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嵐の前の静けさ

やあ!私はナナ!バーフとの話を済ませた私達は彼の従者に宿泊用の施設へと案内された!!




通された施設は私のいた世界のホテルとそう代わり無かった。


当然科学的な物は存在しないのでエレベーターやテレビなんかは無いのだが…


それでもズラリとビルが並ぶ都会的様子は元いた世界を思いだし、少し涙が出た。


話を戻すが今回は以前とは違い、一人一人個室が宛がわれた。考えてみればこの世界に来てからプライベートな時間というのはほぼほぼ無かったので少し新鮮だ。


かといって1人でやることも無い……




と言うわけで仕方がないと一眠りしていたのだが…


暫くして、トントン。とノックが響いた



―――――――――――――――――――――――――――


「……」


宛がわれた個室に荷物を置いた私は、剣だけ手に取り階段を降りる。


目的地は地下にあるという修練場だ。




「いいよねぇ、王様の娘様は力が無くても血筋で勇者になれる」




先日アジナ言われた言葉。それは間違いない事実だ。


私には勇者としての資格も才能もない。


直近で思い出すのは呪衰者…現影使いとの戦いだ。ナナは転生したてだと言うのにあの不思議な能力を最大限生かして戦い、カゲリは自分で作り出したという魔法の数々で現影使いを倒す鍵となった。


そしてリノアちゃんは土壇場で自分の戦い方を確立させて操られていた私を打ち倒した。


皆がそれぞれが戦っていた…単なる村人のテンカですら村を守っていたと言うのに、私は………



何も力が無かっただけならばここまで悔いてはいない。本当ならば…あの時に現影使いを…




ふと気がつくと修練場のあるという地下にたどり着いていた。




―――――――――――――――――――――――――――


「うわぁ…!!」


通された施設に荷物を置いた私はお金と一応武器だけ持ってすぐに外へと駆け出した。


商業や技術の中心地とされるカトイには見たこともない食べ物や道具、お店がズラリとなんでいてとても面白い



夢だったんだよね…ここを観光するの!!


来るときミリノちゃん達も誘おうと思ったんだけどミリノちゃんは居ないし、ナナは寝てるし、カゲリは用があるらしく仕方なく1人だ。


皆一緒ならもっと楽しかったのになぁ………




「おっ!アンタは勇者様んとこの魔法使いさんじゃねえか」


通りを歩いていると店のおじさんに声を掛けられる


その言葉を聞いてかざわざわと回りの人達が反応し始めた


「この国の為にいつも戦ってくれてありがとうな。よけりゃコイツを食ってってくれ」


するとおじさんは商品であろう食べ物を私に差し出してくれる


「ありがとうございます!」


「魔法使いさん!よけりゃこれも!」


「こっちも食べてって!」


わいよわいよと回りの人達は私を労い何かを渡してくれる


あの頃と違って私たちのことをしっかりと認めてくれている証拠って考えるとすごく嬉しい


「魔法使いさん!こんにちは!!」


他にも商人の人だけでなく子供達とか色んな人が私に話しかけてくれる。


ここの人達はお祭りとか盛り上がるのが大好き…とは聞いていたが、まさか私一人でもここまで盛り上がってくれるとは…




そうこうして会話をしたり、何かを貰ったりしつつ、買い物や食べ歩きを楽しんでいると目的地であり、同時に観光名所『オーバーフィールド』にたどり着く



オーバーフィールドはこの国を守る結界であると同時に観光名所としても有名なのだ


流石に勇者のパーティーといえどもあんまり近くで見ることは出来ないみたいだけど…


まあ仕方ない。そう遠くから眺める。



これが私達を守ってくれてるんだよね…



このフィールドがあるからこそ力の無い人達でもこの世界で生きていける。逆にこれが無くなれば………前の村の人達やさっきの人達も…



絶対に守らなきゃ!!!


決意を新たに顔を上げると、遠くにもう1人オーバーフィールドを眺めている人影が目に入る。









それを見て、私は言葉を失ってしまった



―――――――――――――――――――――――――――


トントンと扉をノックする


「なんだ?ってカゲリかどうかしたのか?」


すっかり見慣れた黄髪の少女ナナが扉から現れる。


「例の鑑定の結果の話よ」


「例の鑑定…?」


首を傾げるナナ。色々あったとは言え人に依頼した事をもう忘れるとは…


「弓よ弓!貴方が頼んだんでしょ?」


「あー!ってあれ失敗したんじゃないのか?」


「失礼ね。ある程度は成功したわよ」


「てことは大まかには失敗してるんじゃないか」


「刺すわよ?」


初対面から思っていたけどなんて失礼な娘よコイツ


「それで結果は?」


「鑑定出来た部分だと、どうやら持ち主の魂?とか何かに応じて矢の能力が変わる?とかみたい?」


「曖昧すぎない?」


「私だって思ってるわよ」


「てかそこだけ分かったところで結局弓の力殆ど分からないじゃないか」


「…そうね」


「そうなの!?」


「そうよ!念のため伝えに来てやったのよ!!」


ゴチャゴチャと喋りつづける。しかたないじゃない良いところで爆発したんだから…


続きが分かるのなら私だって知りたい。


なんて会話に一段落着けようとした瞬間だった








―――――――――――――――――――――――――――


オーバーフィールド、機能阻害確認


ニヤリと女が笑みを浮かべた。

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