(115)エルフと支援
気付けばカナに電話をかけてから三十分が経とうとしていた。
懐中電灯の光はもう消え失せそうで、次はもうスマホの光に頼るしかない。
電池の確認、ちゃんとしておくべきだったな、と俺は後悔する。
そうやって次はスマホの光で桜貝を探し始めると、
「そこにいるのー!?」と元気良い声が聞こえてきた。
夏菜だ。夏菜が来てくれた。暗くてあまり姿は見えないけれども、あの声は紛れもなくカナだ。
「おーい!こっちだ!」と俺は声を大きく上げる。
「いったいどういうこと?突然ストレートビーチに来てくれ、だなんて!」
「え!?あれ?!フィリアちゃん!国に帰ったんじゃなかったの?!」
夏菜は驚いた声を上げる。
「うん!帰るんだ!帰るんだけど、ちょっと説明が難しいんだ!あとで全部説明するから、この前、一緒に集めた桜貝、もう一度、探してくれないか?」
「はぁ?!どういうこと!」
「頼む!」と言って俺は頭を下げた。
夏菜は懐中電灯のライトで俺を照らし出す。
「ユウトがそこまで言うなら…分かったよ…後で全部、説明してよね!」
「か、カナさん、ありがとうございます…!」
「フィリアちゃんも関わってるなら、あたし、頑張るわよ!お別れも電話越しだったし、こうやって最後にちゃんと会ってお別れもできるなら、いい感じになるじゃん!」
外はもう真っ暗だというのに、夏菜がいてくれると、なんだか希望が湧いてくる。
このエネルギーの高さ、やっぱり夏菜だ。
人手が増えるだけでなく、挫けそうな心を支えてくれる。
本当に夏菜には頭が上がらない。
「さぁ、それじゃあやるわよ!」そうやって彼女は持ってきた懐中電灯でビーチの砂浜を照らし始めた。
「あ!それと!」と言って、夏菜はポーチをごそごそし始めた。
「じゃーん!じゃばら飴!懐中電灯を持ってきてくれ、なんて言われて、懐中電灯だけをビーチに持ってくる人、いると思う?きっと何か落としたりして、探したりしてるんじゃないかって思ったの。そうするときっと疲れてるに違いない!って踏んだわけ。」
といって、夏菜は飴玉を俺とフィリアに手渡ししてくれた。甘くてさっぱりして、疲れがすこしずつ飛んでいくような気がする。
「か、カナさんのお心遣い、素敵ですわ」
「へへーん、でしょ!じゃあ、いっちょやったりましょう!」
これで三人が揃った。フィリアが桜貝を集めて並べている魔法陣はもう残り四分の一ぐらいに仕上がっている。
あと少しだ。
この物語の本編は、異世界ファンタジー『愚痴聞きのカーライル 〜女神に捧ぐ誓い〜』です。ぜひご覧いただき、お楽しみいただければ幸いです。
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