戦慄!モンスター!!
やあ!私はナナ。魔物が出ない筈であるカトイに突如出現した巨大ゴーレム
あわや大惨事という絶望的な状況だったが、カゲリの能力が特効となり手早く倒すことが出来た。
しかし、それでも被害は大きく私達と交戦する直前の間だけで私達の滞在していた宿とその回りは壊滅状態に陥った上、粉々になったと言えどあの巨体は相当な量の瓦礫となり、一つの小山を作り出していた。
「なんだったんだあのバケモンは…」
「ジャイアントゴーレム…」
「ジャイアントゴーレム?」
「現影使いに魔王軍をやらされてた時にちょっと聞いたことがあるのよ」
「通常のゴーレムの数百倍の手間を掛けて作られる兵器…謂わば量産型ダンジョン主ってところでしょうね」
「なんだそのとんでもない物」
「でも結局ゴーレム数百体分の魂も持ってるからオーバーフィールドにガッツリ阻まれて使い物にならなかったって聞いたんだけど…」
「バカなのか?」
「…っというか待て!?オーバーフィールドで使えない奴がなんでここに出てくる!?これってつまり…」
私の最悪な想定。それを肯定するかのように各地で轟音が鳴り響いた
『ゴォォォォォォ!!!!!』
「どうするか…この状況…」
「オーバーフィールドが何かしらの理由で機能しなくなったと見るべきね…」
メガゴーレムとやらはその図体のお陰で何匹この街に現れたかすぐに見てとれた。
合計五体。いくら現在が夜とはいえ、一体、一体の距離も離れているのでホイホイと倒しきれる量ではないだろう
おまけに個体によってバラつきがあるのか、先程の物より巨大に見える奴まで存在する
それにほんとにオーバーフィールドとやらが破られているとするなら無制限にこのゴーレムが現れる可能性があるわけだ。それもこの街だけでなく、世界各地に
直後、現れたゴーレムの一体が体を崩す
『ゴォォォォォォ!!!!!』
「うぉぉぉぉぉッ!!!!」
「退避しろ!!!」
「バーフさん達か!!」
勇ましい声に視線を下げると、鉄の装備に身を包んだ兵隊が槍や弓、魔法など中距離~遠距離の武器を使用しゴーレムに攻撃を仕掛けていた
ゴーレムはその巨大な拳を握りしめると、兵士達に叩きつける。その巨体ゆえたったそれだけの動作の攻撃はまるで隕石と見間違えるほど圧倒的速さと威力で兵隊へ襲いかかる
しかし、防御担当であろう魔法使い数名が何かしらの呪文を唱えると兵隊を透明な壁が覆いその拳から守りきった
ゴーレムが拳を戻すと壁を解除しすぐに攻撃へ
突如現れた敵だというのに兵隊達は慌てることなく的確に攻撃を対処していった
「すっげえ…」
「これが年季の差ね…って見てないで私達も加勢するわよ!」
「っとそうだった!」
さっと回りを見回す。五体中三体のゴーレムは下を向いて地面に拳を振りかざしている…つまり何かしらと交戦中と見て良いだろう
ならば他の二体を私達は相手にするべきだろう
「カゲリはあっちのゴーレムを頼む。私はあっちに行く!!」
「わかった…って貴方有効打あるの!?」
「色々試す!駄目だったらお前のとこに誘導する!」
「了解!」
たったそれだけ短い会話を済ませると私達は走り出す。タイムリミットは夜が明けるまでなのだ。今ならばカゲリの能力で簡単に無力化、破壊が可能になる
しかし、夜が明けてしまえば私達は正攻法でアレを相手にしなきゃ行けなくなる。無理とは言わないが被害は間違いなく拡大するだろう
故に私達はあまり考えず今できる目先のことを行いにいった
『ゴォォォォォォ!!!!!』
っと言ったは良いもののマジで誰もいねえ…
本当に三匹分で人員を使い果たしてしまったのだろう。逆にいえばそれだけヤバい相手、と言うわけだ
「というか最悪誘導するってまず私一人で生き残れるのか…?」
バナナが効かない相手に私が無力なのは分かっている
『ゴォォォォォォ!!!!!』
考えている間にふと私の周りが急激に暗くなったことに気がついた
「うおおお!?」
顔あげた途端目に入ったのは巨大な岩の塊、ゴーレムの足だ
今まさに振り下ろされる…という直前で私はその足にバナナを投げつける
足に命中したことが踏んだ判定に当たったのか無事ゴーレムの巨体は宙を舞う……舞ったのだが
「しまっ!?」
その巨体ゆえ転んだ衝撃はかなりのもの。結果的に私も衝撃だけでティッシュのように宙を舞うことになってしまった
レベルとやらの概念のせいか、幾分か体の耐久値も上がっていたらしくそれなりに吹っ飛び落ちたものの死ぬことはおろか意識を失うこともなかった
痛みは据え置きだがな!!
怪我もかすり傷程度だ。しかし幾らかすり傷程度といっても何発も食らえばどうなるかは分からない
というかそもそも土地へのダメージも大きい
現地民の方のためにもなるべく早めに倒したいのだが…
『ゴォォォォォォ!!!!!』
案の定通常のゴーレムのように自重で崩れることはなく、立ち上がってくる
こうなったら何とかしてカゲリの元へ……そう考えた瞬間。私は突如激しい光に照らされることとなった




