第10話:『集結、三戦士!推しは無限大の彼方へ』
「……はい! そこ、軸がブレてるわ舞!」
「くっ……! これでも……必死に踏ん張ってるんだからぁっ!」
臨海地区の夕空の下、サキの竹刀を受け止める舞の腰つきは、数日前とは比べものにならないほどどっしりと定まっていた。
文句を言いながらも喰らいついてきた舞の身体は、いつの間にか完璧な「戦士のキレ」を手に入れ始めていたのだ。
「すごいじゃん舞! もう完全にヒーローの動きだよ!」
ポテチの袋を抱えた輪が感心したように声を上げた、その瞬間——!
グラグラグラッ……! ズドオォォォンッ!!
天地を揺るがす大地鳴りとともに、巨大な黒煙が臨海タワーの方向から吹き上がった。
煙の中から現れたのは、巨大な浮遊要塞と一体化した悪の総帥——Dr.ギミック! そしてその周囲を覆う、数百機の機械獣軍団!
『フェフェフェ! ここが貴様らの墓場だ、破天吹雪! ポリマーレディ! この街ごと消し去ってやる!』
「ついに本尊のお出ましね……!」
サキが竹刀を捨て、険しい表情で前に出る。
輪はポテチを投げ捨て、手首のポリマーブレスをギュッと締め直すと、隣に並ぶ二人を見つめて力強く叫んだ。
「サキ! 舞! 行くわよっ!」
「ええ、決着をつけましょう!」
「任せて!」
同時にキリッと表情を引き締める三人。輪は不敵にニヤリと笑い、舞へ向かって尋ねた。
「舞っ! 今回もあの魔戒騎士(牙狼)で戦うの!?」
舞は薬指のプロトタイプリングをキラリと光らせると、人差し指を唇に当てて可愛くウインクしてみせた。
「ふふっ、秘密だよ! あたしの『推し』は、まだまだ沢山あるのだからねっ!」
「「「装着!!」」」
漆黒の『破天吹雪』、青き『ポリマーレディ』、そして舞の熱い推し情熱が解き放つ眩い光——!
三人の絆と無限の可能性が、いま臨海タワーの空へと飛び立つ!




