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悪役令嬢の歩き方  作者: 高坂千穂
  9月
31/161

31、静かに広がっていくもの

 翌日は出発の日ということもあって、リルルは今日は朝から支度を確認するリディアたちの邪魔にならないように、お城のあちこちを散歩して時間を潰した。

 そう、他の者の邪魔をしに歩いたのだった。

 でも、リルルの行く先々は既に嵐が去った後の片付けに追われていた。

 散らかる書類を片付ける小姓たちを手伝うと、大変感謝されて、リルルは不思議な気がした。いつもなら、大丈夫ですから、と触らせてもくれないのに。

 なかでも、中央の塔の小姓部屋は酷かった。小姓たちが肩を落として書類を分けていた。部屋に漂う子供たちの悲愴感は哀れを誘った。

「何かあったの?」

 リルルの問いかけに、小姓たちは気まずそうに顔を見合わせた。

「もしかして、能力比べ絡み?」

 コニールはこんなに雑に書類を扱わないから、先日の廊下でに一件を思い出してタッドリーだろうなとリルルは思った。

「朝からタッドリー様がいらっしゃって、『昨日使った書類を見たいから確認させてくれ』と仰ったので、書類庫から、いくつか箱をお持ちしたんです。」

 言い難いのか黙ってしまった小姓の肩を優しく撫でて、利発そうな別の小姓が言葉を続ける。初等学校へ通っている元小姓なのかな。割と背丈も体つきもしっかりとしている。

 どこかで見たような顔だなとリルルは思ったけれど、思い出せないので気のせいだろうと思うことにした。片付けをしながら他の小姓たちは気になるようで、ちらちらとリルルたちの様子を伺っている。

「昨日も散らかされて…、頑張って僕たちが片付けた書類を、今日も片っ端からひっくり返して順番通りに片付けないんです。挙句に雑に箱に入れようとされたので、『あとはやりますから、大丈夫ですから、』と、やんわりとお断りをこの子がしたら、『当たり前だ、』と仰ったんです。」

 タッドリーって嫌な奴ね。眉を顰めリルルは不快に思った。もう少し配慮があったっていい気がする。

 シュンと項垂れた小姓の頭を撫でて、リルルは「えらいね、みんなのためによく頑張ったね、」と褒めた。まだ初等学校にもいかないような子供が、高等学校に通いラウラの婚約者として振る舞うタッドリーに立ち向かおうとしたのだから、リルルにはいじましく思えた。

 だからみんな、肩を落として仕事をしているのね、とリルルはすっかり同情してしまった。

「私も手伝うわ。ひとりでもいた方がましよ?」

 小姓たちは申し訳なさそうに瞳を伏せた。

「ありがとうございます。」

「分類は前の通り?」

 以前リルルが基礎を作った分類を、歴代の小姓たちが改良を加えていた。リルルが確認すると、纏めてあった表紙がみが新しくなり、それぞれに丁寧に通し番号まで振られている。

「ええ、夏の間にお手伝いに来てくださってた方たちが、手直ししてくださいました。」

 ああ、ミーシャやシルフィイが来ていたな、とリルルは思い出す。ミーシャは優しいから黙って手伝ってくれそうだし、シルフィイは頭がいいから黙って改良点を改良してくれたのだろう。

「皆さん優しくて、いつも自分の仕事が終わったあとでも、様子を見にきてくださったんです。」 

「そっか、いい先輩たちね。」

 こんな風にミーシャの良さを確認出来るなんて素敵なことね、とリルルは思った。自分のことではないのに、とても嬉しい気分になる。

「今日は先輩たちはこないの?」来るなら会いたいな、とリルルは期待した。

「学校も始まってますからね。今の時点でいらっしゃらないなら、今日はこないですね。」

「そっか。みんなで頑張ろっか、」、ミーシャを期待したリルルは残念ね、と思った。


 小姓たちに混じり書類の整理に追われ午前中は終わり、リルルはお昼を済ませた後もしばらく手伝った。お昼前にまた台風タッドリーがやって来て、書類を散らかしたからだった。

 リルルがいたので派手には散らかさなかったけれど、リルルが黙々と小姓たちを手伝っている様子を見て、タッドリーは「ほっておけばいいのに、」と言った。

 意図的にやってるんだわ、とリルルはその一言から思った。慣れない王配の仕事の手伝いの憂さ晴らしを、小姓たちを困らせることで解消していたのだろう。なんて器の小さい男なんだろう。

 カチンときてリルルは眉を潜めたけれど、気にしないことにして手伝いを続けた。タッドリーを怒らせて話を長引かせると、タッドリーをさぼらせる口実を作ってしまうことになる。

