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2.3-14 ブレスベルゲンの探検11

今日から連載を再開するのじゃ。

……多分の。

 暖かな日差しの中、日向ぼっこのついでに昼寝も終えたサヨ猫は、その姿どおりに猫らしく、うーん、と背伸びをした。その後、彼女は、再び人の姿に戻ると、街の屋根の上を跳び始める。路地裏から、時折悲鳴のような声が聞こえてくるが、すべて無視だ。


 そんな彼女が向かおうとしていた先は、朝食のとき、カトリーヌに紹介された場所。


「ぼーけんしゃ(にゃん)とかって、どこにあるのかにゃぁ?働かざる者食うべからず、ってノーチェも言ってたし……。さすがに、サヨだけお仕事をしないのは気が引けるにゃ」


 いつまでも木下家で居候を続けるのはどうかと思ったのか、サヨは仕事を見つけるつもりでいるらしい。正確には、小枝にどう思われるかを気にしていて、仕事をしなければならないという強迫観念に縛られていた、と言うべきか。


「家から追い出されるだけにゃら良いけど、小枝様に見限られたら、追い出されるだけじゃ済まない気がするにゃ……」ぶるっ


 サヨの姿を見た街の人々の口は、みな共通して、小枝、小枝と、家主の名前を呟いていたのである。皆が知っている、ということは、つまり小枝に嫌われると、町の人々からも爪弾きにされるということ……。ようするに、村八分ならぬ町八分だ。そんな最悪な未来がサヨの脳裏を()ぎる。


「この街で生きていけなくにゃったら……サヨ、死んじゃう!」

 

 サヨは改めて決意した。小枝を怒らせてはならぬ、と。


 ゆえに彼女は冒険者事務局を探していたわけだが……。そこには、どうやっても超えられない大きな問題が立ち塞がっていた。高い建物の上に駆け上がったサヨは、そこから見える景色を見渡して、深く溜息を吐く。


「んー……やっぱり、ここがどこか分からにゃいにゃ……」


 彼女は未だに、迷子の子猫状態だったのだ。


 街を縦に走り、横に走り、ぐるぐると回り……。サヨは見覚えのある建物を探し続けていた。言わずもがな、小枝の家だ。しかし、どうしても屋根の上からは見つけられなかったのである。


「(あの"カトリ()()"さんとか言う変にゃ名前の人が言ってたにゃ。小枝様の家の近くに、ぼーけんしゃ(にゃん)とかがある、って)でも、どこを探しても見つからないにゃ!」


 サヨは地団駄を踏んだ。街並みの中で、領主の館の次に高い建物の屋上で、彼女はただひたすらに悔しがった。


 これほどまでに見晴らしの良い建物の屋上に来ているというのに、なぜ木下家が見つからないのか……。サヨの頭の中は、そんな疑問で埋め尽くされる。


 なお、どうして彼女が木下家を見つけられないのかについては、サヨのメンツの関係もあるので、理由は不明、とだけ言っておこう。


 灯台下暗し状態のサヨが、「んにゃーっ!」と奇声(?)を上げながら頭を掻きむしっていると――、


   ヌッ……


――と屋上の物陰から小柄な少女が現れる。


「んにゃ?に゛ゃん!?」


 その姿に見覚えがあったサヨは、全身の毛を逆立てながら、後ずさった。


「お、お前は、あのときの……狼!?」


 現れたのは、サヨが朝食会のときに見かけた少女。一見すると獣人のように見えて、中身は混じりっけ無しの純粋な狼――ブラウだ。


 彼女が人に化けていても、サヨには正体が分かるらしい。サヨもまたブラウと同じく混じりっけ無しの獣なので、直感的に察する事が出来るのかも知れない。


 ブラウは屋上で寝そべって日向ぼっこでもしていたのか、髪の毛はボサボサで、着ていたワンピースも乱れ気味。更にいうと、とても眠そうな様子だった。それでも彼女は、サヨに何か伝えたいことがあったらしく、大きく欠伸をした後で、その口をパクパクと動かした。


「……」ぱくぱく


「……?(にゃに)か言ってるのかにゃ?」


 ブラウの口が動くのだが、その口から声らしい声は出てこない。人と暮らすようになってまだ日浅いせいか、言葉が話せるまでには至っていないらしい。


「……おん」ふんす


「その顔……もしかして、(にゃに)かを(はにゃ)したつもりかにゃ?」


 サヨが問いかけると、ブラウは目をぱっちりと開けて数回瞬きした後、今度は見るからにシュンとしてしまう。普段は何を考えているのか分からなそうな振る舞いのブラウだが、その内心では、考えたり悩んだりしているらしい。


 それからブラウは、フンと鼻を鳴らすと、くるりと踵を返して歩き出した。その背中は、まるでサヨに対し、付いてこい、と言っているかのようだ。


「…………」くいっ


「んにゃ?付いていけば良いのかにゃ?」


「…………」こくり


「……もしかして、サヨのことを小枝様の家まで連れていってくれるにゃ?」


「…………?」


「ダ、ダメにゃ……。(にゃに)を考えているのか分からにゃいにゃ……」


 とはいえ、ブラウがどこに行こうとしているのか分からずとも、着いていけば誰か知っている人に会えるはず……。そう考えたサヨは、屋根の上から飛び降りたブラウの背中を追いかけることにしたようだ。


8割をスマホで書いたゆえ、色々と気になる点があるのじゃ。

まぁ、話が微妙なのは今に始まったことではないがの。

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