第9話:『地獄の師弟結成!?サキの熱血スパルタ指導!』
「……素晴らしいわ、舞!」
爆煙が収まり、肩で息をする舞を見つめながら、サキ(ポリマーレディ)が感極まったように呟いた。
「もし舞が私たちみたいな格闘家だったら……このプロトタイプを完璧に使いこなす、恐ろしいほどのヒーローになってるでしょうね」
「えっ……サキさん……?」
照れくさそうに鼻の下を擦る舞。しかし、サキの瞳の奥に「武道家のスイッチ」がカチリと入ったのを、隣にいた輪(破天吹雪)は見逃さなかった。
「舞……決めたわ。私があなたを鍛えてあげる!」
「え、えええええぇぇぇっ!?」
「ちょっと待ってサキちゃん!? サキちゃんの『鍛える』って、絶対ガチのやつじゃん! 舞死んじゃうよ!?」
「失礼ね、輪。私は愛をもって指導するわ。……まずは明日から毎朝4時起きで10キロランニング、それから私の旋風脚を受ける見切り訓練1,000本よ」
「愛が重いしメニューが鬼ーーーッ!!」
学園祭も終わり、放課後の旧校舎屋上。
そこには、サキ特製の「竹刀」を手に仁王立ちするサキと、竹刀の風圧を必死に避ける舞、そして「舞ー! 生きて帰ってきてー!」と叫びながらポテチを食う輪の姿があった。
「舞! 99秒の制限時間に頼るんじゃないわ! 技の出線を見極め、最小限の動きで最大威力を生み出すのよ!」
「無理無理無理! あたし文系! ジャーナリスト志望のペン派なのっ!!」
「ペンは剣より強しと言うでしょう!? ならば剣も使えなければペンは握れないわ!」
「無茶苦茶な論理だよサキさん!!」
ヒュンッ! ヒュンッ!と音を立てて振るわれるサキの凄まじい竹刀。
しかし、文句を言いながらも舞の動きは格段に洗練されてきていた。サキの理詰めの指導と、舞の持ち前の観察眼(ジャーナリスト魂)が噛み合い、敵の攻撃の軌道を瞬時に「見切る」センスが磨かれていく。
「……へぇ。サキちゃんも楽しそうだし、舞の動きもどんどんヒーローっぽくなってんじゃん」
輪は手首のポリマーブレスを愛おしそうに触りながら、空を見上げた。
自分一人で背負うはずだった正義の重み。
それが今では、頼もしい相棒と、泥臭く食らいついてくる愛すべき親友がいる。
「よしっ! あたしも負けてられないね! 今日は舞と一緒に、サキちゃんの特訓に付き合ってあげる!」
「えっ、輪まで!? 容赦してぇぇぇっ!!」
夕暮れに染まる屋上に、三人の賑やかな叫び声と笑い声が響き渡る。
Dr.ギミックとの最終決戦(第10話)を前に、絆も、技も、そして『心』も完璧に仕上がろうとしていた——!