 黙々と仕事を続けるそんなリルルを見て、小姓たちは王女様ってかっこいいと思った。


 おやつにと、ケイティに頼んで大きなチョコチップクッキーを用意してもらった。

 あの頃と違い、リルルはクッキーくらいは手に入れられる大人になった。いいトリュフを紹介して下さったお礼にと、ペンタトニークから昨日のうちに豪華な菓子折りを貰っていたのだった。リルルのアレナージュ領のトリュフは、あちこちの国に高値で流通しているようだった。

 差し入れたクッキーを嬉しそうに食べる子供たちの顔を見て、昔ミーシャたちと胡桃いりクッキーを食べたなあとリルルは懐かしく思った。

 そういえば、あの頃すでにミーシャは王族の婚約者が家族にいる大変さを知っていたんだっけ。リルルはちょっぴり不安になる。ジャークリー様はミーシャが私の婚約者でいることで、何か肩身を狭い思いをされていたりするのかしら。私、悪評ばかりっぽいもの。ミーシャにも迷惑かけているのかしら…。

 かといって、何をすればいい評判が立つのか見当もつかないので、リルルは、諦めて貰うしかないわね、と開き直ったりもする。

 ふと、こういうところが悪役の思考ねとお姉ちゃんが言いそうだわと思い付き、姉リルルを思い出してちょっぴり切なくなる。


 考え事をしているリルルの表情から何かを察したのか、子供たちは顔を見合わせて小さく頷いた。

「一段落しましたから、リルル様、もう僕たちで大丈夫ですよ?」と、クッキーを食べながら、すっかり仲良くなったクロルスが言った。タッドリーの悪行を教えてくれた子供だった。隣に座る、タッドリーに立ち向かった子供のウーリが頷く。

「わかったわ。あとはお願いね。早く能力比べが終わるといいわね。」

「そうですね。」

「ラウラ様はどっちをお選びになるんでしょうね。リルル様はご存知ですか?」

「さあ。お姉さまではないから、判らないわ。」

 リルルも興味があるところではあったけれど、色恋は本人たちにしかわからない。

「それもそうですね。あーあ、やっぱりタッドリー様かなあ。」

 小姓の一人が溜め息混じりに呟いた。

「上の方たちの評価はいいらしいもんなあ。」

「みんな僕たちの苦労をご存知ないからなあ。」

 しみじみとうんざりしながら、子供同士の気安さで小姓たちは愚痴をこぼした。

「そういえば、元小姓出身の王配なんて聞いたことないよね、」

「リルル様はご存知ですか?」

「さあ。私も知らないわ。お父さまもおじいさまも、ご経験はないと思うわ。」

 リルルの知る父は、遠く東方の国へ留学に行った経験のある秀才だったというくらいしかなかった。

「ヨハネス殿下はお優しいから、性格なんでしょうね。ご経験に関係ないのかも。」

 小姓たちの言う『優しい』は、指示がわかりやすいとか、書類の扱いが丁寧という意味だろうとリルルは思った。そういう意味で、タッドリーは優しくないのだろう。

「お父さまは遠く東方の国に留学経験がお有りだから、いろいろ気が回るのかもよ?」

 遠く離れている分、言葉も文化もこの国とは違うと、異国についてのあれこれを家庭教師から学んでいるリルルは思う。

「やはり苦労された方が王配になられると、ひと味違うんですよ、」とクロルスが笑った。

 そういうもんなのかしら、とリルルは首を傾げて、コニールの評価はいいのだろうかとふと思った。


 ※ ※ ※


 お茶を飲んでて下さいってお願いって、じっとしててってことよね? 

 つまんないわね、と思いながら自分の部屋に戻ったリルルは、忙しそうにしつつお茶は丁寧に入れてくれたケイティのお願いを噛みしめていた。

 明日からの長期の旅行に同行してくれるクグロワとサミラは、大事を取って今日は休みだった。

 リルルの荷造りはすでに終わっていて、クグロワたちの荷物と一緒に先にペンタトニークの船へと運ばれていたので、当日は簡単な手荷物を持って出かけるつもりだった。

 飲む気がないリルルが紅茶の香りを楽しんでいると、廊下が騒がしくなった。

 何かしらね、と思って耳を澄ますと、リルルの部屋のドアがノックされた。

 不審そうな顔でヨネアがリディアの顔を見つめた。リディアはリルルを見て頷くと、「どなたでしょうか、」とそっとドアを開けて、ノックした主を確認しようとした。

 勢い良くドアが開いて、ドアに跳ね飛ばされたリディアがよろめいた隙に、タッドリーが侍従たちと入ってきた。侍従たちは口々に「なりません、」「落ち着いてくださいませ、」とタッドリーにしがみつくように、部屋から連れ出そうとしている。

「リルル様、面会を希望したい、」

 入ってきながら希望を告げるのってラウラお姉さまと同じじゃないの、とリルルは思ったけれど黙っておいた。状況をややこしくする気はない。

「何事ですか?」

 手にしていたカップをソーサーに戻すと、リルルは冷静になるように落ち着いて姿勢を正した。


 王族が暮らす居住区の入り口には、面会希望者の行き先を確認する近衛の騎士と侍従がいるはずだった。すんなりとここまで入ってこれるわけがない。

 能力比べ中のタッドリーとコニールは、立ち入りを禁止されていたように思ったけど…?

