で右手に黒いオーラをまとわせ、その右手を突き出す。
「ダークファング!」
アークデーモンの右手の黒いオーラが巨大な獣の頭部のような姿になり、漆黒の盾を構えている鈴木に向かって飛んでいく。
「ミラクルガード!」
一方、鈴木は防御した後、HPを回復するスキルを発動し、アークデーモンのダークファングを受け止める。
「よし! この程度なら防げる!」
鈴木は漆黒の盾と鎧の闇属性耐性とミラクルガードのおかけで、アークデーモンの攻撃を余裕をもって防御できた。
(今の技が暗黒闘気の攻撃スキルなのか。俺のスキル欄に何も追加されてないから、やはり俺には使えないエクストラスキルなんだろう)
星斗は精霊の盾を構えながら自分のステータスウィンドウを見ている。今の星斗はアークデーモンから目を離しても、空間把握のおかげでアークデーモンの動きを完全に把握することができた。
「ちっ、ならこれならどうだ!」
アークデーモンは何もない空間から、青色の剣を取り出す。アークデーモンはアイテムボックスのスキルを持っていて、そこから無属性の武器を取り出した。
「これならその盾では防げまい! ハイオーラブレード!」
「くっ!」
アークデーモンが青色の剣を振り上げて、鈴木を狙って強大な魔力の斬撃を放つ。それを見た星斗は、側面からアークデーモンに一瞬で接近し、その魔力の斬撃を雷撃の剣で切り払った。
「ぐっ!」
「本条君、助かったぞ!」
「ちっ!」
星斗に攻撃の邪魔されたアークデーモンは、彼らからいったん距離をとって空中で停止する。
場面はアンリ達と六体のデーモンナイト達との戦いに変わる。まず成田が雷系最上級魔法を発動し、デーモンナイト達を狙ってレーザーのような電撃を放つ。
「ボルトカノン!」
「ギアアアアアアア!」
「ぐああああああ!」
「ラストジャッジメント!」
さらにアンリが光系最上級魔法を放ち、巨大な聖なる光の柱が天から降り注いで、デーモンナイト達を飲み込む。
「ガアアアアアアアア!」
「次は私達の番ね」
「わかってる!」
さらに明日香と島が、残っているデーモンナイト達に接近して攻撃を開始する。
場面は星斗達とアークデーモンとの戦いに戻る。アークデーモンは闇対策をしてない星斗を狙って、ダークファングを放つ。それを彼は高速の動きで回避する。
「ちっ、ちょこまかと!」
星斗は空間把握のおかげで、アークデーモンの攻撃をすべて余裕を持って回避できていた。
(これがAランク上位モンスター? あまり脅威は感じない。俺達だけでも倒せるような……)
星斗は、島からアークデーモンの足止めを指示されていたが、鈴木とゴールドナイトと共に全力で攻撃すれば倒せるのではないかと感じ始め、彼は右手に持つ雷撃の剣を強く握りしめ、氷神飛翔斬を使おうとする。
(いや、駄目だ、駄目だ! 調子に乗っても何もいいことはない!)
星斗はそう考えて攻撃を踏みとどまり、アークデーモンを足止めすることだけに集中する。
(危ない、危ない。これが慢心ってやつか。もうすぐデーモンナイト達が全滅する。それを待ってみんなで戦った方がいい。確実に勝てる戦術で戦うんだ)
それから一分も経たず、アンリ達がデーモンナイト達を全滅させる。
「おまたせ!」
「こっちは片付いたわ!」
明日香、島、アンリが、星斗達と合流する。さらに後衛達は魔法発動の準備中を始めていた。
「おのれ! このままでは済まさんぞ!」
空中に浮遊しているアークデーモンが、全身から強大でまがまがしい暗黒闘気を放出して身にまとう。
「ダークソードバースト!」
アークデーモンは黒いオーラの剣を複数作り出して広範囲に放ち、それらが星斗達前衛に襲い掛かる。
「うりゃあ!」
それに対し星斗は、自分の近くに飛んできた複数の黒いオーラの剣を、魔力をまとわせた雷撃の剣を高速で振るって破壊する。さらに明日香とアンリも、黒いオーラの剣を星斗と同じように破壊し、鈴木やゴールドナイトは黒いオーラの剣を盾で防御していて、島はその二人の後方に移動してやり過ごしていた。
「なっ! 俺の最強の技が!」
(よし、ここから全力で攻撃だ!)
「氷神飛翔斬!」
すかさず星斗が空中にいるアークデーモンを狙って、巨大な冷気の飛ぶ斬撃を放ち、それがアークデーモンに命中して体に巨大な傷ができて、その傷が凍り付く。
「があああああっ!」
星斗の攻撃で大ダメージを受けたアークデーモンは、空中浮遊の制御ができなくなり地面に落下した。
「今だ! 瞬速乱舞斬!」
「レイブレイク!」
「瞬速乱舞斬!」
「大破壊斬!」
地面に落下したアークデーモンに、明日香が無数の高速斬撃を放ち、アンリが光をまとわせた剣で必殺の斬撃を放ち、ゴールドナイトも無数の高速斬撃を放ち、島が高威力の大剣の必殺の斬撃を放つ。
「ぐがああああああああああ!」
星斗達の連続必殺技によって、アークデーモンはHPが大幅に削られた。
「シャドウチェーン!」
さらにハイダークエルフが、アークデーモンを闇の鎖で拘束してダメージを与える。今のハイダークエルフは、貫通のスキルの効果で、闇属性のアークデーモンに闇属性の魔法も効果があった。
「さらに畳みかける! 氷結斬!」
「ハイオーラブレード!」
「聖光斬!」
「ハイオーラブレード!」
「オーラクラッシュ!」
「ぎゃあああああああああああああああ!」
星斗達の連続物理スキル攻撃によって、アークデーモンは全身がボロボロになり、その場に仰向けに倒れて消滅した。そして大きな宝箱が出現する。
「よし! 倒せた!」
「宝箱だ!」
「Aランク上位をこんな簡単に……」
「私達は確実に強くなってる!」
アンリ達は喜びながら宝箱の周りに集まる。
(うーん、Aランク上位のモンスターを倒してもレベルが上がらなかった。ここまでレベルが上がると、なかなか上がらないな)
星斗は全国覚醒者学校ランキング戦から今日まで、色々なダンジョンを探索し、ここに来るまでにレベルが54になっていた。
(それよりも宝箱だ! 何が入ってるのか)
星斗もワクワクしながら宝箱の近くへ歩いていく。
次回 バフォメット戦 に続く




