殲滅開始
ふ
「キャァァァァァァァ!!!!!!」
「逃げろ!逃げろ!!!」
「お願い!止まって!!!」
「ハハハハハハッ!!!」
私は杖でミリノちゃんの剣を防ぐ。
「無駄よ!無駄!!!」
「うわぁっ!?」
でも相手は勇者、力負けして吹っ飛ばされてしまう。
「一体どうなってるの…」
…
…
…
…
…
「うぅ…」
「魔法使い様!!」
「あれ…私…」
「おぉ!お目覚めになった!!」
私が目を覚ました時、既にナナとミリノちゃんはダンジョン攻略に向かっていた。そして、帰ってきてもいなかった。
テンカちゃんから話は聞いた。呪衰者があと20日後にもう一度攻めてくること、私が呪衰者の攻撃で10日間も寝ていたこと。そして、ナナとミリノちゃんがダンジョン攻略にいったきり帰ってきていないこと。
本当はすぐにでもダンジョンに向かいたかった。すぐに安否を確認したかった。
それでも、今の自分の体は呪いで弱りきっていて少なくとも1日は療養が必要だった。それでも他の人に比べたらかなり早い方だったみたい。
けれどそこで奇跡が起きた。ちょうどその1日でミリノちゃんが帰ってきたのだ。だけど、その奇跡は一瞬で絶望に変わった。
「心配してたんだよ!?ミリノちゃん!!」
「英雄様はどちらに!?」
帰ってきたミリノちゃんの側にナナの姿はなかった。そして、ミリノちゃんは一言。
「に…げて…」
「え?」
絶望に満ちたような、この世の終わりのような表情でミリノちゃんはそう言った。
次の瞬間にはミリノちゃんの背後から現れた大量の魔物が村の蹂躙を始めた。
そして、
「ハハハ!!!!!」
「ッ!」
ミリノちゃんも剣を構え、私達に襲いかかってきた。
「ハァッ!!」
すぐに騎士長を初めとした村の自警団達が応戦を始めたが、騎士長達も私と同じくつい昨日まで眠りについていた身、まだ本調子ではなく、押されぎみであった。
…
…
…
「ったたた…」
「こんなものですか…」
吹き飛ばされてぶつけた箇所を気にしながら私は立ち上がってミリノちゃんに聞く
「なんで!?なんでこんなことしてるの!?ミリノちゃん!!!」
「こんなこと?いやー、そんなこと言われましても僕もこれが仕事ですから」
僕…?
「ッ!!!」
「おっと。」
私は杖を槍のようにして目の前の敵に投げつける。
「危ないですよ?」
「本物のミリノちゃんとナナを何処へやった!!!!」
ミリノちゃんは今も昔も僕なんて言ったことはなかった。それにこんなことする子じゃない!!!
「何処へ?何を言っているのです?私がミリノですよ?」
「…。」
私は目の前の敵を強く睨み付ける。
「おお、怖い怖い。ミリノは私ですけど、ナナなら、今頃地底でおねんねしてる頃じゃないですか?」
「なっ…」
「いいじゃないですか別にあんなの。出会ってたったの数週間じゃないですか。」
私は念のために持ってきていたナナから貰った槍を持つ。杖とは違いぎっしりとした重さを感じる。
「ミリノちゃんの顔で…言葉を口にしないで」
間違いない、コイツはナナを殺した。言い方的にミリノちゃんも…!!
「うわぁ!?やめてくださいよ!親友に向けるものじゃないですよそれ!?」
「…!!」
すぐに敵の心臓めがけて槍を突く。
「…バレましたか」
けれど、それをハンカチで防がれる。
その武器…!!
「呪衰者!!!!」
「いかにも。」
次回へ続きます