 無駄な争い事を生じさせずにさっさとタッドリーには出ていってもらえるように、出来るだけ流してしまおうとリルルは考えた。


「急用だ。」

 タッドリーは堂々とした物言いで、リルルに向かってにやりと笑った。


 近衛の騎士がいないのは倒してきたからだろうか。先月の護身術講習を受けていたなら、意表をついて騎士ひとりくらいならどうにかしてしまったのだろう。

 ああ、そうか、侍従がここに二人いるのは、騎士の交代時間でたまたま侍従だけになるタイミングを狙ったんだわ…。騎士が相手だとやらないことなのね、とリルルはタッドリーの狡猾さを忌々しく思った。


「私の大切な侍女を、まずは助けて欲しいですね。」

 リディアを助け起こしていたヨネアが、タッドリーを睨みつけていた。背の高い堂々とした体格のタッドリーはリディアを一瞥して、「大丈夫だ、問題ない、」と言った。

 何が問題ないと言うのだろう。リルルは腹が立ってきた。私の侍女をなんだと思っているのだろう。

 冷静に、と思い直し、イラっとしたリルルが黙って睨んでいると、タッドリーは何を勘違いしたのかリルルの部屋にずんずんと歩いて入り、部屋の中央のテーブルの前のソファアに優雅に座るリルルのすぐ前に立つと、空いている席を指差した。

「私はここで茶を所望したい。いかがだろうか、」

 帰って、と言えたらいいのにと思いながら、リルルはケイティを見た。ケイティは覚悟を決めたように頷いた。侍女たちはみんな護身術の心得があった。リルルもいざとなったらリディアの敵討ちくらいするつもりだった。

「では、少しだけ、」

 リルルが着席を許可する前に勝手に座って、タッドリーはケイティがカップやソーサーを準備する様子を黙って眺め、お茶を入れるのを待った。

 その間に、侍従たちはリディアの無事を確認すると、部屋の出入り口に控えて険しい顔で様子を見守った。部屋のドアは開けっ放しだった。侍女たちが壁際に控えると、タッドリーはちらりとリルルを見た。

「リルル様はもう、ラウラ様の結婚相手をご存知なのだろう?」

 タッドリーはいらいらした様子で、テーブルの上を指でコツコツと叩きながら尋ねてきた。

「いいえ、知りません。」


 知っていても教えてあげないわ、とリルルは思った。

 そういう争いに巻き込まれないように出国するのに、自分から巻き込まれに行きたくはないのだから知らないとしか言いようがなかった。

 個人的にはコニールがいいなと思うけれど、姉のラウラが何を考えているのかわからないだけに、案外タッドリーなのかもしれないなとも思う。

 そうなった場合、コニールとこの先友人でいられるのだろうか。コニールとするチェス、結構楽しかったんだけどな。構ってくれるし、勝たせてもくれる。優しいおにいさんなんだけどな。


「リルル様は私では不満か?」

 タッドリーはリルルの顔をにやにやしながら見ている。

「何がですか?」

「ラウラ様の結婚相手だ。」

「私は姉ではないので決められません。」

 リルルは不快だなと思うけれど、澄ました表情を作り続けた。

「リルル様が味方した方が決まるのだろう? そうではないか?」

「違います。」


 リルルは耳を塞ぎたい、と思い始めた。リルルは決定に干渉しないと言っているのが理解できないのだろうか。

 もし今決定に干渉出来るのなら、全力で目の前に座るタッドリーを否定しただろう。

 この先タッドリーがもし姉のラウラと結婚しても、リルルはなるべく距離を置きたいと思い始めていた。あまり自分から関わりたい相手には思えなかった。


 眉を顰めて無言になったリルルに、タッドリーはふんぞり返って、「そうだな、領地を分けてやろう、」と言った。

「は?」

 意味が分からないリルルは、目をぱちくりした。

「聞こえなかったか? 将来の妹になるリルル様には、私が祖父から相続した領地を少し分けてやろうと言ったんだ。」


 それ、買収だよね? リルルは冷静にタッドリーを観察した。

 背が高く幼い頃から利発で優秀と言われているタッドリーは、それなりに女子生徒に人気もあっただろう。

 普通に素敵な顔立ちのかっこいいおにいさんなのに、リルルの部屋に入ってからの様子はまともではないとしか言えなかった。


「いりません。」

 毅然とした態度ではっきりと拒絶した。付け入る隙など与えてなんかやらない。

「では、何が欲しい? 何が望みだ?」

「何もいりませんから、お帰り下さい。」

 リルルは声を荒げないように丁寧に言った。この人にこれ以上関わってはいけないと、はっきりと自覚した。

 じわじわとケイティとリディアが、壁際からリルルたちが座るテーブルの近くへとすり寄ってきていた。ヨネアはどこから持ってきたのか、不審者対策用のサスマタまで手に握りしめていた。

