なんなんだ!この状況!!
生存報告がてら短めの状況説明回です
「本当に良かった…」
傷の癒えた娘を前に思わず笑みがこぼれる
今現在、この国は対魔物用結界、オーバーフィールドが突如その効力を失ったことにより未曾有の危機に貧していた
強力な魔物達の進行を制限していた結界が無くなったことで王都を守るものが無くなったのだ
王都付近の村や王都はその安全性故、戦闘の機会が少なく市民や騎士団のレベルは低い。それこそ魔王都からの魔物一匹で大惨事になるほどに
しかし幸いにも、今は突然のことで魔王軍も攻め損ねているようだ
もしも今、強力な魔物達を送ったとしてオーバーフィールドが復活すれば彼らはその場で即死もしくは大幅に弱体化してしまう。つまり、逆に戦力を大幅に削ることになる
故に、確実にオーバーフィールドが破壊された。という確証が得られるまでは進行しないだろう
しかし、当然ゴーレムを初めとした無数に量産できる兵器、人工生物の類いは進行を開始している
魔界近くの村の強者達や、俺のように各地に散らばった元勇者パーティの連中がなんとか押し留めている状況
しかし、如何せん数が数。なん匹かの進行を許してしまう。というのは時間の問題だった
…だから焦ってしまった。というのは全く言い訳にならないだろう
他ならぬ俺自身が最前線で奔走する皆の邪魔してしまったのだから
「あー。状況が全くわからないのだが、とりあえずお前…あいや貴方は私と戦ったあの黒服であってるか?」
「戦った?」
「あぁ。間違いない…本当に悪かった!!まさか本物だったとは…!!」
「ケガレさん!?」
突然土下座する男…ケガレにミリノが困惑の声をあげる
「あー待て。別に怒ってはない…なんか事情があったんだろ?」
なんなら私も相手に気づかずに花火ぶっ放したからな!!
「だからとりあえず状況説明をしてくれ…」
そう。私はこれまでの状況を何も知らん!!!
怒るもクソも困惑が多くて何も出てこねえし。そもそもなんで全員こんな薄暗い谷底に落ちてんだ。んでなんでリノアだけ死にかけてたんだよ
情報の暴力に凍りついていた脳が無数の疑問によって徐々に動き始める
そんなときだった
「みん…な?」
ただ1人意識を失っていた赤髪の少女が口を開く
「リノア!!」
「リノアさん!!」
「みんな…と…おとう…さん?なんで…?」
私が聞きたい…とくだらない茶々を入れようとする口をすんでで塞ぐ
目の前で子供のように泣きじゃくるケガレの姿を見て、ようやく私は今この状況が凄まじく危機的だったことを察することが出来た




