帰還!村!!その2
フレアだよです。
やあ!私はナナ!!前回、騎士長のお陰で村人達に私が本物であること、カゲリに敵意が無いことを一応は納得して貰えた。
だが、不信感があることは事実だろう…だから、ここで私達が完全に味方であることを、行動で証明する。
「カゲリ」
「分かってるわ」
カゲリが地面に手を当てると、そこから黒い影が広がる。
「ッ!!」
一部の村人は警戒をするが、そこから出てくるものは棘でも、鞭でも、槍でもない。
「ここは…」
「うぅ…」
黒い影の中から現影使いの暴虐により、犠牲になった村人全員が現れる。
再び、村人達が騒がしくなった。
生きていた子に泣きつく親、生きていた親に泣きつく子。友人のもとへ駆け寄るもの、様々だった。
と言うのも、別に死者蘇生なんて大それた事を行った訳ではない。
現影使いが暴虐の限りを尽くし始めた直後に帰還した私達は、現影使いをリノアと騎士長が抑えてくれると踏んで、まずは人命救助に当たったのだ。
カゲリの影魔法。ダンジョンでミリノを連れ去った魔法の応用を使い、瓦礫や魔法が落ちるちょうどのタイミングで村人を影に飲み込み、現影使いからは死んだように見せていた。と言うわけだ。
案の定、数名は殺したと思って満足したアイツは他の村人を殺しに出向かず、おとなしく、騎士長とリノアと戦闘。人命救助をある程度完了させた私達が合流したというわけだ。
そして、次は私の仕事、負傷者の手当てだ。致命傷になりかねない傷は負う前にカゲリが助けているが、リノアや騎士長を始めとして、現影使い攻略組の傷は酷い。
私は作れるだけバナナを生み出して、動けそうな村人達と協力して負傷者の治療に向うのであった。
「ありがとうございました。英雄様、そしてカゲリ様。」
負傷者の治療が完了した後、村長を代表に村人達にそう言われる。
カゲリの力もあって犠牲者は0だ。
「いや、構わない。それに現影使いが強化されたのは敗北した私達の責任だ。すまない…」
あの時、私がダンジョンの崩落に巻き込まれず、ミリノと二人で現影使いを相手できていればこうはならなかったはずだ…。
「私に関しては狂ってたとはいえだいぶ長い間、貴方達のこと襲ってたみたいだしね…ごめんなさい」
礼を言われるが、そもそも私もカゲリも後ろめたいことまみれで、むしろ本来謝る側だ。
「いえ、顔をお挙げくださいお二人共。」
「確かに、カゲリ様は長きにわたり村を苦しめてきました。現影使いが強化されたのもミリノ様の敗北が原因かもしれません。」
村長の言葉を噛み締める。
「ですが、貴方達は村のピンチを救ってくれた。それでいいじゃないですか。」
「そもそも、現影使いが強化されなくても、どちらにせよ後数十日後の襲撃で、この村は滅んでいたでしょう。それに、カゲリ様や英雄様がいなければどれだけの死者が出ていたか分かりません…。」
他の村人達も村長に同意するようにそうです。と言ってくれる。
「本当にありがとうございました。英雄様、カゲリ様。」
村人達は無事、私達を受け入れてくれたのだ。
先程から数時間後
「そこでいいの?」
「はい!お願いします!」
今カゲリは物の影を実体化させてその物を増やすとか言う超便利影魔法で鉄を量産し、住宅を作っている。
ある程度形は変えられる上に、本質は影魔法なのでカゲリだけは、質量を無視して自由に浮かべたり、変形、結合させたり出来るそうだ。
結果的に下手をすれば前世よりも遥かに頑丈な家が驚くスピードで建っていく。
この魔法で生み出した物は、鉄などの無機物ならカゲリの手を離れても消滅せず、半永久的に残り続けるそうだ。
最も生命や魔法的なものは不可能みたいだが…。
魔法には詳しくないが、多分かなりすごい魔法なんだろうな…。
恐らく、村人とカゲリが完全に打ち解けるのも時間の問題だろう。
そんなカゲリを眺めながら、私は焼け残っていた私達の借りていた宿に入っていく。
次回、リノア再開