「まさか、私か? リルル様は幼い頃から婚約者をやたらと増やしている男狂いと聞いたことがあるが、まだ足りないのか?」


 リルルの顔を見て言ってのけたタッドリーを見て、一瞬、音が聞こえなくなった錯覚がした。

 目の前の男を冷静に観察する。この男は同じ国の言葉を話す同じ国の人間のはずなのに、思考を理解出来そうに思えなかった。

 自惚れないで、とリルルは忌々しく思った。

 男狂いではないし、いくら頼まれたってタッドリーだけはごめんだと思う。

 やたらにも増やしてはいない。きちんとほとんどの者と婚約は解消している。


 もうこれ以上は無理だ、と思ったリルルは即座に立ち上がり、はっきりと、「出て行って!」と部屋の外を指差して怒鳴った。


 ドアの前には、いつの間にかティンクが立っていた。入り口のドアを死角に座っているタッドリーは、ティンクに気が付いていないのか、にやにやと笑って続けた。

「そうか、図星なんだな。判った。私がラウラと結婚した暁には、リルル様を愛人の一人にでもして差し上げよう。」

 タッドリーの言葉の衝撃に、言葉を失くし、リルルは何度も瞬きした。


 愛人? 愛人の一人? 私の他に、沢山愛人がいるってこと? 

 結婚する前から、愛人を持つつもりでいるの?

 それって、愛のない結婚をするってことよね? 

 お姉さまの尊厳を踏みにじっているわよね?

 私のラウラお姉さまを、馬鹿にするというの?


「…あなた、愛人の一人って、王配をなんだと思っているの?」


 あまりの怒りで声が震える。リルルは昂ぶった気持ちが爆発しそうだった。父を貶め、侍女たちを辱め、よりによって姉を謀ろうとしている…!

 でも、リルル、冷静に。冷静に、この者と関わらないように、この者を私の部屋から追い出さなくてはいけないのだから、冷静にならないと…!


「お城で愛人に囲まれて暮らす男のことだろう? この女たちも、その一部だろう? 庶民には愛人は法律違反などと言っていても、自分は選り取り見取りなのだから、お城で王配という仕事に就くことは、なんと羨ましいことだろう。」


 我慢して冷静になろうと努力して聞いていたリルルも、あまりの悔しさと怒りに顔が熱くなるのを感じて、絶対にこの男だけはラウラの結婚相手にしてはいけないと思った。


「私のことはいくら悪く言ったって構わないわ。でも、父や、私の大事な侍女たちを貶めるようなことを言うのはやめて。」

 目の前の青年は体格もよく腕力もありそうな、無神経な人間だった。

 リルルは震えながら、立ったまま悔しくて涙を堪えた。言うべきことはきちんと伝えないと。怖くても、ここで泣き寝入りしてはいけないと思った。

 立ち上がり、タッドリーはリルルに手を伸ばし顔に触れようとした。

「ラウラとはまた違って可愛らしいね、君は…、」


「私のリルルに触るな!」


 駆け寄った叫ぶような声にリルルが身を竦めた瞬間、駆け寄ったティンクがタッドリーの腕を掴んであっという間に背負い投げた。

 一瞬の早業に為す術もなく床に仰向けに倒れたタッドリーを、すかさず小走りに駆け付けたヨネアが、手にしたサスマタで床に固定する。


「私のリルル様になんてことをするんです! 誰か、この狼藉者をここから連れ出して!」


 日頃ほんわりと優しい雰囲気のヨネアからは考えられない程はっきりとした大きな声で、廊下に向かって叫んだ。

 呆気に取られていた侍従たちが慌ててタッドリーを捕まえて、廊下へ引き摺り出した。廊下には近衛の騎士たちの姿も見えた。


「ティンク…。」

 リルルは思わずティンクの肩に頬を寄せて抱きしめた。ポロリと、我慢していた涙が零れる。

「ごめん、意地を張ってて来るのが遅くなった。」

 優しく頭を撫でるティンクに、「ありがとう、」と囁いた。

「来てくれて嬉しい、」と見つめたリルルの瞳に浮かんだ涙を指で拭って、「バーカ、」とティンクは呟くと、「当たり前だ、」と照れ笑いした。


 ヘナヘナと床に尻もちをついたヨネアの肩を撫でて、ケイティとリディアが、「よくやったわ。ヨネア、見直したわ、」と微笑んだ。

ありがとうございました。

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