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コン!なのでました  作者: リノキ ユキガヒ
Route:6「タンタン狸のZ3」
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「はい、次からは気をつけてくださいねー」

 そう言うと白バイの警官はサクラに一枚の紙切れを手渡した。

「すみません…」

 彼女はそれを申し訳なさそうにだが、憮然した態度で受け取る。

 それを確認すると白バイの警官はバイクにまたがって颯爽と走り去ってしまった。

「はぁー」

 サクラは大きなため息を吐くとガックリとうなだれた。

「調子乗り過ぎたわ」

 そうポツリと言うとバイクの方に身体を向けた。

 路肩に止められたGPZ900Rニンジャ。比較的都市部だが車の往来が少ない幹線道路のような所。

「で、なにやらかしたの?」

 ニンジャのシートに横に腰かけているヤツがニヤニヤしながらサクラに話しかける。

「走行車線区分違反」

 ヨシは目をパチクリさせながら

「それってナニ?」

 と、聞き返してきた。

「左折レーンを直進したからよ。慣れない土地だとそういった所がよく分かんないのよ」

 ため息交じりにサクラはそう答えるとミラーにかけてあるフルフェイスのヘルメットを両手で取った。その時ふとヨシが視界に入る。一旦そちらをじっと見るとサクラは何かを思い出したかのように口を開いた。

「そー言えば。アンタのノーヘルは何で大丈夫だったんだろう?」

 彼女は小首を傾げた。それに答えるかのようにヨシの頭頂部にある耳がピクンとうごいた。

「あー。そりゃそうよ。私のことはアンタにしかに見えてないいんだもん」

 ちょっと間をおくと、彼女は当たり前のようにそう言った。

「へ?そうなの」

 それとは逆にサクラは気の抜けた声をあげる。

「そうよ~。ごく稀のいるのよ、あなたみたいに妖が見えるの」

「えっ?それって…」

 サクラは少し上擦った声を出してしまった。

「別に怖がることはないわ。私が見えたからってあなたに害が及ぶような事はないし」

「いや、そこじゃなくて。昨日の晩みたいに戦闘機に襲われた場合とかどうなのよ。明らかに実弾ぶっ放していたし」

 サクラが少しばかり口を尖らせてヨシに答えを求めた。

「そりゃー死ぬわよ。流石にそれは無いっしょ」

 ヨシは当たり前と言わんばかりように言葉を放った。

「はぁ!?」

 頓狂な声をあげるサクラ。

「じょじょじょ冗談じゃないわよ!!」

「あーでも大丈夫。キチンと成仏できるし閻魔とも交渉してあげるからそんなに悪い事にはなんないよ」

「死後の世界で優遇されても意味無いの~~!!!」

 サクラは地団駄を踏みながら抗議する。

「それに万が一あーゆーのが普通の人や物に当たっても損害は出ないわ。只、あなたの目にはそういう風に見えてるけど」

「なにその特殊機能」

 サクラはそうポツリと言いながらアクセルグリップを握った。その時ふとした思いが頭をよぎる。

「ってことはこのニンジャは…」

 思わず既にリアシートに陣取っているヤツを見た。

「あーこのバイクは別よ。これは現実の世界のヤツをチョッパって来てるから」

「へーそんなんだー。…って!盗難車って事!?」

「あー、そうは言わない借りてきてるだけ。ほら…たまにあるでしょ?確かにこの辺に置いたはずなのに見当違いの所にあったりする事」

 のらりとヨシはそういうがサクラの視線は何か納得できてないようなかんじだった。

「それって、テレビのリモコンだったり小物でしょ、さすがにオートバイとかは無理なんじゃない?」

 サクラはそういったがヨシは手をヒラヒラさせながら

「変わんない変わんない」

 と軽く言い放った。

「なんかもう…」

 少し生気の抜けた表情をサクラは浮かべるとそれを隠すようにフルフェイスのヘルメットを被った。

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