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バナナを生み出す能力のお陰で私は毎日幸せです!  作者: フレア
冒険、始めました
62/90

さらばだ!第一の村!!

フレアです。

「あぁ!」


体のダルけが消えた!!


呪いが解けたのだ。それはつまり、現影使いの死を意味する。


「ふぅ…。」


すると、槍の影からカゲリが歩いてきた。


「終わったわよ。」


澄ました顔でそう言う奴に向けて私は…


「最初から本気出せ!!!!!!!!」


ずっと言いたかったツッコミを解き放った。








私達はすぐに怪我人の確認へ向かった。まず最初に目に入ったのは仲良く倒れているミリノ&リノアコンビだった。


リノアの方は魔法、ミリノは打撃を食らったようで、そこそこのダメージを負っていた。


「カゲリ、ミリノの呪いとか判別できるか?」


「ええ、今からするわ。」


そう言ったカゲリは、ミリノに手を当て目をつむる。


その合間に私はリノアの治療だ。っといってもバナナを食べさせるだけなのだが。


「呪いも解けてるわ、問題ない。」


カゲリのお墨付きも得れたところで、ミリノの口にもバナナをいれる。


傷は瞬く間に直ったが、眠ってしまっているのか二人は目を覚まさなかった。


叩き起こす…のも可哀想だしそもそも起きないだろう。


「やっぱり凄いわね、このバナナ…」


ちなみにカゲリにも食べさせておいた。






次に出会ったのは騎士長だ。


「ナナ殿!カゲリ殿!」


「やあ!騎士長」


「終わったのですね…」


「あぁ、分け前を残せなくて申し訳ない。」


「いえいえ。」


騎士長は見た限り無傷だった。やはり本物ならまだしも偽物では相手にもならなかったか…。


「お二人は?」


ミリノとリノアの事だろう。


「二人とも無事よ。今は影のなかに入れてる。」


カゲリがそう返す。


仕方なく、二人を担いで持っていこうとしたらカゲリが入れてくれたのだ。


現影使いが使えば最低な魔法だったのに、コイツが使うと最高の魔法だな。


「それはよかった。」


騎士長はそう返すと、すぐに外からうぉぉぉぉ!!!っと言う叫びが聞こえてくる。


自警団の方も終わったようだ。


「全く敵地で叫ぶとは…」


騎士長も呆れ顔だ。


そしてどうやら、長かった数週間の戦いは間違いなく終わりを遂げたようだ。











騒々しい自警団達の笑い声を聴きながら、馬車に揺られる私達


ミリノとリノアはまだ影の中だ。


「70年の戦いが終わった気分はどうだ?カゲリ」


「別にどうもしないわ」


村へ戻る馬車の中、カゲリ問いかけた。


私にとっては精々数週間の戦いだったが、カゲリにとっては70年…途方もなく長い戦いだったのだ。


「これからは貴女達と魔王を倒しにいくんだから、むしろ始まりの一歩よ」


「そうか」


答えを聞いて私は満足する。


「あっ、チョコバナナ出せた。」


「え?」


ついでに新能力も開花だ…。










「ふぁぁぁ…」


ふぁぁ…やあ!私はナナ!!昨日、ついに呪衰者改め、現影使いとの数週間に渡る戦闘が決着した!!!


犠牲者は0名、奇跡的な数値だ。最初に転生してきた時はとんでもないゴミ能力だと思っていたが…どれもこれもバナナを生み出す能力あってこその結果だ。


これがなきゃそもそもゴブリンキングに殺されていただろうしな…。


私達は村に着き、最低限、風呂と飯を食った後すぐに部屋で寝てしまった。


三人用とはいえ、かなりの広さだったのでカゲリも同じだ。


部屋を見渡す。


未だに眠っているカゲリ…?リノアとミリノがいないな…?


よく考えれば現影使い攻略から寝っぱなしだったし、そろそろ起きたのだろうか?


まあ、話したいこともあるだろう。そう思い私は部屋で二人を待つことにした。












目が覚めれば村の宿だった。でも村の景色は大きく変わっていて、色んな木で出来た家はほとんど黒い、鉄のような家に変わっていた。


何故か覚えていない…。そんな都合の良いことは無かった。全て覚えている。


あの日、呪衰者とダンジョンで交戦して、負けてしまった私は呪衰者の人形と化して、奴に力を与えて村がこんなになる遠因を作ったり、私自らがリノアさん達を襲ったりしたのだ。


