鉱山の川
鉱山の川
「暑い時には、川にかぎる」「なあ、や助も、そう思うだろう?」
や助は、だまって川を見つめる
「や助。おまえも、あのこたち、みたいに。泳げるようにあるといいな?」
「おーい。お前さんら、その泳ぎなんていうんだ?」
鉱山は、奇妙に浮いている川の子供たちに、向かってきく。
「立泳ぎ(たちおよぎ)だ」
「なるほど」
「って。わかんねえな。」「それで遠くまで行けるのかい?」
「遠くまで?おじさん。武士でないの?」
「おじさんの習ったのは、もっぱら、陸の練達で、しょうがねえ。近くに、大きな川もないしな」
「おじさん。水練も、しといたほうがいいよ。何があるかわかないから・・・」
「ちくしょう。泣けるね。ありがとよ・・・あめだ・・・年かな?・・・俺はいいよ。や助に大きくなったら、教えてやってくれるか?」
「いいけど。水術はちゃんと、先生についたほうがいいよ」
「でもな、おじさん。先生とかかわるの嫌なんだ」
「じゃあ、仕方ない。僕たちが厳しめに教えます」
「あと四年くらいたったら頼む」
「早い方がいいよ、今は・・・・」
「今はまだ・・・ちょっと」
「はい。覚えておく。や助だな」
「ありがとう。や助もよく覚えておくんだよ」
や助はなんとなく、興味深そうな目で、お兄さんたちを見ている
「や助。川の中に入るか?」
や助は恐怖の目をした
「や助。どうした?」
いやいやをする
「そうだな。本当はお前、水風呂に入るのも嫌だもんな」
や助はひとまず。安心したようだ。
「だがよ。や助。おまえは最初から仕官したほうが、いいと思うよ。おれは。読み書きができたって。俺みたいな、箸にも棒にも引っかかんねえ学者・・・?くずれに、なっても仕方ないぞ。水術はまだ、めが、ありそうな気がするぞ?」
「やだ」や助は言う
「じゃあ、しょうがない。えっえっ・・・や助しゃべれるの?おっかあには、とりあえず内緒にしておこう」
「水術はやだ」
「わかった、わかった。おまえも学者、目指すかな?」
や助は何も答えず。水面ばかり見ている。
「おーい、や助?」
「・・・・・・」
きのせい?なのか。




