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覚醒者学校の唯一無二の生徒  作者: 霧野夜星


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第七十〇話 ブラックドラゴン戦

「鈴木さん。凄そうな鎧ですね」


 星斗が、黒い全身鎧と黒い盾を身に着けた鈴木にそう話しかける。


「これは漆黒の鎧と漆黒の盾だ。闇属性の攻撃に耐性を持っている。高かったが命にはかえられないからな」

「ああ。俺も何かブラックドラゴン対策してくれば、よかったですかね」


 星斗は覚醒者協会のホームページでブラックドラゴンの情報は見てきたが、装備やスキルでの対策は何もしてこなかった。


「いや。本条君は、かなり強くなっただろ」

「はい。明日香さんと島さんのおかけで、フォルネウスの討伐報酬をもらえたので」

「それだけで十分だ。今日はその強さを見せてくれ」

「はい。でも今日、一番活躍するのは朝比奈さんだと思います」


 アンリは光の魔法と魔法剣が使えるので、光属性が弱点のブラックドラゴンとは相性がよかった。


「そうだな。でも彼女だけに負担させるわけにはいかない。本条君も頼んだぞ」

「はい」

「そろそろ、入りましょう」


 島のその言葉で全員が天満ダンジョンに入り、入り口付近にある転移の石碑で地下十五階まで移動する。そこで星斗は仲間のモンスター達を召喚する。


「さて、飲むか」


 星斗はアイテムボックスからMPを回復する薬、マナポーションを取り出して飲み始める。彼はゴールドナイト達を呼び出すのに大量のMPを使ったので、それを回復するためには、マナポーションを三本飲む必要があった。


「あんまり美味くないし、これ以上、量が増えたら飲めないな」


 星斗は三本のマナポーションを飲み終える。マナポーションは飲むと少しずつMPが回復していくので、彼のMPが完全回復するまで少し時間がかかった。


「お待たせしました」


 星斗がステータスボードで自分のMPが全快したのを確認し、彼らは最下層の転移の石碑の部屋からボス部屋の扉まで移動する。


「よし、開けるぞ」


 鈴木が扉を開けて最初にボス部屋の中に入り、前衛の星斗、ゴールドナイト、明日香、島がそれに続く。そして後衛のアンリ、成田、ハイダークエルフ、仙狐もボス部屋に入って、入り口付近で待機する。すると広い部屋の中央の床にある巨大な魔法陣から、背中に大きな翼を持ち、全身が黒いうろこにおおわれた巨大な竜、ブラックドラゴンが出現した。


「ガードブースト!」

「マジックブースト!」

「キュオーーーーン!」


 まず鈴木と成田が、パーティ全員の防御力と魔力を上げる能力強化系スキルを使い、仙狐が速さを上げるスピードブーストを使う。


「グオオオオオオオオオオオオオ!」


 一方、ブラックドラゴンは星斗達の存在に気づき、口を大きく開けて、聞いた者に恐怖を与える竜の咆哮を放つ。


「くっ!」

「なんてプレッシャーなの!」


 鈴木と成田が、竜の咆哮を聞いて恐怖を感じるが、動けないほどではなかった。


「鈴木君! 行くわよ!」

「お、おう!」


 島の言葉に鈴木がそう答え、前衛全員がブラックドラゴンに向かって走りだす。そして後衛のアンリ、ハイダークエルフ、成田は、魔法発動の準備を開始し、妖狐はいつでも回復魔法が使えるように待機する。


「グオオオオオオッ!」


 一方、ブラックドラゴンは、尻尾に強大な魔力をまとわせて、接近してくる星斗達を薙ぎ払うように豪快に振る。


「ドラゴンテールか!」

「ゴールドナイト!」

「はっ!」


 鈴木と星斗とゴールドナイトが走るのを止めて、迫ってくる尾を待ち構える。


「ミラクルガード!」

「ミラクルガード!」

「ぐっ!」


 鈴木とゴールドナイトが盾のスキルを使って、強烈な勢いのドラゴンテールを防御し、星斗も精霊の盾で受け止める。


「クオーーーン!」


 仙狐はすぐにエクストラヒールで星斗のHPを回復し、鈴木とゴールドナイトは盾のスキルの効果で失ったHPを回復した。


「動きが止まった! 今がチャンス!」


 星斗達がドラゴンテールを防いでいる隙に、明日香と島がブラックドラゴンに接近する。


「瞬速乱舞斬!」

「大破壊斬!」


 明日香が、竜滅剣で超高速の連続斬撃を放ち、島が、大剣で破壊の力が込められた強烈な一撃を放って、ブラックドラゴンに大ダメージを与える。


「俺達もいくぞ! 竜麟斬り!」

「竜麟斬り!」


 さらに星斗とゴールドナイトが追撃し、鈴木はブラックドラゴンの正面に立って漆黒の盾を構える。それを見たブラックドラゴンは、右手の爪に闇の魔力をまとわせて攻撃するダーククローで鈴木に襲い掛かる。


「ギャオオオオオオオ!」

「ミラクルガード! ぐあっ!」


 鈴木はダーククローを漆黒の盾で防御するが、その巨体から放たれた凄まじい威力のブラックドラゴンの攻撃で全身に衝撃が走り、大ダメージを受ける。


「くっ、これほどのダメージが……」

「クオーーーーン!」

「おお、回復魔法か! 助かった!」


 仙狐がエスクトラヒールで鈴木を回復し、彼はまたブラックドラゴンの前に立つ。同時に前衛達が攻撃を繰り出す。


「竜麟斬り!」

「オーラクラッシュ!」

「竜麟斬り!」

「竜麟斬り!」

「グオオオオオオオオオオオオオ!」


 鈴木がブラックドラゴンの攻撃を引き付けて、明日香、島、星斗、ゴールドナイトがその隙に攻撃していく。その攻防をしていると、後衛達の魔法発動の準備が整った。


「みんな! 離れて!」


 成田のその声を聞いて、前衛達は急いでブラックドラゴンから離れる。


「サンダーストーム!」


 まずハイダークエルフが嵐のように渦巻く電撃を放ち、それがブラックドラゴンの全身を感電させる。


「ボルトカノン!」


 続いて成田がレーザーのような高威力の電撃を放ち、それがブラックドラゴンの体に直撃して大ダメージを与える。


「ファイナルジャッジメント!」


 最後にアンリが、光系最上級魔法を発動する。するとブラックドラゴンの上空から巨大な光の柱が降り注いでブラックドラゴンの全身を飲み込み、その黒いうろこが焼け落ちるほどの光属性の特大ダメージを与えた。


「ガアアアアアアアアアアアアアア!」

「やった!」

「見事な三連魔法だ!」


 本当はハイダークエルフは魔法発動の準備が早く終わっていたのだが、後衛の三人がバラバラなタイミングで魔法を撃つと、その度に前衛達がブラックドラゴンから離れないといけないので、一度で済むように連続で魔法を使う作戦だった。


「さあ! 追撃よ!」


 離れていた明日香達が、再びブラックドラゴンに接近していく。するとブラックドラゴンは口を大きく開けて息を吸いこむ。


「ブレスが来る!」

「魔法障壁、展開して!」


 明日香と島のその言葉を聞いて、全員が自分を守るために魔法障壁を展開する。そこへブラックドラゴンが、触れる者すべてを破壊する暗黒のブレスを、首を振りながら広範囲に吐きだした。


「ブフアアアアアアアアアアアアアアアアアア!」



 次回 運命を分ける一撃 に続く

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