私が…弱いから…。


「ミリノちゃん…?」


隣から声が聞こえる。リノアさんだ。


「リノアさん…私…。」


自身のやってしまったことで泣きそうになる。


「ちょっと外行こっか?」


そう言われて、私達は外の風にあたりにいった。





「やっぱり私達と戦ったことも覚えてるんだね」


「うん…。」


「まあ、カゲリもそうだったみたいだしね」


聞き覚えの無い名前にふと首をかしげる。


「あー、現影使いだよ。まあほんとは呪衰者の方が現影使いだったんだけどね」


ハハハハハハと笑う。いまいち分からないので後でナナに説明してもらおう…。


「私…ほんと駄目ですね…。操られてばっかりで皆に迷惑かけて…」


「そんなこと無い!!!」


落ち込む私に、リノアさんは叫ぶ。


「!!」


「あっ、ごめんね…。でもそんなことは無いよ。」


「だってミリノちゃん、必死で自分を止めようとしてた」


「え…?」






ミリノちゃんは覚えがないっといった様子だ。


「…だってさあの時」





スタスタとミリノちゃんが歩いてくる音が聞こえる。


ふと目の前には剣を振り上げるミリノの姿。





「ミリノちゃんゆっくり歩いてきてたじゃん。」


「…っ」


「それに、私が早くなってたとはいえ、いつものミリノちゃんの攻撃じゃ、魔法を使う前に私切られてたよ?」


「そもそも、剣じゃなくて雷の魔法を使った方が確実に倒せたはずだもん。」


ミリノちゃんは戸惑っている。


「そんなの…たまたまで…」


「だったらミリノちゃんも分からない、心の奥の方で耐えてたんだよ!」


「ミリノちゃんだって必死で戦って、凄いと思うよ!!」


子供みたいな言葉になっちゃったけど、全て本心だ。


「それをいうならリノアさんだって、見たこともない魔法を使って…」


笑いながらミリノちゃんはそう返してくる。


よかった、少しは楽になったみたいだね。


朝の光を浴びながら、私達はしばらく話続けていた。








「二人とも帰ってこねえしカゲリは起きねえ…。」













布団にカゲリを巻き込んだままたたんで、そのまま紐で縛り上げた私はガラガラと戸が開く音を聞き、ミリノとリノアが帰ってきたことに気がつく。


「どうも…ナナさん。」


「やあ!ミリノ!!久しぶり…か?」


「いえ、記憶はあるので昨日ぶりです。」


「そうか…」


久しぶりに正気のミリノと話す。


「本当に迷惑をかけました…。」


「別に良いよ、私も村の奴も気にしてない。」


「ほらね、言ったでしょ?」


リノアもそう言う


「お前の方は大丈夫か?」


「リノアさんのお陰で」


「それはよかった」


そう言いながら畳んだ布団に腰かける。


「うぐっ」


「…」


「…」


「…え?今布団からなんか聞こえませんでした?」


「気のせいだ。」


そう私が返すとすぐに…


バタンバタンと布団がはね始める。


「キャアアアアアア!?」


ドッキリ成功だな。








ハンマーで人の頭を叩くのは流石に駄目だと思う…。そうカゲリに目線を当てながら、二人の会話を聞いている。


「カゲリさん…って現影使いのことだったんですか!?」


「カゲリでいいわ。あと現影使いだけど違うわ。」




「何か新しい人が居たのは知っていたんですが…まさか貴女だったとは…」


「やっぱり怖いかしら?」


「いえいえ、むしろ頼もしいくらいですよ!!これからもよろしくお願いします!!」




「凄いスピードで仲間にしてもらえたわ」


「よかったなお人…お友達増えたぞ」






ギャグみたいなスピードで仲間になったカゲリだが、正直予想はできていた。


ミリノなら絶対こうするだろうってな!


ヒリヒリする背中をおさえながら私は考える。


「でも、新しいメンバーも増えたし幹部も倒せたし、次の新天地に行く前に一度王国ですね」


そんなミリノの言葉で気づく。そう言えばこの村ともお別れか…。


正直、実際に村にいた時間は数日しか無かったのだが、やはり何か寂しさのようなものを感じる。


「この辺りのダンジョンも全部終わったしね!」


リノアもそう言う。


「村の修復もあるでしょうし、余所者である私達もすぐに出発するべきだろうな」


「賛成、まだまだ先は長そうだしね。」


っと私達も賛成するが…


「カゲリはいいのか?折角生まれ育った村に帰れたのに…」


「言ったでしょ?もう知り合いはいないし、現影使いも元はと言えば魔王の差し金だし、私の戦いは終わってないって」


「ならよかった」


私はカゲリの返答を聞いて安心する。


「とりあえず、明日か明後日にでも王国へ出発しますね。」


そう、今後の方針が決まった。









そこからは早かった。私達の村からの退去をした村人達に引き留められたり、ミリノが現影使いの件を謝罪したり、お別れ会と称してパーティーしたりな。


騎士長や自警団とも話したり、最後にテンカとも話したりな。


あっという間に夜が明けて、私達の退去の時間になった。


「多分しばらくは持つと思うから使ってくれ」


「どうも」


念のため、村にバナナを残しておく。


普通のバナナなら腐るだろうが、私のは仮にも能力、転生特典だ。恐らく大丈夫だろう。


「どうかお元気で」


「本当にありがとうございました。」


「いえいえ、こちらこそ。」


「またきてくださいね!」


最後に騎士長と村長、そしてテンカに見送られながら村を旅立つ


他の人たちは朝早くということもあって就寝中だ。なるべく起こさないように静かに村を出発する。


「ナナ殿。」


「?どうした、騎士長」


最後に騎士長、サルベルに呼び止められる。


「此度の魔王軍、幹部達は確実に力を増しておられます。能力だけでなく、身体も磨くことをおすすめします。」


「忠告ありがとう、騎士長。分かったよ。身体訓練も取り入れよう。」


「ええ、ではご武運を」


そう最後に忠告を聞いてから今度こそ村を旅立ったのだった。

一章終わりです!反省点は?と聞かれれば反省点しかないですがとりあえず終わりです。




また少し投稿空きます。

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