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黒幕!魅終者!!

「アジナにやられた!?」


ミリノと私は驚愕の声を上げた


リノアを治療してから一度私達は情報の共有を行った。オーバーフィールドの機能停止、ケガレの来た理由。そして、敵の正体だ


「アジナってあの性悪だろ?」


「…正直今のリノアちゃんが負けるとは思えませんが」


積極的に人を貶す正確ではないミリノでさえこの反応。それだけ、あの男とリノアには実力の差があった


私とてあの男に詳しい訳では無いが魔法によるバフも戦闘の意志さえもなかったリノアと互角程度の男だ


やはり、本気のリノアを倒せるとは思えない


しかし、そんな疑問を解消するかの如くケガレが口を開く


「…幹部の仕業だ」


「幹部…?」

 

ケガレの一言で空気が強張る

 

私とて幹部の一人と一戦交えた身。その一言の重さはよくわかる


「俺がここに来た理由はリノアが心配だったっていう個人的理由が最大だが、もう一つある」


「それが魔王軍幹部の介入疑惑だ」


ケガレは語り始める


「かつて俺達が現役だった頃…ようは一世代前の勇者と魔王軍の戦いの時代だ」  


「魅終者を名乗る魔王軍幹部と戦闘になった」


「あん時はまだ戦力も少なくてミリノの親父、現国王のナノと俺。あとはロストって氷の魔法使いの3人での交戦だった」


「そんで問題はここからだ。当時は実力差が大きてくて奴を倒しきれなかった。なんで俺達はナノの力とロストの氷魔法で封印。って形を取った」


「まあ基本的に魔王を倒せば、魔王の力を与えられてる幹部は単なる魔物レベルまで弱体化するし、放置でいいかと思ってたんだが…奴はなんらかの方法で力を維持したまま脱出してることがわかった」


「そんで、その幹部の力こそ人間の魔物化だ」  


「素体が弱くてもダンジョン主クラスの化け物に変貌させられる上、魂は人間そのものだからオーバーフィールドもすり抜けるっていう反則級の能力だ」


そこで、わたし達が呼ばれた理由でもあるバーフの言葉を思い出す

 

『行方不明者と何故かオーバーフィールドをすり抜けるダンジョン主クラスの魔物』


「つまり、アジナは魔物として強化されたってこと…?」


「その可能性が高いと睨んでる」


なるほどな。素人でもダンジョン主レベルってことはそれなりに強いアジナを素体にすれば…って訳だろう


だが、それはそれで引っかかる


「それじゃあ私達も魔物にされないか?」


「あぁ、その心配はない。魔物にできるのは余程の悪心を持つ者だけだ」


なるほど。流石に制限付きか


だが、そうなると…この状況を打開するには…


「ってことはそのミシュウシャ?を見つけ出して倒せばいいってことですね」


…まあ一度置いておこう。わからないことを悩んでも仕方がない


「…あぁ。一応現在位置も既に特定できている」


「流石王国直属…ってとこだな」


「それでその場所は一体?」


「丁度ここカトイの上空に、奴等の飛空船が停まっている」


飛空船…もしかして私達を襲った奴か…?

 

単なる飛行する魔物の集団だと思っていたが…となると…


「ケガレさん!私達以外に飛行船からの脱出者は!?」


「?確認できてないけど…お前ら以外にも脱出出来たやつがいたのか?」


「!…海上の確認の方は」


すぐにミリノが問いかける


「勿論、全て終えている。…まさか拐われたか…!」


「嘘!?あの飛行船って子供も乗ってたんだよ!?」


「人質…って訳か」


「不味いな…奴等の視覚外から飛行船を撃ち落とすつもりだったんだが…この作戦は使えないな」


「私達も飛行船で乗り込みますか?」


「生憎俺が乗ってきたのも単なる飛行船だ。もし奴等の船に対空手段があるんじゃなすすべなく撃ち落とされて終わりだな…」


「今から戦闘用の飛行船を手配…は間に合わないよね…」


「そしたらカゲリの魔法は?」


「飛空船だし光源は潤沢でしょ。多分落とされるわ」


「ってなると…自分で乗り込むか…」


…?は?


なんか恐ろしいこと言い出したけど!?


「そうですね…飛びますか」  


「待て待て待て!!お前と一緒にすんな!!てかミリノもなんで割と乗り気なんだよ!」


確かにケガレの身体能力と魔法ならば飛空船に自分の体で乗り込むことも可能だろう


だが、私達は別だ


都合良く考えて、飛行魔法を付与出来たとしても間違いなく撃ち落とされるだろう


「…ていうか空飛べるなら飛行船落とされてもいいんじゃない?」


「どういうこと?」

 

「撃ち落とされる前提で途中まで飛行船で飛んで、途中で飛べばいいんじゃないかな?」

 

「確かに…それなら幾分か安全にはなるが…」


「飛行魔法の他者への付与は可能なんですか?」 


「問題ない」


「となると作戦は決まったわね」


「あぁ。想定外の自体だが幹部撃破作戦だ」

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